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後日談エピソード3 夜が来る

「だぁあああ!!やっと長い一日が終わったぜ!!」


「お疲れ様でした。ギャド様」


「疲れてねぇ!!ぜんっぜん疲れねぇ!身体が鈍っちまう!!」


うふふ。そうですわよね?

あんなに毎日動き回っていたのに急に何もせず座っていろと言われましても困りますわよね?


「ですから、精神的にお疲れ様でしょう?お庭で剣の鍛錬でもしてきますか?皆様へのお披露目ももう少しで終わります。そうすればまた、忙しい毎日に戻ります、きっと」


と、いうか、もう今しか休めないかもしれませんよ?

私達の事で沢山の貴族が粛清の名の下に、その地位を国に返上させられましたから。皇家に対する反発の声は日に日に大きくなっておりますもの。その処理に追われるでしょうから・・・・。


「・・・・そうだなぁ。まぁそうなんだが・・・」


何でしょう?ギャド様?何か私に言いたげですわね?

え?手招きしてます?何でしょう?


「きゃ!ギャド様?」


「二人きりの時は呼び捨てでいいって言ってんだろ」


そうなんですけれど・・・・慣れないのです・・・子供の頃からギャド様はギャド様でしたもの・・・・でも・・。


「ギャ、ギャド。離して下さい」


「え?何でだよ。やっと一日が終わってセラと二人きりになれたのによ」


きゅうううううううん!!


何なんでしょうこの方!!ほんっとに可愛い!!こんなに大きいのに可愛い!!もう食べてしまいたいくらいに!!


「あ、あの。あんまり部屋から出るのが遅れますと、また、その・・・所構わずベタベタしていると陰口を言われてしまいます」


「は?言わせておけよ。それに、その通りだろ?夫婦なんだし別に構わねぇよ」


いや、そうなんですけれど・・・・ギャド様のイメージが悪くなるのでは?


「元々、近親婚で周りからよく思われてねぇんだし、今更気にしてねぇよ」


・・・・そうですわね。

こうなるまで詳しい事は知りませんでしたが、本当は血が近い者同士は結婚は御法度だったみたいなのです。


でも、大樹の呪いが解けた今となっては関係ないとエルハド様は笑ってらっしゃいましたが・・・・・。


「・・・・・・んっ」


ギャド様と結ばれて私は今までギャド様の事、全然知らなかったのだと思い知らされています。


逃げている時は、私と離れるのが不安でずっと側を離れなかったと思っていたのですけれど・・・ギャド様、結構寂しがり屋さんですのね?


「・・・・仕事、辞めた方がいいですか?」


「・・・・・辞めなくていい。子供が出来るまでは」


それは・・・・・近い内、辞める事になりそうな気がします。もしかして確信犯ですか?ギャド様。


「子供が大きくなったら、また働けばいい。その時々で考えていけばいいだろ?」


「・・・・はい」


そうですね。

色々と工夫しながら過ごして行きましょう・・・・。







「・・・・・・うっ・・・」


「・・・・・ギャド様」


夜。ギャド様はうなされる。


恐らくその事を、ギャド様本人は知らない。


「・・・・うう・・・・・・セ、ラ」


「はい。ここにおります。隣にいますよ」


もしかしたら今までずっと、ギャド様は夜一人でうなされていたのかもしれないです。


あの三年は、それ程にギャド様の心に深い爪痕を残している。


「怖くないです。もう、怖い事は起こりませんから」


私はそんなギャド様に毎日声をかけています。


ギャド様が安心するまで、ずっと彼の頭を撫でながら。


貴方が安心して眠れる様になるまで、ずっとこうしていますから。


「・・・・・セラ・・・・・・・・・・あいたい」


「・・・・・・すぐ側におります。ギャド様」


私は、何も知らなかった。



貴方が私に、助けを求めていた事を。



「一生、ギャド様から離れません。大丈夫ですよ?」


夜が明けて、朝が来て、何も知らない貴方が目覚めても、それは変わらない。私はずっとギャド様の側にいる。


「・・・・・・・・・セ、ラ」


ギャド様さえ知らない。

私しか知らない。私だけのギャド様。


どうか、少しでも幸せな夢が見られる様に。

そう願いながら、私達は今日も二人で目を閉じる。

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