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セラの弟

「私を呼んだかな?」


「お前本当に、竜の子供だったんだな?」


そうだよ?セラが何度も説明していた筈だけれど、まだ信じていなかったのだね?


「ギャドの事かい?」


「うん。あ、これオヤツ」


お?君もくれるのかい?セラも君も上手に魔力の結晶を作るものだね?中々簡単ではない筈なのだがね?


「ゴルドは、コッソリ見てたんだよな?あの時、ずっと話を聞いてて・・・ギャドに何が起こったのかは分かった。オリヴィエ様がギャドにした事も。でも、分からないんだ」


「ふん?何がだい?」


「オリヴィエ様がしたい事が。だってさ、あんな事してギャドがオリヴィエ様を好きになる事なんてないよな?」


それはそうだね。当たり前だよ。どちらかといえば支配したかったのかもね。


「それに、この数年間はギャドの事、放っておいたんだ。それなのに姉様と婚約して騒ぎ出したのは何故なんだろう」


君は凄いのだね?あの状況下で、そんな事冷静に考えていたなんて、子供の君が。


「あの人もしかして誰かに操られてるんじゃないかな?」


「・・・・・何故そう思うのかな?」


「色々と辻褄が合わないというか。多分何か行動を起こそうとすると、あんな風になるんじゃないか?何かからギャドを遠ざけようとしている気がするんだけど・・・・」


聡いね。しかしこれは困った。私は精霊と人間の仲介は出来ないよ?そもそも人間を一方的に助ける事が出来ない。

余計な事も喋れない。元々人とは別の世界で生きる者だからね?人間社会への介入は許されないんだよ?


「あのさ、何も言わなくていいし、聞き流していいんだけどさ。もし、それが分かって姉様とギャドがどうしようもなくなったら、少しだけ手を貸してくれないか?契約が必要なら私がしてもいい」


うーーーーーーーーん。それは手を出すという事だね?


まぁ、内容にもよるんだろうね?


「何なら出来る?ゴルドは人の魔力を吸い出せるよな?それ以外人間に出来る事はないの?問題にならない程度の事でいいんだけどさ」


中々いい線突いてくるね?まぁオヤツもくれたし、少しだけならいいかな?


「そうだね。まぁ生気や記憶なんかも吸い出せるよ。人の記憶には深い魔力に似た力があるからね」


「・・・・・記憶・・・じゃあ。オリヴィエ様からギャドの事を消す事が出来る?」


「・・・・・しかし、そんな事をしたら一大事ではないのかい?それは人間の一番大切な物だと思うのだがね?」


マルク、君はあの人間達の中で一番理性的で賢かったんだね。セラが自慢するだけはある。そういえばセラもギャドの話を聞いて狼狽えなかったね。傷付いては・・・いたが。


「それをするのには、どんな対価が必要になる?」


「・・・・それを払う覚悟が君にはあると言うのだね?」


「ある。ゴルド、人の人生はゴルドにしてみれば一瞬だろ?」


「そうだね。人間はすぐに死んでしまう」


ふむ。そこで笑える君は将来大物になるだろう。

なんだか君に、興味が湧いて来た。


「だからこそ、私達は必至にならなきゃいけないと思う。私はお姉様とギャドを幸せにしたいんだ!」


成る程。まぁ記憶を吸い出す程度ならそれ程私は問題ではないよ?彼女を蝕むものが何なのかは分かっているからね。

言ってもどうにもならないから口には出さなかったがね?


「もし、ギャドが戻って来た時、オリヴィエ様がどうにもならなかったら、お願い」


「・・・・よろしい。その時は君に手を貸そう。これは、君と私との約束だ。いいね?」


「うん!ありがとうゴルド!約束する」


本当に・・・・・人間は面白いね。






「嫌だ!!俺は絶対に嫌だぞ!!」


「諦めろよ。もうお前皇族の人間なんだから、正式な場ではちゃんと礼服を着ないとな?」


全く服ごときで何をそんなに騒ぎ立てているのだね?


「いや!俺はいい!そんな場へ出なくても!寧ろほっといてくれ!!」


「ギャド。往生際が悪い。どんなに抵抗しても、もうお前は俺達の叔父だからな?」


「だぁーーーー!!!なんでだぁああ!!」


そのやり取り、何度目なんだい?最早日常の挨拶と化しているが?この前セラも呆れていたよ?


「なんだお前達、まだ支度出来ていないのか?」


「父様、この人どうにかして下さいよ。中々服着てくれなくて・・・」


「なんだギャド?素っ裸で外に出る気か?お前はそんな趣味があったか?」


「違う!!そして話が通じねぇ!!」


そうだね。だからいい加減君も諦めたまえよ。


「今日我慢すれば後は好きなだけ宮廷内で自由に仕事させてやる。セラも後から来るのだぞ?一度くらい凛々しい姿を見せてやれ」


「う!!」


おや?ちょっと心が動いたようだ。

君は本当に、セラにメロメロなんだね?


「まぁ、お前が服を着なくてもセラはお前を好いてくれると思うぞ?なんといってもお前の半裸を頻繁に覗き見ていたからな!!セラも中々だな!」


「な!!ちょ、ちょっと待て!!なんだそれ!俺はそんな事知らねぇぞ!!一体それはいつの話だ!!」


「アッハッハッハッハ」


笑っているが、誤魔化せてないようだよ?

君、デズロから口止めされていたのに、しょうがない人だ。


「何笑ってんだ、おい!!あ、コラお前ら離せ!」


「もう、いいから。時間ないから」


「ケルベナー!そっち持ってくれ。ほら着替えるよ?」


「俺は、俺はこんなの認めねえーぞ!!」


いや、だから。諦めたまえよ。往生際が悪すぎる。

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