表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/67

愚かな父だったんだ

私には直ぐに分かった。


父がオリヴィエの事を親戚の子供としてではなく、女として見ていた事を。

オリヴィエは、それに気付かず私の父を一途に尊敬し続けた。


レインハートは昔から妃を他国から招く事になっている。

何故なら、その血が濃くなると、とても危険だからだ。


我々は血が近い者ほど、その相手に惹かれやすい。


だから決して近しい者同士では結婚しなかった。

特に我等皇族の者はその血に酔いやすい。


私は父の気持ちに気付いていたが、それを見て見ぬふりをした。私は父を信じていた。そして、オリヴィエも真面目で潔癖な女性だった。だから、安心していたのかもしれないな?それがいけなかった。


まさか大樹に二人して狂わされるとは・・・しかも、その事でオリヴィエが壊れるとはな。


「お前は父ではなく自分の子供の血に強く惹かれたのだ。お前は許せなかったのだろう?自分が父だと思っていたものが自分にした事を」


「な、にを・・・ちがっ・・・ちがう・・」


「言い訳だったんだ。父の事など愛していなかっただろう?お前が愛したのは正しくギャド一人だ。それを認める事が出来なかった。だから父の事を言い訳にギャドを縛り付けた。誰にも奪われないように」


「違う!!違う!!私は、ノア様を・・・」


「では、何故ギャドが生まれた後、父に会いに行かなかった?父を愛していたのなら、何故父を求めなかった?」


そう。お前は父を嫌悪した。まぁ当然だな?

そして、お前がギャドから嫌悪される事もまた当然の事だ。全く同じ事をしたのだから。


「お前は、もうとっくに正気だっただろう?頭がおかしいふりをしていただけだ。お前は我々に自分の愛する者を奪われるのが我慢ならないだろう?だから、敢えて奪ってやろう。そして、私の父のように深く反省するがいい」


なんだギャドもセラもメルローも顔色が真っ青だぞ?

大丈夫だ!俺がギャドを目一杯可愛がってやるぞ!弟とか実は欲しかったんだ!あっはっはー!


「えっと・・・ちょっと・・・頭がついて、いかねぇんだけどよ?」


「そうだな?お前の頭じゃ直ぐ理解するのは難しいかもしれんな?」


「ギャ、ギャド・・・わ、私は・・・」


「私はな、デズロに言わせると頭がおかしいらしいぞ?愛情深くて優しい癖に血も涙もないらしい。意味がわからんだろ?だから、お前がこの後どうなろうが、興味が湧かん。自分の事は自分で何とかしろ。もう父上も死んだからどうにもならないしな?」


さて、用も済んだし、さっさと行くか。

近くに約束を破ったデズロ達も隠れてるしな?

アイツら後で、たんまり叱ってやらんとな?


「さぁ、セラも行くぞ。もう、ここに用はない」


「え!あ、はい・・・」


しかし、参ったなぁ。

出来ればギャドの前では殺したく無いのだがな?


「エルハドォォオオオオオオオ!!!」


まぁ、ほっておいてもティファ達が飛び出してくるし、仕方ないな。・・・・・・残念だ。


キンッ!


「コラコラ?駄目だよ?ティファ、エルハド?レディには丁寧に接しないとね?」


「え?ゴルド?」


「・・・・な!に・・・・」


この者は・・・ゴルド?竜の子供がどうしてここに?


「随分と苦しそうだね?マダム。何が、そんなに苦しいのかな?」


「・・・・・・わ、たし・・は」


「うん。何かな?」


これは、精神操作か?

いや、違うのか?急にオリヴィエの様子が変わったな?


「あの子を・・迎えに・・行かなければ」


「そうだね。君に助けを求めてる。君が帰って来るのを待っているよ?」


「ええ。ええ。でも、もう足が動かない。手もあの子に届かないの」


これは・・・・オリヴィエ?


「じゃあ、君の代わりに僕があの子を助けてあげよう。あの子が連れて行かれないように、安全で幸せに暮らせる場所へ」


「・・・・・本当に?あの子を、助けてくれる?」


「・・・・母・・様?」


「ギャド様・・・」


これは一体どういう事だ?オリヴィエは正気に戻っていたのではないのか?父は、元に戻ったのだぞ?


「・・・・良かった・・・じゃあ、あの子を連れて遠くに逃げて頂戴。決してあの子がレインハートに見つからない場所に・・・そうしないとギャドはあの人に殺されてしまうもの」


「ああ。君の望みを叶えてあげよう。約束するよ?もうすぐ君も解放される。ずっとずっと苦しかったね?でも、きっとその時が来たら、その時こそ君は耐えられないだろう、だから」


・・・・まさか。おい。まさか彼女は。


「・・・・・ギャド」


「な、んだよ」


「幸せになりなさい。もう、何も怖い事は起こらない」


大樹の呪いが解けていなかったのか!!


「お休みオリヴィエ。永遠に」


「ゴルド!待て!!止めろ!!」


しまった!私とした事が・・・大樹の効果が吸収される場所によって違うなど聞いてないぞ!!!


「ギャド様!」


「ゴルド!!」


「ま、待て!危ない!!」


ああー!これはアレだ・・・妻と息子達に、叱られそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ