マジか
「ちょっ!ギャド!後ろ後ろ見ろ!狙われてんぞ!」
「雑魚に用はねぇ!サッサとセラから手を離しやがれ!」
「落ち着けギャド!取り敢えず速度を落とせ!セラ嬢が落ちちゃうだろうが!」
「お前が止まりゃいいんだよ!!サッサと止まりやがれ」
キレてるねぇ?ギャド完全にキレてますねぇ?
今にもギャドに殺されそうな皆大好きメルローだよ?
「メ、メルロー様?一度止まった方が・・・」
「ごめーんまだ目的地についてないんだ。後もう少しだから!もう少し頑張ってセラ嬢?」
いやぁギャドのこんな顔見られるなんて俺、思わなかったわ〜。これは命のかけがいがあるわ。めっちゃおもろい。
「取り敢えずギャドを殺そうとしてる奴等は端から捕えてってるから大丈夫だよ?ギャド全然そっちは見てないけどね?このまま最終目的地まで駆け抜けちゃおうね?」
「最終目的地・・・え?まさか、宮廷ですか!?」
ギャド、セラしか見えてないから多分このまま付いて来るな!流石脳筋!操りやすい・・・・うぎゃあ!!
あっぶね!お前今本気で俺の腕狙ったな?
「メルロー・・ふざけんのも大概にしとけ。止まれって言ってんだよ」
「本当に呆れるよね?騎士団長ともあろう者が好きな女一人にこの有様。そんなに大事なの?あの場所より?」
お?表情が少し変わったね?ちょっと考えた?どんな返事が返ってくるのか興味はあるけど・・・今のうちだね!
「ギャドを見つけたぞ!!殺せ!」
「はーい!邪魔」
「どけ!ぶっ飛ばすぞ!」
ぶっ飛ばしてから言うセリフじゃないよね?
しかも俺達馬に乗ってるんだから、相手死んじゃうよ?
まぁいいけど。
ギャド殺そうとしてる奴等だし興味ねぇわ。
「はーい!到ー着!!」
「きゃあ!」
ごめんねぇセラ嬢。
荒いお馬さんごっこでキツかったでしょ?
もう、追いかけっこは終わりだから。
「やっと止まったなギャド」
ありゃ?まだ残ってたのか?我等が騎士団は何をしているのかな?もしかして数名サボってる?あり得る。
「なんだ?俺に何か用か?」
「お前達には、ここで死んでもらうぞ。もう、時間もないのでな」
ああ。エルハド様が来る前に片付けたいんだな?
そうしないと言い訳出来ないもんな?
もう、バレてるんだけどな?
「おい!連れて来い」
ん?あれは・・・げぇ!!あれギャドの母親じゃん?何?捕まっちゃったのか?そりゃ、ちと不味いな。
「大人しくしなければ、あの女を殺す。分かったら武器を捨てろ」
「・・・・あちゃあー参ったなぁ。セ・・・・」
・・・・セラ嬢?なんて顔してんだ?・・・ギャド?
「何故、貴女がこんな所に?自由に外に出ているのです?」
「・・・・何故?そんなの簡単よ?あの屋敷の人間は全員私の昔からの使用人なの。ギャド、貴方気付いてなかったのね?」
何の話だ?二人共顔色が悪い・・・・。
「そう。皆共犯だったのよ?マッティアとジェラルド以外全員ね。そうでなければ、三年も誰にも知られずいれたと思う?」
「おい!何の話をしている?オリ・・・ぐぇ!!」
刺客!!コイツら!何処から!
「貴方が泣きながらお願いするから、セラを生かしておいてあげたのに、もういいわ。セラを殺しなさい」
「セラ!!」
「セラ嬢!!」
なんか、なんかよく分からねえけどヤバイ!!
あの女、やばいぞ!!クソ!間に合え!!
「・・・・・・・いい加減に・・なさいませ!!!」
んな!!なっなんだ!これ!
セラ嬢の体から突然冷気が!!
「ぐあっ!!」
「ぎゃあああ!!」
これは、攻撃魔法!!セラ嬢魔法が使えたのか!?
「お前!!いつの間に!!」
「いつの間に?最初からですわ。デズロ様から魔力を見て頂いた時からずっと訓練しておりました。使わなかったのはこの国でご法度だったから、それだけです!!」
なんつー威力。
コレ実は高位魔法なんじゃね?セラ嬢そんなに強かったの?
「人が大人しくしていれば図に乗って。貴女はいつまでギャド様を苦しめるおつもりなのです!自分の欲の為だけに!!」
「・・・・ふ、ふふふ!あははははは!!セラ!貴女よくそんな事が言えたわね?貴女がギャドにした事と私がギャドにした事、一体何が違うのかしら?貴女だって無理矢理ギャドに迫ったのでしょう?しかも縛り付けて!自分の欲を叶える為に!!!」
・・・・ちょっと待て。なんだそのマニアックなプレイ。
緊急事態にも関わらず俺はちょっとドキドキしている。
「そうですわね?その点は私も認めますわ。でも、貴女と私は違います」
「何が違うと言うの!!」
これは、俺は聞いてはいけない内容だったな。
俺気絶しとこうかなぁ。
「分かりませんか?ギャド様が抱きたいのは私であって貴女ではない。その一点です。お・ば・さ・ん!」
ひぇええええ!!
修羅場!!コレは修羅場だ!!とんでもねぇ!
ちょっとディープ過ぎて流石の俺も笑えないぞ!!
「本当に生意気な小娘が!このまま私から逃げ出せるなんて思わない事ね!ギャドの素性はもう知られた。お前の想いが果たされる事は叶わない!私が、貴女達を何処までも追いかけて破滅させてやるわ!」
「貴女・・・!」
「セラ、無駄だ。もういい」
これは、キツイわ。
ギャド。お前とんでもねぇ爆弾いくつも抱えて生きてたんだなぁ?いやぁ立派立派・・・さて、この人どうすっかなぁ。
「ギャド、行かないで。もう貴方の嫌がる事はしないから・・・私の、側にいて頂戴」
「諦めろ。もう、アンタが何をしても無駄だ」
「・・・・そう。・・・じゃあ死んで。私と一緒に」
ギャド?ギャド!?なんで避けない!
お前そんなの避けられるだろ?ちょっ!!
「オリヴィエ。私の弟に危害を加えられるのは困るぞ?」
「え?」
「は?」
「はい?」
え?エルハド様が今、空から降って来たんだけど?なんで?
「ギャド。迎えに来てやったぞ?お前私の父の子なんだってな?今日からお前は私の弟になる。私を兄と呼ぶがいい」
あの。ちょっと待って?
え?何それ?聞いてた話とチガウンデスガ?マジですか?
「ん?説明が足りないのか?お前は今日からギャド・レインハートになると言ったんだ。そしてオリヴィエ」
「・・・・・な、にを・・・」
「お前が一番恐れていた結末を与えてやろう。ギャドは私が貰っていくぞ?お前にはこれが一番の罰になるだろ?」
え?どういう意味だ?一番の、罰?
「お前が何故ギャドにあんな事をしたのか。それは、私からギャドを隠したかったんだろう?あんな事をすればギャドは事実を誰にも言えない。自分の、出自の事もな?無駄な事をしたものだ。もう、二度とお前はギャドを見る事も触れる事も許さん」
「おのれ・・・おのれおのれおのれおのれ!!呪われた一族め!!!お前達の所為で私がどんな目にあったか!!それなのに、それでも飽きたらず私のギャドを奪うというのね!!!」
「何を、何の事を・・・」
「そうだな。お前は気の毒だと思うぞ。本当の父の様に尊敬していた我が父にされた事が、それ程までに苦痛だったのだな?だが、その苦しみをギャドに向けたのが間違いだと、お前は気付くべきだった。そうすれば失わずに済んだのだがな?」




