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逃げる二人の背後には

「あの、何処かで服を変えた方が良いのでは?私のこのドレスは目立ちます」


「・・・そうだな。実はこの先に俺の隠れ家があるんだ。一旦そこに行こう」


「はい」


でも、私達、何も持たずにサンチコア出て来てしまいました。一体この後どうするのでしょうか?


「よし!ここが・・・」


「プキュ!」


「おう!お前も入ってみるか・・って!おい!なんでお前ここに?」


ゴルド?何故こんな所に?他には誰も居ませんが?

ん?あれ?ゴルドの体変化して・・・。


「全く世話の焼ける人達だ。ティファが二人を心配していたので少々、君達の様子を伺っていたんだ。ほら、君の財布持って来てあげたよ?感謝したまえ」


「お前。その姿。人間に変幻出来るのか?」


「短期間ならね。私はすぐ街に帰るが、君がセラから離れる少しの時間ならセラを守ってあげられるのだが?」


「・・・・勝手に連れ帰ったりしねぇよな?」


ギャド様。なんて目でゴルドを見るのです。でも、そうですわね。そのくらい警戒しなければ簡単に連れ戻されてしまいそうですもの。


「それはないよ。ティファがそれを望んでいない」


「・・・・中に入って待っててくれ。この近くに小さな町がある。そこで必要な物を買って来る。セラ」


「はい。待ってます。お気を付けて」


そんな顔、しないで下さい。居なくなったりしません。


「・・・・・ゴルド」


「何かな?」


「私はちゃんと、笑えていますか?」


「そうだね。素敵な笑顔だよ?ギャドも私も君にメロメロだ」


ふふふ。

ゴルドって、こんな風に喋っていたのですね?

成る程それで、紳士なんですね?


「私は人ではないから、君の感情は理解出来ないが、話を聞く事だけならできるよ?吐き出したいなら、今のうちさ」


優しいですね。でも、優しくしないで欲しいです。


「私は・・・・・最低の人間です・・・」


私は全くギャド様を理解していなかった。


あの人はきっと自分の為ではなくジェラルド様やマッティア様を守る為に耐えて来た。


彼等の妻と母親を奪わない為に。


そして、きっと私の事を守る為。


オリヴィエ様は私の事を最初から知っていた。

そう、最初から。

子供の頃、私達が会っていた時も。


あの人が必死で耐えていた時、私はただ自分の事しか考えていなかった。


再会してからもずっとそうでした。

ギャド様が何を思っているのかなど本気で考えた事があったでしょうか?


「時間を戻したい。あんな形で私の願いなど、果たすのではなかった!」


何故、あんな事が出来たのか。

ギャド様の事を知った今では想像すらしたくない。


ベッドに縛り付けられ目を覚ました時の・・・想像を絶するギャド様の恐怖を・・・彼はあの時、本気で怯えていた。


「・・・・そうだね。君は、彼の事を何も知らなかった。だから、出来た。でも二度と君には出来ない」



"・・・セラ!・・ほんと、に無理だ・・たのむ・・"



私は一生自分を許さない。

許す事が出来ない。


あんな事をギャド様にさせた・・・・私を一生許さない。






「ゴルド。待たせた。セラは?」


「少し疲れたようだ。眠っているよ」


「・・・・これから何処へ向かうんだい?」


「言わなきゃなんねぇか?ティファに筒抜けなんだろ?」


「ティファは君達を無事に逃がしたいようだが?」


「難しいだろうな。それこそ国外に逃げるしかねぇ」


あ、ギャド様が帰って来ました?声が聞こえます。


「それを、するつもりはないんだね?」


「んーあー・・いや、宰相のおっちゃんが余りにも気の毒だろ?それじゃ」


いいえ。逃げましょう。ここにいては駄目です。

それでは、ずっと貴方は解放されない。


「・・・宮廷の者達が動き出したようだ。宿舎でも、少し動揺が広がっているよ。そちらはティファが上手いこと誤魔化しているが・・・国を出るなら、今しかないかも知れないのだけれどね?」


「・・・・恩人に会いに行こうと思ってる。結構ここから遠いんだが、それが済んだらサンチコアへ帰る」


「・・・帰ったら殺されるかも知れないのだよ?いいのかい?」


ギャド様?


「その時は・・・・セラを道連れにして、一緒に死ぬ」


「話が矛盾しているね?セラの父親が悲しむのでは?」


いいえ。そうしましょう。


「だってよ。どこか知らない場所で死んだと知らされるよりいいんじゃねぇか?その方が心の整理がつく」


「残酷なんだね?セラを殺すなら、あの女を殺せばいいんじゃないのかい?」


なんとなく私、ギャド様の事分かるようになってきました。私の事、そこまで愛してくれているのですね?


「あんな女と同じ場所になんて行く気はない。俺はどこであろうとセラだけがいいんだ。天国だろうが地獄だろうが。セラがいればそれでいい」


「私は君を見直したよ。君でもそんなロマンチックなセリフが言えたんだね?ただの脳筋男では無かったようだ」


「それ。誰が言ってたんだ?お前よく分かってねぇのに口にしてるだろ?それ」


「よく分かったね?だが、なんとなく雰囲気でわかる。要するに・・単細胞なんだろう?」


「お前、今すぐ元に戻れ。そしたら俺が本当の意味をその体に分からせてやる」


「断る!抱っこは可愛い女性以外は断固拒否だ!お前は硬すぎる!!」


ふ、ふふふ。


ギャド様があんな風に笑うの久しぶりに見ました。

良かった。まだ、ちゃんと笑えるのですね?本当に良かった・・・・・。


「・・・・・・・・・っ」


ありがとうございます・・・ゴルド・・ティファ様。

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