お前ら本当、いつも通りだな
「なーんだ。珍しくハイト抜きでこんな所に呼び出したと思ったら、何そのディープな内容。面白すぎるんだけど?」
「いやぁ、やっぱハイト人外だったか、俺正直納得したわ。あいつは普通じゃねぇと思ってた」
「無尽蔵に繰り出される鬼畜な要求に俺はもうノックアウト寸前だよ。正直それどころじゃないんだよ」
うん。お前ら本当に軽いな!真面目に聞け!いや、こんな話、真面目になんて出来ねぇな。おう。
「あーーーやっと少しづつ仕事が片付いて来たのに、陛下とハイト、二人の監視とか馬鹿なの?俺転職する」
まぁまぁそう言うなよ。
俺はもういい加減なれたぞ?なぁ?ヨシュア?
「もぅいい加減諦めろ。俺達は死ぬまでここでこき使われる、そういう定めだ」
「え?ヨシュア大人の階段から飛び立ったの?お前まさか四足歩行なのに羽まで生えて来た?」
「どういう了見だそりゃ。内容によっては、お前ら俺の今晩の飯にするぞコラ」
おーい。話がずれるぞ。
話、戻していいか?
「近いうち必ずセルシス様は気付いてハイトに近づいて来る。その時どんな反応をするかは分からないが、それが確定したと同時に一度ハイトをこの国から逃す。その時、ティファも同行させたい」
「成る程!ティファが一緒に行くならすんなり従うな。しかも二人きり。ハイトにとってこんないい条件はねぇよなぁ。羨ましい」
「ティファにもギリギリまで言わない。・・・逃げられたら困るからな」
「それはいいとして、一つ問題が」
なんだ?問題だらけだが言ってもいいぜ?
「その間。俺達の飯は?」
「「「「・・・・・・・・」」」」
それが一番の問題だったぁぁぁぁあ!!じゃねぇよ!
馬鹿野郎。悟りを開け。そして心を無にして食事しろ。
決してその間ティファの料理を思い出さない、その為に!
悪いなティファ。
これも全てハイトの為だ。
騙しうちするみたいで気が引けるが・・・・。
「・・・・え?じゃあハイトさん人間じゃないんですか?全然気が付きませんでした。私とした事が・・・むむ!」
でも、この反応は予想してなかったな。
ティファ全然驚いてねぇし、平然としてるな?
こいつのメンタル一体どうなってんだ?
「ティファは、動揺しねぇんだな?気になんねぇのか?」
「何がですか?別にハイトさんが何で出来ていてもハイトさんに変わりはないです。何か問題が?」
「・・・・・ハイトが化け物でも?」
「ギャドさん。ギャドさんは本当に恐ろしいものが、なんなのか知ってますか?」
何だそれ。本当に恐ろしいもの?
「身体を構成している物が何であったとしても、それは大した問題じゃないと思いますよ?問題なのは、その人の内面です。人を殺すのはいつも、人の歪んだ考えや思想。そして狂気です。私は、それを知っています」
ティファ。俺は本当に何も見えてないんだな。
お前凄え奴だよ。ちゃんと、分かってんだな。
「過程は関係ありません。私が好きになったのは今のハイトさんですから!」
え!!ティファハイト好きだって認めたのか!?絶対もっと拗れると思ってたのによ!なんだろうな・・嬉しいような残念なような・・・・。
「ギャドさん。気配を消して下さい。行きますよ」
え?・・・・おいマジか。
こんなお約束なタイミングがあっていいのか?
セルシス様があんな所にいるって事は・・・・・。
「やぁ?やっと見つけたよ。ハイト」
「陛下?何故こんな所に?ここは一般用の客室・・・」
「騙されたぁ。こんな近くにいたなんてぇ。しかも、何十年も。まさか、人間に化けているなんて思わなかったよ?」
見張りは何やってんだぁ?なんで何も・・・あ、アイツらも近くに潜んでるな。間に合わなかったのか。
「苦労したよ?でも運が良かった。他国の人間が俺を拾ってくれたんだ。そのお陰でやっと外に出れた」
「・・・・セルシス様を、どうした?」
「え?ちゃんとこの体の中にいるよ?ちょっと眠ってるだけ。人の体って便利だよねぇ?」
大樹よぉ。便利だからって人の国の陛下ちょくちょく操られたらこっちが困るんだぜ?お仕置きだな、おい。
「大丈夫。君を取り戻したらすぐ戻るよ?君も俺の一部だったんだから、分かるでしょ?」
「分からないし、覚えもないな?僕は人間だけど?」
「本当面倒だ。どうして俺の核なのに意思なんて持っちゃうのかなぁ?俺はね?さっさとここから解放されたいんだよ。お前は俺なんだから黙って俺に吸収されろよ!」
「それは、聞き捨てならねぇな?」
やはり、セルシス様の思考に引っ張られてるな。
操っていても生きてる人間の体の方が強い。
その人間の考え方や癖に引っ張られてるぜ?これならやり易いな。
「元がどうとかは関係ねぇだろ?こいつはもう、この国の人間なんだよ。一旦切り離されたんだから諦めろ」
つまり、運動能力も本体のままだということだからな!!
「後、セルシス様を返して貰うぞ!ティファ!!」
「はい!!」
流石だぜティファ!流れるように陛下を気絶させたな!
やべ!誰にも見られてねぇよな?今の!!お、頷いてんな?大丈夫だな?始末書とか書くの面倒くせぇからな!
「枝!確保しました!!なんともありません!!」
「よし!!ハイト!!」
「え?何?」
「逃げるぞ!!全速力で!!」
もうここまで来たらやりきってやる!!
ハイト!お前が欲しいもの全部持って行きやがれ!




