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言えない

「あれー?ギャド?」


「全く。解放された瞬間にいなくならないでくれよ。デズロ様、エルハド様も」


やっと戻って来たな。

今回は中々良いタイミングだったぜ?

早急にティファの所に行ってくれ。


「・・・テゼールさん、来てるぜ?ティファの心の閉じ具合が半端ねぇ」


「え!?そうなの?エルハド僕一足先に行くから!!」


「おーい。暴走するなよ?街を破壊するのだけはやめてくれ」


大丈夫なのかアレ。

物凄い勢いで空へ飛んでったけどよ。

っつーかあんた空飛べたんだな。


「で?うちの息子達はどうだ?うまい具合に宮廷を掻き回してるか?」


「それがなぁ。どうもセルシス様の様子がおかしい」


「ほぅ?あの子がねぇ?それは珍しいな」


言っていいものか?これは。

最近過激な言動が増えている気がするんだが、気のせいだろうか?


「なんでこのタイミングで退位を?もう少し先でも良かっただろ?」


「アホ。私が動かなければデズロも動かないだろう?この国からデズロが出るにはこれしかない。アースポントの問題は解決しているし、大樹も最近大人しいからな。動くなら今のうちだ。この先またいつチャンスが来るかわからないんだぞ?」


・・・・・やっぱりベロニカの件で動く準備をしてたんだな?大方デズロ様が言い出したのか・・・。


「・・・・なんだ。何かあったのか?お前の家もこれで大人しくなったのではないのか?」


そう思うよな。

世代が変わってしまえばまた暫くはチャンスが巡って来ない。レインハートを根絶やしにするなら話は別だがな。


でもよ。違うんだエルハド様。


「ギャド?」


何度、何度あんたに打ち明けられたらと考えたか。


たとえそれで、俺や母親が殺される事になったとしても。


でも、じゃあ何も知らない親父とジェラルドはどうなる?


何故あの人がそれを知られるくらいなら俺に母親を殺せと言ったのか。


「いや、今は親父も大人しくしてる。セラとの婚約が決まった直後は煩かったけどよ?やっと静かになったわ、ありがとな!エルハド様」


「・・・・・そうか。ならいいが・・・それなら、お前は何故さっさとセラと結婚しないんだ?」


「おい。何で一足飛びに結婚なんだよ。手順をちゃんと踏んでるんだろうが」


要らない所で勘がいいのやめろ。返答に困るんだよ。


「何故?お前は昔からセラが好きだっただろう?覚えてないのか?お前が私にそう、言ったではないか」


「・・・・・・そんな、昔の事は、覚えてねぇよ」


・・・・いつだ?俺は、いつそんな迂闊なことエルハド様に言った?


「確か、騎士団に入る前くらいだったか?お前、宮廷の庭園で・・・・」


「そんな昔の事覚えてねぇよ。そろそろデズロ様追いかけねぇと見失うぞ?」


「む?そうか?あ、アイツもうあんな所に!何か異変があればササラを使って私達に報せるように。ではな!」


おーおー?相変わらず、足が速えのな。

あんたのその体力は一体どこから溢れてくんだ?

俺も人の事は言えねぇけどよ?



・・・・・・そうか。


ズキンッ


全部、思い出した。

そうだった。

俺が、記憶を自分で消した理由。


「クッ!・・・クックック!」


救いようがねぇな?何だそれ。何だよ俺。

じゃあ何の為に、セラを忘れたんだよ・・・・。


「ハハハハハ!!」


どうするかな・・・・・・これ。


「ふ!ははは・・・・うぅぅ!!・・・・だんちょう・・・」


あんたに会いたい、今すぐ。

あんたに会って、一言でいい。言って欲しい。

そうすれば、俺はまだ頑張れる。


"お前が正気でいられなくなったら俺が殺してやる。だから、それまで生きてみろ"


「ペシュメル・・・団長!!」





「ギャド。お前騎士になれ。今すぐ家を出ろ」


「・・・そんな事、できねぇよ。あの人が俺を手放すわけない」


「それがなぁ?エルハド様にそれとなーくお前の父親の事チクっておいたから大丈夫だ。今頃お前の父親が悪企みの制裁として、お前をあの家から引き離す手続きと、通告が行われている頃だからな?」


「・・・・え?」


「お前父親に感謝しろ。お前の父親が真っ当な人間じゃなかった事に」


「・・・・・俺、あの家に帰らなくていいのか?」


「そうだ。もう帰るな。二度と。お前はこのままサンチコアの宿舎に連れて帰る。そして死ぬ程鍛錬して強くなれ。いいか?決して誰にも操作されるな。そしていつか、今は出来ない事を成し遂げろ」


「今は、出来ない、こと?」


「ギャド。お前にあの家は必要ない。見捨てろ」


「見捨てる?」


「そうだ。お前が生き残る為に、あの家族を見殺しにしろ。ジェラルドもな」


「・・・・・・・・そんな事、出来ねぇ」


「ああ。だが、それが出来なければお前は死ぬ」


「殺されるのは構わねぇよ」


「俺が言っているのはそういう死じゃない。わかってるだろ?」


「・・・・・・そうなった時。俺は正気でいられるか?」


「お前が正気でいられなくなったら俺が殺してやる。だから、それまで生きてみろ」


その答えを俺は見つけられていないんだ。

ペシュメル団長。

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