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元ツンデレ現変態ストーカーと亡き公国の魔女  作者:
1章 新興国のツンデレショタっ子は魔女に懐かない
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31話 帝都視察

 秋が来た頃、ヴォックスやシレが浮かない顔をし始めた。


「兄上がねえ」

「厳しくなってきたな」


 第一皇太子のご機嫌斜めがマックスらしい。連日サクに論破され、領土拡大の話すらできず、国家連合が成り立とうとしている。思い描いた未来でないのだろう。


「早くに連合決めてサクを離れさせた方が良いな」

「そうだね」


 今までは苦笑で済んでたのに済まないところまで来てしまったのだろうか。まさか会議の席で剣を抜くことなんてないだろうけど心配になる。


「私、帝都に出て大丈夫?」


 勝手な行動で皆の立場を危険に晒すわけにはいかない。


「大丈夫です。私がおります。暴漢なんぞ粉微塵にしてみせましょう」

「ユツィ」


 そういう意味じゃないのと言うとヴォックスとシレが問題ないと言って笑う。


「我々が付き添えない代わりにユツィがいる」

「まあちょっとやそっとじゃ手出せないからね~」


 二人は城に残るらしい。本人たちはやることがあると言うけど、第一皇太子の件のせいだろう。

 帝都視察はサクに任せる形になり、私とユツィがおまけでついていく。その中で帝都の騎士の治癒を行う予定だ。


「水路もうまくいったし、最近城内の侍女侍従達の働きぶりも目を見張るって感じだしねえ」

「騎士の強さも一段階あがったな? 体調不良者も減った」

「ここまで成果が出ているからね。それを帝都でも確認しないとなんだよ。てなわけで、よろしく」


 チェックリスト渡された。

 後から部屋に入ってきたサクにシレが笑顔で迎える。


「サク! 逢引楽しんできてね!」

「視察だ馬鹿!」


 顔を赤くしてサクが叫ぶ。ユツィがいるから友達とお出かけみたいな感じだと思うけど?


「クラス」


 ソファの隣に座るとあっち向けと反対側を指差される。言われるがままサクとは反対側を向いた。


「髪、触っていいか」

「いいけど?」


 なんだろうと思って振り向こうとすると動くなと怒られた。黙ってされるがままになり、気配でユツィたちが様子を見てきているのが分かる。途中へえとかほうとか面白いことをとか感想が入るから気になって仕方ない。


「サク、なにしてるの?」

「……もう少し待て」

「えー?」


 いじられてる感覚はあるけど具体的になにをしてるかは分からない。私の髪は長くてゆるくウェーブがかかっている。纏めにくい髪質ではないけど長いとサクの手にはあまるかもしれない。


「よし」

「こちらを」

「おう」


 振り向いていいと言われ、サクに向き直る。おらとサクがぶっきらぼうに手鏡を差し出した。


「?」


 見ろということだろうか。手鏡を持ち上げて自分を写すと想像してなかった結果がきた。


「わあ」


 後ろに大きく一つに纏められ、その周囲は編み込まれた髪が囲っている。大きく一つに纏まっているとこにも編み込みにも薄い沢山の色合いの布が絡み覆っていた。顔の前面に近いところは花模様の髪飾りが飾られている。主張しすぎない飾り方だ。


「サク器用」

「……おう」


 白髪が隠れて見にくくなっている。華美な飾りではないから視線は髪に集まらない。


「もしかして、私の髪を?」

「その、目立ってあまり見られたくないって言ってたから」


 出会ったばかりの話だ。今でこそより過ごしやすくなったから、フードを被らなくなりつつあったけど、街に出たら当然珍しいこの髪を見られる可能性が高い。


「気にしてくれてたの?」

「フード被ってばっかだったろ」


 優しい。ツンツンしてるのに、きちんと考えてくれてる。


「ありがとう」

「俺は視察でフード被った人間連れてたら動きづらいと思ってだな」

「うんうん、嬉しい」


 淡い多色が私の髪を弧を描いて降りてきている。


「髪に虹がかかってるみたい」

「へえ虹ねえ」


 シレがしたり顔で覗き込んでいた。


「言うなよ」

「ええ? 誰かさんの瞳には虹がかかってるとかいうやつ?」

「このやろう……」


 赤くなってる。照れているのは分かるけど、どうかしたのかな?


「サク?」

「行くぞ!」


 ソファから勢い良く立ち上がる。耳まで赤くして一人さっさと出ていってしまう。シレが吹き出してるのを冷めた目でヴォックスが見ていた。


「サク?」

「クラス、私達も行きましょうか」

「そうだね」


 にしても本当よくできてる。そういう仕事もできるんじゃないの。サクって多才ね。


「これ、誰に教わったんだろ?」

「見ただけだと思うよ」


 シレがあっさり言う。サクは見ただけで身に付けられるらしい。じゃあ一緒に料理する意味ない?


「まあ一度見る必要はあるから、それは侍女あたりかな?」

「そっか」


 メルかな? 今度聞いてみよう。


「おい」


 扉を開けてせかしてくる。もうすっかり顔が元通りのツンツン顔に戻っていた。


「うん、行くよ」

「気をつけて」

「うん」

人、それをセ●バーヘアと言う(言わない)。ギリギリ更新できました~危なかった…。デート回うはうは。

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