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元ツンデレ現変態ストーカーと亡き公国の魔女  作者:
1章 新興国のツンデレショタっ子は魔女に懐かない
24/103

24話 隠し通路

「ユツィはいいの?」

「参加できますがヴォックスと同意見ですし、わざわざ中に入る内容でもありませんね」

「へえ」


 内容分かるんだ。なんとなく水路の話してるとしか分からない。


「そしたらこれ届けてこようかな?」

「ならば私も」

「大丈夫、メルのとこだから」


 ちょうどよくユツィの名が呼ばれ、一人はだめですと強く言って輪の中に入る。その隙にそっと出ていった。

 メルはあちこち移動しているみたいで聞く先々でいなくて何度も場所を移る。


「後々あれらが怒るぞ?」

「分かってるよ~難しい話邪魔できないし」


 ドラゴンとフェンリルを連れる。怒られるのは分かってるけど護衛いるならいいでしょな流れに持っていくためだ。二人が見えてるサクは割と彼らに信頼を寄せている節がある。たまに難しい話もできるから楽しいのかもしれない。


「我々がいるからいいものを」

「我らに敵う者は城内にはいないからな。護衛にするなら正解だ」

「菓子も食したし、英気を養ったからな。今ならウニバーシタス帝国領土を軽くなかったことにできる」

「やめてよ、物騒だって」


 ちなみに変身能力を使えば護衛騎士になることもできるけど、それを誰かに見られてどこの騎士だとなっても困るので、ドラゴンは見えないまま肩にフェンリルは大型犬の姿で隣を歩いている。


「メル!」


 程なくして目的の人物に会うことができた。今日は割と早く見つかったからラッキーな日ね。


「クラス、あ、お菓子っ」

「うん、多めに確保したよ」

「ありがとう助かる!」

「仕事は大丈夫?」

「うん、あ、この後まだあるの」

「大変ね」

「いいの、後で時間外とってお礼するから! あ、サクなしのティータイムもいいわね。あの子がいない時狙っていくわ!」

「ふふふ、わかった」


 フェンリルを一撫でしてから忙しなく去っていく。本当一瞬だ。


「私たちも行こうか」

「まったくなんなんだ、あれは!」


 聞きなれた声がそう遠くない場所から聞こえ、物陰に隠れる。


「……」


 足取りが雑に早くなった第一皇太子と皇太子妃だ。

 どうしよう、逃げるにも道がない。ここはT字路になっていて、曲がり角に物置部屋がある関係で窪みができていた。物陰に隠れてはいいけど、あの二人がT字路、私の反対側へ進むか、こちらに進んでくるかで変わってくる。反対側へ行く事を祈るばかりだ。


「くそっ、あの子供め」

「このままですと、件の子供の思惑通り連合国家が成立してしまいますわ」

「分かっている!」


 第一皇太子妃としてもサクの掲げることに納得いかないらしい。国家連合の樹立は領土拡大を続けたい皇太子にとって痛手だとは思うけど、第一皇太子妃には影響なさそうなのに、いつの間にか敵視されている。まさかサクったら喧嘩吹っ掛けたの? やりかねないわね。


「随分出しゃばってくれる」

「下働きへの待遇改善と水路の件が大きかったでしょうか。そこからあの子供が大きく出るようになったかと」


 ああその通りだと皇太子は苛立ちを隠さず声を荒げる。

 他にもちょこちょこやってるらしい。サクってば本当年齢どこいっちゃったの。というか本当穏便がどこにもない。


「帝国を掻き回して何が楽しいのか」

「皇帝陛下もお気に召しているのか多少の事には目を瞑っておりますし」

「あの子供のせいで、いつまでたっても帝位を継げないではないか」

「ひどいものです」


 未来の皇帝に対する態度ではありませんと第一皇太子の腕をとる。

 確かに皇太子となった時点で次の皇帝は決まったようなものなのだろうけど、現皇帝が意思を示していないのに周囲が帝位をどうこう言う方がおかしい気もする。いつにするかというのも、皇帝が意思を示し、次に議会を通るはずだ。


「あの子供、第三皇子はともかく第二皇子や騎士たちも取り込んでいるとか」

「内側から帝国を奪う気か」

「あの魔女も一つ噛んでいるようですわ」

「魔女……弱小公国の?」

「ええ、魔女が子供を誑かしているとも」


 また適当なこと言っている。ぱっと見た目一緒にいること多いから誤解を招きやすいけど、なんでもかんでも私を悪者にしないでほしい。でもそれでサクが悪者にならないならいい。そこだけは救いだった。


「ふん、所詮子供か」

「もうあの女など、この城にいなくてもよいのではありませんか?」


 そっちにもっていきたいのか。早く出してよ。そもそも来たくなかったんだから。


「成る程、やはりあの偽聖女をどうにかするか?」

「しっ、ドラゴン。あの二人が仮に見えたら危ない」


 ドラゴンが次に私の背後を示すように目配せをした。背後を見るとフェンリルが隠し通路の前で待っていた。たまにこの二人面白いもの見つけるのよね。物置部屋の入って左手すぐの壁だった。


「いこう」


 この場に居続けると見つかるかもしれない。するりと物置部屋に入って音もなく戸を閉める。二人が開けてくれた通路を通って私は皇太子たちから逃げた。

こうして少しずつ不穏がやってきて一章クライマックスへ繋がっていきます。ちなみに一章は現時点で37話終了、二章38話からとなってますが、まだ未定です。

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