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元ツンデレ現変態ストーカーと亡き公国の魔女  作者:
2章 変態宰相公爵の、魔女への溺愛ストーカー記録
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最終話 今すごく幸せ

「メル、書斎のヌックに行くね」

「分かったわ。お二人にはなにか用意する?」

「菓子だな」

「ああ菓子がいい」

「……お菓子頂戴って」

「後で持っていくわ」


 二人を連れて屋敷に戻る。

 メルはあの時、ウニバーシタスにいなかったから見ていないけど事情は話した。今ドラゴンとフェンリルはたまにイルミナルクスに来て、美味しいご飯やらお菓子やらをねだって、私とサクと話して帰っていく。メルにはドラゴンは見えないしフェンリルは犬にしか見えないのに、毎回丁寧に対応してくれるから二人がとてもメルを気にっているのはまた別の話。

 二人は今、所在はステラモリスの森を主として連合国家間をうろうろしているらしい。元々一所に留まることはなかったけど、サクの聖女の件が出てきてしまったので私の元に長くいただけだった。


「この前のパンケーキは非常に美味だった」

「私はガトーショコラが好みだったな」

「あああれも絶品だった」


 スイーツ話に盛り上がる。本当この二人ってば胃袋掴まされちゃって。サクが直伝でレシピを継承したドゥルケが料理により目覚めて美味しいの追求に余念がない。サクが伝えた外に出すのだめな未来のレシピメニューが一際お気に入りのようだった。


「サクはお客様対応中だよ」

「知っている。構わんさ」


 ヌックに潜り込んでまったりしながら近況報告だ。メルがすぐにお菓子を持ってきてくれたけど、二人ともがつがつ食べてすぐになくなった。


「どうだ? あまり日が経ってないが慣れたか?」

「うん。屋敷の人、皆知ってる人だし」


 服だって公爵夫人たる服じゃなくて、軽く着れるワンピースだから気持ちも身体も楽だ。今までと生活が変わらない。身の回りのお世話してくれる人が増えただけで。


「他人に世話されも平気なら、サクが甘やかした甲斐があるだろう」

「え、なに、この生活の為の一年だったの?」

「まあサクが甘やかしたい一心だったろうが、二番目は結婚後の生活がスムーズいく為だろうな」

「うへえ……」


 サクの計画性が怖い。私との結婚譲る気ないじゃない。


「ドラゴン、フェンリル」


 暫くしてからサクがやってきた。近況報告をしては、周辺各国の様子まで聞き取りし始める。もうイルミナルクスの宰相の仕事だけになったのに、今だに国家連合の仕事も相談受けたりしてるし、シレたちからウニバーシタスのことも聞き続けていた。ヴォックスやシレの訪問もあるし、各国から日々沢山の手紙もきていて過労の文字が頭をよぎり心配になる時がある。


「では我々は行くとするか」

「次は結婚式ですね」

「人間の姿で行くか?」

「そのままでいいよ」


 人間で参加して周囲を驚かせるのも悪くはないがと笑う。どこまで本気なんだか分からない。


「結婚式かあ」


 空っぽになったお菓子の皿を重ねて端っこによせる。仕事の話をしてる時はひどく真面目に難しいことを言っては考えているのに、結婚の二文字で一気に有頂天に戻って来てしまう。


「楽しみです」


 書類上はもう夫婦だけど、近い内に二人だけで式を挙げて、その後周囲とウェディングパーティをする予定だ。サクは二人だけで結婚式を挙げられればいいらしかったのだけど、さすがにサクの立場でなにもしないのはと思って話し合った結果、ウェディングドレスを周囲に見せないならという妙な条件の元お披露目パーティみたいな形で成立した。


「僕だけがクラスのウェディングドレス見れるんです。楽しみすぎて鼻血出ます」

「やめてよ」


 そして当たり前のように私を抱えてヌックのソファに身を預ける。隣あって互いにソファに座ればいいのに、後ろから私を抱きしめる形で過ごすのをサクは好んだ。

 サクだと筋肉ばかりでかたい。ソファの方が断然柔らかいのに。恥ずかしさもあるからソファがいいに決まってるんだけど、こうなるとどうにもサクは離してくれなかった。サクの足の間にすっぽり埋まって広い胸に頭を預ける。

 あったかいのは落ち着くし好きだけど。


「せめて本持ってこさせて」

「えー」


 夫婦になってからは隙あらば抱きしめてくるようになった。寝る時だけだったのに、二人きりの時ならたまに抱きしめてもいいと許したら途端これだ。たまにはどこにもない。


「クラス」

「なに?」

「僕の事好き?」


 息が詰まる。結構な頻度で言葉で言うのが増えた。ただでさえ恥ずかしい格好でいるというのに、どうして告白するまでがセットなのよ。


「僕は好き。愛してる」

「そんな、あっさり」

「クラスは?」

「ぐぐぐ」

「……」

「……」

「……」

「……好き」


 ぱああと背後で輝く雰囲気を出したのが分かった。

 再び名前呼ばれ、サクの片手が私の頬をとってサクの方に向かされる。身体を少し捩じって顔を上げると虹色に輝いた紫色の瞳とかち合う。


「クラス、キスしたい」

「え、い、今?」

「今」


 逃げられるはずもなかった。視線を彷徨わせて再び目を合わせると輝く色を残したまま待っている。


「……いいよ」


 結局サクは私がいつも許してしまうのを分かっていた。その上できいてくるのは、私の逡巡と赤面を見て楽しんでるからだ。いやらしい。


「目、閉じて」


 言われるまま閉じれば優しく触れてくる。

 離れていく感覚で目を開けるとおでこを合わせて距離をそのままのサクが笑った。


「今すごく幸せ」

「うん」


 恥ずかしさに顔を赤くしても、結局はサクがこうして甘やかしてくれるのを求めている。サクに足元見られているのはもう仕方ないと諦めた。


「ねえ、サク」

「はい」


 一緒に長生きしようねと言うとサクが目を少し開いてから心底嬉しそうに細めた。

最後までお付き合い頂きありがとうございました!

えらく長くなりましたが(まさかの100話超え)、最終話まで走り切れたのは皆様のおかげです。やっとこサクの願いが叶ってよかったよかった(遠い目)。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 完結おめでとうございます! ついにサクとクラスもハピエン。 そして、まだまだこの世界のお話は続きそうで、寂しい反面、次はどんな物語が始まるのかと楽しみにもしています。 今回はちょっぴり…
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