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運極さんが通る  作者: スウ
序章
11/127

2人の想い

すいません。今回はすごく短いです。

 



  〜とある二人のプレイヤーside②〜


  「なぁ俊。なんであそこで引いたんだよ。相手は初心者装備のプレイヤーと瀕死のゴブリンだけだったじゃねぇか。」

  俺は思わずため息をつく。

  「お前、俺がいなかったら死んでたぞ?」

  「どういう事だよ。俺ら攻略組があんな奴らに負けるって言うのか?あぁ?」

  どうして俺の相棒は死にたがり…いや、気が荒いのか。

  斗真は、モンスターがいると突撃していっては返り討ちに遭うタイプのやつだ。

  先が思いやられる。

  俺は【鑑定】というスキルを持っている。

  チュートリアルのときに取得したのだ。

  その【鑑定】スキルを俺はどんな時でも使っている。

  モンスターにも、 対人の時でも。

  だから、今回もいつものように相手を【鑑定】した。

  奴のステータスの1部が視えた見た時、冷や汗が止まらなくなった。

  あんな化け物みたいな奴に挑む真似なんて俺には到底出来ない。

  だからこそ、俺は斗真に奴の恐ろしさを伝えなければいけない。

  斗真は【鑑定】スキルを持っていないから。

  「斗真。俺が【鑑定】スキル持ってるの知ってるよな?」

  斗真は不貞腐れたように頷く。

  「知ってるよ。だからなんだっていうんだ?」

  「そのスキルを初心者用装備をしていた奴に使ったんだよ。自分でも正直見なければ良かったと思った。…奴の種族レア度、そして、ステータス、あれは化け物だった。」

  あのステータスの数字は明らかにおかしかった。

  あれを化け物の呼ばずしてなんと呼ぶのか。

  「……。けどよ、化け物って言ったって、奴の装備はボロボロの初心者用装備だったじゃないか。Lvだってそこまで強そうには見えなかったぞ?」

  …斗真にも【鑑定】スキルを取らせておくべきだったな。

  相手を外見で判断するなと、あれほど言っているのに。


  あの化け物…るしのステータスを見れたのは俺の方がLvが高かったからだろう。

  ステータスが見れるって言っても、見れる限度がある。

  モンスターの場合だと、今のところ、種族、レア度、Lv、パッシブスキル、アクティブスキルを視るのが限界だ。

  プレイヤーの場合だと、種族、レア度、名前、Lv、HP、MP。

  相手のHP、MPが見れるのは、自分よりLvが低い場合のみである。

  これ以上プレイヤーのステータスが見えてしまうと、個人情報の流出みたいなもんだからな。

  そこんとこは、運営も配慮したんだろう。

 

  「斗真、耳をかっぽじってよく聞いてくれ。今から俺は奴のステータスを言う。」

  「ハイハイ。聞けばよろしいんでしょ?聞けば。」

  コイツ……ッ。

  人の気も知らないで…

  ぜってー後で【鑑定】取らせてやる。

  取得するまで、ずーっと人間観察させてやるからな。

  覚えとけよ。

  「奴の名前はるし。

  種族 堕天使 レア度☆8。

  HP 860

  MP 1060

  Lvが4だぞ?俺らと1つしか変わらないってのに、このステータス。化け物だろ?明らかに俺達の倍はある。分かるか?斗真。俺達は奴…るしを見逃したんじゃない。……見逃されたんだ。 」

  ここまで言うと、斗真もるしの化け物っぷりに気づいたようで、顔を青ざめさせる。

  るし…恐ろしいやつだった。

  ☆8を引き当てるなんて…ずるいっ。

  俺は諦めてヒューマンにしたというのに。

  しかも、イケメンだった。

  堕天使でイケメンって…俺を、ヒューマンを馬鹿にしてるんじゃないか?

  くそっ。

 

  ここで斗真もショックから立ち直ったみたいで、何か考え込んでいる。

  「斗真?どうしたんだ?」

  斗真は少し顔を赤くして

  「アイツ、るしって奴。アイツ…男じゃなくて、女じゃなかったか?そう思ったら…ドキドキして。」

  えっ…?

  あんなイケメンな顔してるのに、女?それはない……ないのか?

  いや、あるんじゃないか?

  声も中性的だったし…。

  「あと、近づいた時にいい匂いもしたし…。」

  おおおい!?

  斗真、君は一体何を言ってるんだ!?

  まさか、【魅了】スキルとかで、やられてしまったのか?

  そうなのか?そうなんだな?

  おのれ…るし。

  なんて、恐ろしいやつなんだ。

  「俊、今思うと、あの黒い翼、かっこよかったな。」

  「そうだな。かっこよかったな。」

  本当にかっこよくて美しい翼だった。

  「今度会ったときは触らせてもらおうぜ?」

  「そうだな。」

  ……。

  俊、るしはお前とはもう会いたくないって言ってたけど、それをお前はもう忘れたのか?

  まぁ、そんなことは俺にとってはどうでもいい事だがな。

 

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