表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

カウント

作者: ツヨシ

山の細道を歩いていた時のことだ。

突然聞こえた。

「五」

若い女の声で、すぐ近くで聞こえたのだ。

驚き慌てふためき、必死の目で周りを見た。

しかし女どころか誰一人いない。

気のせいかと思い直し歩いていると、また聞こえた。

「四」

はっきりと同じ声で。

立ち止まり、再び周りを何度も見る。

しかし誰もいない。

戸惑いつつも歩き出すと、しばらくしてまた聞こえた。

「三」

もう一度狂ったように周りを見たが、やはり誰もいない。

近くの木の影から言ったのかとも思ったが、声はすぐ近く、耳元で聞こえたのだ。

――こんな道、さっさと通り過ぎてしまおう。

俺はそう考え、歩みは自然と早くなった。

そこで聞こえてきた。

「二」

俺は周りを見わたすこともなく、走り出した。

息が上がり、喘ぎだしたところに女の声が聞こえた。

「一」

俺は立ち止まった。

そして考えた。

次は間違いなくゼロだ。

そして女がゼロと言った時、一体何が起きると言うのか。

そう考えると背筋が思わずぞわっとした。

俺は今来た道を引き返した。

するとそれ以降はなにも聞こえなくなった。


       終

気に入ってもらえたら、評価、感想をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)シチュエーションホラーの典型に該当すると思いますが、この発想はなかったですね。ツヨシオリジナルな感じが凄くあると思います。 [気になる点] ∀・)そのまま突き進んでいたら……? [一…
[良い点] これって……シンプルなようで、その実かなり奥深いですよね。いくつかの捉え方ができますので。 その道を通ることに。 ①若い女の霊が、主人公に道の先に危険があることを知らせて警告してくれた …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ