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破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!  作者: 琴子
第12章 消せない過去

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プロローグ



「聖女様、この町を救ってくださりありがとうございます……!」

「いえ、お力になれて良かったです。私にできることがあれば言ってくださいね」


 ──いつだって全て自分のためで「他人なんてどうでもいい」が口癖だったのに。


 今ではまるで聖母のように他者のために心を砕き、行動し続けているなんて、どうかしているとしか思えなかった。



「グレース様は本当に素晴らしい聖女だわ」

「謝礼も受け取らないんだろう? 少しでも復興のために使ってほしいと言って」

「子ども達のための活動も続けているそうだし、まさに無欲の聖女だな」


 ──欲しいものは必ず全て手に入れる、手段なんて選ばない。


 それが誰もが知るグレース・センツベリーで一番の友人の婚約者すら奪い、強欲悪女なんて言われていたのに。


 今では誰もが彼女を持て囃し「善人」だなんて言うのだから、信じられなかった。



「ゼイン様、大好きです」

「ああ。俺も君が好きだよ」

「どうかずっとずっと、一緒にいられますように」


 ──男なんて掃いて捨てるほどいるのだから、たった一人に絞るなんて馬鹿らしいと言っていた彼女が、誰か一人に一生を捧げて愛されるなんて間違っている。



 あんなの、グレース・センツベリーじゃない。


 愛する男性や大切な友人達に囲まれ、幸せで穏やかに平和に暮らすなんて、散々好き勝手していた彼女にとって、相応しい結末ではない。


 グレース・センツベリーは誰とも馴れ合わず、誰も愛さず、誰よりも傲慢で我が儘な稀代の悪女だったのだから。


 いいえ、今もこれからもそうでなければいけない。


「……私が、元に戻してあげないと」



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― 新着の感想 ―
続きを楽しみに楽しみに待ってました!! グレースちゃんとゼイン様の甘々がまた見られると思うと……嬉しすぎます(^^) いつも素敵な物語をありがとうございます! お体を大事にして頑張ってください!
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