最終話 村人A、史上最強の大魔王に転生する
まるで、時が逆巻いているかのようだった。
荒涼たる大地がそのとき、急速な変異を見せ始め……元の景観へと戻る。
ラーヴィル国立魔法学園。見慣れた景色を目にしたことで、一堂は安堵の息を吐いた。
「……どうやら、結果が覆るようなことはなさそうだな」
「あぁ。メフィストは完全に、この世界から消滅した。この光景が何よりの証だ」
「とはいえ。勝利を収めたとは言い難い」
オリヴィア、アルヴァート、ライザー。複雑な表情のまま彼等は言葉を交わした。
目的を達することは出来たが……失ったものは、あまりにも大きい。
とてもではないが、喜べるような状況ではなかった。
「確かに、最善ではないよね。でも……落ち込んではいられないよ。ワタシ達の戦いはまだ、終わったわけじゃないんだから」
ヴェーダの言葉に、四天王の面々は首肯を返す。
これにイリーナも加わって、
「ヴェーダ様の言う通り、あたし達には次がある。でも……しばらくは、休みましょ」
「さんせ~だわ。さすがにもう、クッタクタだもの」
「そうですわね……本当に、疲れ果てましたわ……」
彼女等の会話は、皆の総意であった。
休息を取りたい。何かを考えるにしても、その後だと。誰もがそう思っていた。
「まだ陽は高いけれど……寮に帰って、ベッドに転がりたいわねぇ」
「同意いたしますわ」
「アタシはご飯が食べたいのだわ。お腹ペコちゃんで死んじゃいそうだもの」
腹の虫を鳴らすシルフィーに、イリーナとジニーは笑った。
実感が湧いてくる。平穏が戻ってきたのだと。
今はこの場に居ないアードもまた、いずれは。
と――そのように考えた瞬間。
「残念、だけれど……再会の場面を、描くつもりは、ない……」
天空より、声が飛んでくる。
イリーナとジニーには、聞き覚えがあった。
記憶が確かなら、それは。
「……嘘でしょ」
皆がそうするように、イリーナもまた蒼穹を見上げ、そして。
相手の姿を視認したことで、苦渋を味わう。
白服を纏った青い髪の少年。
間違いない。アレは、神を自称する存在だ。
「僕達は、基本的に……世界へ、直接的な干渉が、出来ない……だから、予期せぬ過程を経ることは、ときたまあるけれど……定めた結末は、決して、変わらない」
青い空に、歪みが生じた。
それはまさに始まりの合図。
連続してやってきた絶望を前にして、オリヴィアが一言。
「やはり、虚言の類いではなかったか」
誰もが心のどこかで、メフィストの言葉に疑いを持っていた。
世界の終わりなど、訪れはしないのでは、と。
真剣なふりをして、虚言を吐き、こちらの反応を楽しんでいたのではないか、と。
だが今。
皆の考えを否定するように。
《邪神》をも遙かに超えた脅威が、世界に牙を剥いた。
「さぁ……終焉の、始まりだ……」
◇◆◇
世界に対し直接的な干渉が出来ない。そうした言葉はきっと、偽りないものだったのだろう。神を自称する少年が行ったことは、自らの手による破壊、ではなかった。
巨獣である。
ただ一体の、巨大なる獣が召喚され……
その日、ラーヴィル魔導帝国は、半壊した。
王都にて突如出現した怪物に対し、現代における最強戦力が抗戦。
しかしその結末は、あまりにも無惨なものだった。
終焉の獣が暴れ始めてからすぐ、ヴェーダがこれを別の土地へと転送。
そして、人気のない平野にて第二の決戦が開幕し……彼等は、敗れた。完膚なきまでに。
そもそも、それは戦いですらなかった。巨獣は攻撃の全てを無視して侵攻。周囲にあらん限りの破壊を振りまき……二五の村と街と村が滅んだ。
それと時を同じくして。
巨獣が、世界全土に出現。
村を。街を。国を。一斉に、蹂躙し始めた。
その行いに慈悲はない。遊びもなければ、慢心もない。
滅ぼす。
ただ、それだけだった。
そして――災厄の始まりから、一月後。
イリーナ・オールハイドは、そこに居た。
王都の一角に構える、集合墓地。
並び立つ墓標の一つを前にして、彼女は語る。
「この前、サルトワ大陸が危ないって話、したわよね? ……昨日、滅んだわ。新種の巨獣が現れて、一発で大地が消し飛んだって、オリヴィア様が言ってた。それで……現地に居たヴェーダ様が、行方知れずになった、らしいの」
たった一月。
そんな短期間で、奴等は世界に甚大な被害をもたらしていた。
イリーナにとって無関係な存在、だけでなく。
見知った者達もまた傷付き、斃れ続けていた。
「一人、また一人と、日を重ねる毎に居なくなっていく。……夢なら覚めてほしいって、もう何度思ったかわかりゃしない」
けれど、一向にその瞬間は訪れず。
なればこそ、夜を越える以外に進むべき道はなかった。
「……ねぇ、アード。あんたはきっと、あたし達のことを信じてくれたのよね。自分が居なくても、この世界を守り続けることが出来るって、そう信じてくれたのよね」
でも、と前置いて。
イリーナは瞳を涙で濡らしながら、言った。
「情けないけど、アードが居なきゃ、あたし達……!」
零れ落ちそうな涙を。
漏れ出てくる弱音を。
しかし、イリーナは寸前で堪えた。
挫けたなら、そこで終わりだ。
たとえどのような絶望を前にしても、折れてはならない。
この世界は親友から託されたもの。
自分はそれを守らねばならぬと、イリーナは決意している。
そうだからこそ。
「……二日前、王都の近くに新しい巨獣が出現してね。オリヴィア様が討伐しようと、したんだけど……負けちゃった。今、あの人は左腕を失って……意識が、ない」
しかし巨獣は活動を続けている。
村や街を滅ぼしながら、今もなお北上しており……
明日には、この王都に到達する。
そうした状況を前にして、イリーナは。
「逃げられない。逃げちゃいけない。あたしは、アードの代わりだから。アードの分まで、皆を守らなくちゃ、いけないから。……討伐隊に、志願したわ」
近しい友人達も同じだった。
ジニー、シルフィー、そしてエルザード。
彼女等と肩を並べ、明日、出陣する。
それがどういうことか、イリーナは十全に理解していた。
楽観もなければ自負もない。
この二月で、それらは脆くも崩れ去った。
当初、口癖のように言い続けた「なんとかなる」という言葉も、今はもう二度と吐くつもりになれない。
だが……イリーナの内心に悲観はなかった。
あるのは、勇気だけだ。
「負けないわよ、あたしは。アードが帰ってくるまで、立派に役目を果たしてみせるわ」
瞳に闘志を宿し、宣言する。
だが、その心には、当たり前の弱気が隠れていて。
イリーナは終ぞ、それを誰にも見せることなく――
親友の墓前にて、決意を表明した翌日。
全てが予想された通りに動いていた。
明朝。
王都の目前に広がる、平野にて。
討伐隊が巨獣を迎え撃った。
一流の魔導士を中心とする、数万規模の軍勢。
王都より定期的に繰り出される、支援魔法の数々。
それだけではない。
総指揮を執るのは、かの大魔導士夫妻と英雄男爵である。
一〇年前に復活した《邪神》を見事討伐し、世界を救った三人の大英雄。
その参戦は兵の士気を大きく向上させ、希望をもたらしてもいたが……
だからこそ。
敵方によってもたらされた絶望は、ことさら彼等を苦しめた。
相対する巨獣。
その姿はまるで、足が生えた大山……あるいは、子供の落書きといったところか。
天に届くほど巨大な三角形の体。それを支える、糸のような三本足。
外見からしてまっとうな生物ではない。そもそも、生物であるかもわからない。
だが、英雄達の内心に怖じ気はなく。
「総員、放てぇッッ!」
号令と共に、ジャックが火球を放った。
これに従う形で、討伐隊による攻勢が開幕。
万単位の攻撃魔法という、文字通り桁外れのそれだけでも、十分に威容と呼ぶべきものだったが……
「デカいだけの、ウスノロがぁッ!」
「オリヴィアに代わって、大暴れしちゃうのだわッ!」
狂龍王・エルザード。
《激動》の勇者、シルフィー・メルヘヴン。
両者による大技が混ざり合ったことで、討伐隊がもたらす破壊の嵐は一層、恐るべきものへと変じた。
が――
「Uhhhhhhhhhhh」
ソプラノボイス。
まるで歌声のようなそれが、巨獣から放たれた、次の瞬間。
攻勢の全てが掻き消された。
三角形の肉体から放たれし無数の光線。
それは神話に名を刻む怪物と英雄、両名の大技さえも消し飛ばして。
ただの一撃で、討伐隊は半壊へと追い込まれた。
地上を薙ぎ払った光線を直撃した者はあえなく消滅。
発生した衝撃波による副次被害も尋常ではない。
ある者は全身をバラバラに引き裂かれ、ある者は手足を失い、ある者は意識を喪失。
イリーナは、運良く生き延びた。
その隣に居たジニーもまた。
シルフィーとエルザードは光線の射線上に立っていたが、防壁の魔法によってどうにか攻撃を防ぎ、軽傷を負った程度。
しかし。
「パパ……! ジャックおじさん、カーラおばさん……!」
三名の安否は不明。
今はただ、無事を祈ることしか……
いや。
そうすることさえ、巨獣は許さなかった。
追撃である。
二射。三射。四射。
ただの一撃で数万の軍勢を半壊させた超威力を、容赦なく連発する。
その姿勢には、一つの強烈な目的意識が込められていた。
即ち……殲滅。
生きとし生けるもの、ことごとくを消し去る。
ただの一匹さえ、逃しはしない。
巨獣とはまさしく、純然たる殺意の具現化であった。
まるで地表を掃除するかのように、命を散らしていく。
そんな地獄のような光景の中で。
イリーナ達も、例外ではなかった。
「っ……! エルザード、あんた……!」
「ボクのことなんか、どうでも、いい……! 君が、無事なら……!」
イリーナを庇い、重傷を負ったエルザード。
竜族の治癒能力は、しかし、いつまで経っても機能しなかった。
巨獣の攻撃は治癒の効果を打ち消してしまう。
「ハァ……! ハァ……! ミス・イリーナ……!」
地面に倒れ込むジニー。
その瞳にはまだ、闘志が残されていた。
だが……彼女の負傷はあまりにも甚大で、立ち上がることは出来なかった。
「まだ、まだぁ……!」
気迫を放つシルフィー。
彼女は比較的軽傷であったが……
手にした聖剣は。姉貴分から引き継いだ大切な相棒は。
その美しい刀身を、半ば以上、失っていた。
「エルザード……ジニー……シルフィー……」
傷付いた友。
失われた命。
それらを前にして、イリーナは。
「負けて、たまるもんですかッ……!」
聖剣・ヴァルト=ガリギュラスの柄を握る手に力を込めて、巨獣を睨む。
出来たのは、それだけだった。
反撃しようとする直前。
再び、光線が襲い来る。
シルフィーはジニーを、イリーナはエルザードを抱え、どうにかこれを回避。
だが、直撃を避けてもなお。
衝撃波は彼女等の全身を打ち、四方八方へと吹き飛ばした。
「ぐ、う……!」
動けない。
まるで地面に張り付けられたように。
イリーナは、起き上がることさえ、出来なかった。
「負け、て……たまる、か……!」
仰向けの状態で、巨獣を睨む。
「死んで、たまる、か……!」
その言葉を嘲笑うように。
次の瞬間。
光線が、やって来る。
されど――そんな特大の絶望を前にしてもなお。
四人、誰もが、諦めようとはしなかった。
皆、同じ気持ちを抱いている。
皆、同じ男の姿を思い描いている。
アード。
アード・メテオール。
こんなときに、彼が。
彼が、自分達を助けに来ないわけが、ない。
もし巨獣に自己意思があったとしたなら。
きっと彼女等の思考を嘲笑うだろう。
絶望を前にした人間の哀れな妄想であると、揶揄していただろう。
だが。
そんな、都合のいい妄想を。
そんな、ありえぬ現実を。
実際のものとするがゆえに。
その男は、アード・メテオールなのだ。
イリーナ達が光線によって命を失う、寸前。
煌めく黄金色の防壁が、彼女等を守った。
いかなる物質、概念をも破壊してきた巨獣の一撃。
なれど。神に遣われし、終焉をもたらす者でさえ。
彼の力には及ばない。
そのとき。彼女等は、見た。
天空に走った亀裂を。
そこから舞い降りた、一条の光を。
それはやがて人の形を作り……
美の化身めいた存在(、、、、、、、、、)へと、変わった。
「――やれやれ。帰還して早々、荒事とは。私もつくづく運がありませんねぇ」
唇の間から漏れ出た声もまた、あまりにも美しい。
彼が何者であるのか、外見だけで判断することは困難であった。
別人のような変化が、そこにはあった。
しかし、それでも。
イリーナは一瞬で理解した。
ジニーは一瞬で感じ取った。
エルザードは一瞬で把握した。
シルフィーは――――
「えっ、ヴァル? なんでヴァルがここに居るのだわ?」
――シルフィーだけは、いつも通りだった。
「いや、君、今まで気付いてなかったの? 嘘でしょ?」
「えっ? 何が?」
別々の当惑を見せる両者。
そんな二人を天から見下ろしながら。
男は。
彼は。
――俺は。
久方ぶりの友人達へと、声を送った。
「皆さん。不肖アード・メテオール、ただいま帰還いたしました」
応答の声はない。
シルフィーは唖然とした顔で沈黙。
エルザードは安堵したように微笑。
イリーナとジニーは、大粒の涙を流しながら、こちらを見つめている。
……もっと早く帰還出来ていたなら、彼女等を泣かせることもなかったろう。
いや、しかし。
それを我が責任とするには、いささか抵抗がある。
何せ元凶は、俺の不手際ではなく。
リディアの馬鹿がヘマをしやがったからだ。
あの別次元世界は、異世界同士を繋ぐ通路のようなもの。
よってこの世界以外にも、行き先はそれこそ無限に存在する。
だが、まさか。
「……間違えるか? 送る世界を。あんな、粛然とした場面で」
馬鹿野郎、もといリディアによって送られた世界は、俺が生まれ育ったこの土地ではなかった。
「……はぁぁぁぁぁぁ。思い出しただけで腹が立つ。あのクソ馬鹿、次会ったら対面して早々、殴り倒してくれる」
天空にて悪態をついた……そのとき。
「Laaaaaaaaaaaaaaa」
すぐ近くに居たそれが、なにやら音を放った。
それに対し、イリーナは血相を変えて。
「ア、アードっ!」
気を付けろと、そんな声だったが。
今の俺からしてみると。
「La――」
「五月蠅い」
虫だ。
相手の存在が。
相手の音が。
俺にとっては、虫のそれだった。
ゆえに。
地を這うそれを潰すような感覚で。
俺は、敵方を圧殺した。
重力操作。
敵の全身に掛かる負荷を数万倍へと増幅し、山のような巨体を豆粒サイズへと圧縮する。
そうしてから、イリーナ達のもとへ降り立つと、
「アァアアアアアアアアアドォオオオオオオオオオオオオッッ!」
イリーナが、飛びついてきた。
ジニーもそのようにしたかったのだろうが……
「ふむ。足をやられましたか。では」
彼女を再生するついでに、エルザードやシルフィーのダメージも回復した。
「……いや、ちょっと、これ」
「ア、アード君なら、当然、ではあるのですけれど……」
「おや? どうされました? 鳩が豆鉄砲を貰ったような顔をして」
エルザードは言う。
俺が倒したアレは巨獣と呼ばれる怪物で、その攻撃によって負わされた傷は、魔法、魔道具、いずれの方法を用いても治癒出来ぬのだと。
「なのに、どうして?」
「ふむ。おそらく、発動した力の性質が違うのかと」
「力の、性質?」
「えぇ。私が先程用いたのは魔法ではありません。超力と称されし、異世界の業です」
「い、異世界の業……!?」
そう。
俺はただ異なる世界に飛ばされ、必死こいて戻ってきたというわけではない。
あちらの世界でもさんざん面倒臭い事件に巻き込まれ続けてきた。
その過程において、俺は新たな業を身に付けたのだ。
結果として今、我が力は以前までとは比にならぬほど高まっている。
……もっとも、それは一つ、マイナスを生み出してもいた。
そのことに関連する質問を、ジニーが口にする。
「と、ところで、アード君? その、お姿は?」
「あ~、それが、ですね。私としてもアード・メテオールとしての姿で皆さんと再会したかったのですが……強くなりすぎたことが原因、なのか。変装の魔法が機能しなくなりまして。別の姿になっても、数秒ほどで元に戻ってしまうのですよ」
俺という存在は、あまりにも強力な定義になったのだろう。
変装によってそれを捻じ曲げることは、もはや叶わない。
ゆえに俺は今後、ヴァルヴァトスの姿で居続けることになるのだが。
「……このような私は、お嫌いでしょうか?」
「いいえッ! むしろ最ッ高ですわッ!」
鼻血を出しながら叫ぶジニー。
その横で。
シルフィーがジットリとした目で、こちらを睨みながら。
「……王都に戻ったら、ちゃんと説明してもらうのだわ」
なんというか。来たるべき時が来た、と。そんなところだな。
俺は彼女に首肯を――
返したと、同時に。
「Laaaaaaaaaaaaaaa!」
潰したはずの巨獣が復活した。
なぜだか、六体に分裂して。
――されど。
誰一人、不安など見せることはない。
「アード」
「アード君」
「アード・メテオール」
「……今は、アードって呼ぶのだわ」
信頼。
声と眼差しでそれを表明されたなら、返すべき意思は一つしかない。
「安心していただきましょうか。皆さんだけでなく、この世界に住まう人々、全てに」
その足がかりとして、皆に我が姿を焼き付けよう。
イリーナ達、だけではなく。
まだ残っている者達に。
そして――喪われた、者達に。
「いかな道理があろうとも、今の私はそれを無視出来る。命の喪失さえも、また」
次の瞬間、巨獣の犠牲となった者、全てが復活した。
「えっ……? お、俺……?」
「し、死んだ、よな? 間違いなく」
人々の困惑を前に、俺は微笑し、それから。
「では、片付けて参ります」
天へと飛翔し……イリーナ達を始めとする、多くの人々がこちらを見守る中。
「今の私は《魔王》を超えた存在――さしずめ、《大魔王》といったところでしょうか」
世界を終わらせんとする獣へ、俺は宣言する。
「来るというのなら、どうぞご自由に。そのことごとくを掃討しましょう」
終わらせない。そんなことは、絶対にさせない。
俺はこの世界を守る。
大切な者達が住まう、この世界を。
いずれ、愛する者を迎え入れる、この世界を。
「さぁ――どこからでも、かかってきなさい」
微笑と共に。
――俺は新たな戦いへと、身を投じるのだった。
本日、最新10巻が発売となります。
また、本作と併せて、新作「グールが世界を救ったことを私だけが知っている」が発売いたします。
こちらコミカライズが決定しておりまして、「となりのヤングジャンプ」様にて連載させていただくことになりました。
それでは――
ここまでのお付き合い、たいへん、まことに、ありがとうございました!




