表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ハズレジョブ持ち令嬢?いいえ、磨けば光るチートな魔導具師です!  作者: 沙夜
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/92

月の夜と精霊王1

短めです

すみません、キリが良いので……

短い別れの時間を過ごした後、私は荷物の整理を始めた。


荷物、といってもそんなに多くは持って行けない。


簡素な服を数枚かと、手芸の材料くらいだろうか。


あとは――――ルナ。


ルナに、会いたい。


お昼に会ったばかりだけど、まさかあれが最後の別れになるなんて思ってなかった。


ちゃんと、さよならしたかった。


ありがとうって、伝えたかったな。


けれど探す時間はないし、見つかってしまう可能性もある。


仕方ないと割り切るしかない、そう思った時だった。


ちりん……。


「にゃあ」


「え……ルナ!?」


鈴の音に振り向けば、そこには月の光に照らされたルナがいた。


窓から入って来たのだろうか? 会いたかったその姿が突然現れたことに、驚きを隠せずにいると、頭の中に直接声が響いた。


「この子を助けてくれたお礼に、力を貸してあげる」


「え?だ、誰!?」


周りを見回しても、猫のルナしかいない。


一体誰が?と思っていると、にゃあとルナが鳴いた。


すると、月の光からキラキラと輝く粒子が現れた。


その光の粒子が少しずつ一点に集まっていくと、人の形を作っていく。


信じられない思いで呆然としていると、光はだんだんとくっきりとした形になり、やがてとても綺麗な女の人の姿になった。


「め、女神様……?」


足元まで伸びた淡い金色の髪と、紺碧の瞳。


まるで月の女神様のようだと思った。


その美女が、私の言葉にふふっと笑って口を開く。


「あら、ちょっと惜しいわね。私は時空の精霊王。そしてそっちの猫は、私の従精霊見習いよ。ほら、元の姿にお戻りなさい」


精霊王と名乗った女性が人差し指を振ると、ルナが光に包まれた。


その光が少しずつ弱まると、そこにいたはずの猫の姿はなく、代わりに背中に羽の生えた、掌に乗るくらいの小さな女の子がいた。


「ルナが、精霊……?」


「そう!セレスティア、お話できて嬉しいわ!助けてくれてありがとう。ずっとお礼が言いたかったの」


ラベンダー色をしたふわふわのツインテールを揺らして、ルナが笑った。


え、ちょっと待って、ルナが猫じゃなくて本当は精霊で、こっちの美女が精霊王様で……。


「って、時空の精霊王様!?」 


「そうよ」


にっこりと微笑むこの美女が?


信じられないと二度見する。


この世界には精霊が存在していて、それぞれの属性の精霊達の頂点に、精霊王様がいる。


そして、私達は彼らの力を借りて魔法を使っている。


火、水、風、土の四大精霊は人に好意的で、ほとんどの人に力を貸してくれる。


しかし、光、闇、時空の精霊は、数が少ないのか、それとも人に好意を持っていないのか、その力を貸してくれることはほぼない。


理由が分からないのは、基本的に精霊は人に姿を見せないから。


友好的な四大精霊であっても、その姿を見せてくれるのは、契約するに足りると選ばれた人だけらしい。


それなのに、そんな稀少(レア)な時空の精霊どころか、精霊王様までもが今私の目の前に……。


「ど、どういうこと?何でここに?」


混乱する私と、そんな私を見ていたずらが成功したとばかりに、にこにこと微笑み合う精霊王様とルナ。


夢?これは夢なのか?


誰かこの状況を詳しく説明できる方、いらっしゃいますか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 精霊王が力を貸してくれる…世界の半分をくれるのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ