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【書籍化】ハズレジョブ持ち令嬢?いいえ、磨けば光るチートな魔導具師です!  作者: 沙夜
第一章

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魔法付与3

「じゃあ、ルナは私の隠れスキルのこと、分かってたの?」


「うーん、分かっていたというか、そうじゃないかなーと思ってただけなんだけど」


とりあえずこのことは極秘でと言いつけられ、カイルさんの部屋から解放された後、私は自室でルナと魔法付与について話をしていた。


どうやら、以前から私から闇の精霊の気配がすると感じていたらしい。


それどころか、光の精霊まで最近はうろうろしているのだとか。


「たぶん、精霊に好かれやすい魂を持っているのね。魔法が得意なのも、その証拠」


好かれやすい……そうなのだろうか?


魔法は小さい時からコツコツ特訓していたから、こんなものだと思っているのだが。


でも、火属性だけはなかなかレベル上げられないのよね。


ほら、自主練習で火って、扱いにくいじゃない?


下手したら火事になっちゃうし。


風、水、土は自主練習で扱いやすいからレベルもまあまあ上がったけど、火だけがねぇ。


「ちょっと。思考がズレてきているわよ」


ルナがすかさずぺちんと私の頭を叩いた。


ごめん、つい。


いや、軽かったから痛くないんだけどね。


「まあとにかく、私のことを案じた闇の精霊さんが、魔法付与のスキルを隠してくれたってことなのね?」


そう、どうやら魔法付与は、鑑定と同じくらいレアなスキルらしい。


実際この国では、分かっているだけでだが、三十人程度ではないかと言われているんだって。


そんなレアなスキルを子どもが持っていたと知れたなら、悪用しようと企む輩が出てくる。


そう危惧した精霊が隠したんだろうと、ルナは言う。


うーん。


ありがたい話だが、ちょっと過保護ではないだろうか。


そもそも鑑定されなきゃバレないわけだし。


「子どもなんて、すぐに口を滑らせるじゃない。とくに親相手にはね」


な、なるほど。


あの損得勘定で動く両親なら、魔法付与のことを知ったら、喜んで私のことを利用しそうだ。


それにしても、作ったものに効果を付与する魔法かぁ。


ものづくりが好きな私にはもってこいのスキルだわ。


あ、そうだ。


セシルさんに頼まれていたアイテム入れ簡易バッグ、それにもなにか効果をつけたい。


そこでルナの姿が目に留まる。


あっ!


「ね、ルナ。私いつの間にか時空属性魔法が使えるようになってたんだよね」


「ああ、あたしと契約したからね」


「そう、けいや……契約!?」


思いもよらない単語に、驚いてルナを二度見する。


「あら?気付いてなかったの?あたしに名前を与えたでしょ?そしてあたしもそれを受け入れた。ちゃんと精霊王様の許可も得てるから大丈夫よ!」


そういえば、精霊に名前を与えることで契約を行うって、魔法学の先生に習ったっけ。


いやでも、ルナのことは猫だと思ってたし、精霊って知らずに名前をつけたからノーカンじゃない?


って言ってみたけど、精霊の姿を見せた後も名前を呼ばせていたら、契約したことになるのよ〜って笑顔で言われた。


私は嬉しいけど、ルナはそれで良いのだろうか?


「良いに決まってるわ。だってティアを助けたいって思ったんだもの。あ、でもね、精霊界の掟で、なんでもべらべら教えられるわけじゃないの。いくら契約主でも」


そうか、魔法付与のことや闇の精霊のことを黙っていたのもそのせいか。


ルールなら仕方ないよね。


自分で気付くことも大切なことだし、ルナに頼りきりになってもいけないもの。


「でも、あたしにできることは協力するし、言っても良い範囲ならちゃんと教える。ティアを守るために契約したんだもの」


きゅっとルナが私の指を握ってくれた。


うん、その言葉は信じられる。


「頼りにしてます。改めて、よろしくねルナ」


ふふっと笑い合う。


そして、先程ルナに聞いてみようと思っていたことを話してみた。


それは、セシルさんのためのアイテムバッグに、時空魔法を施し、容量を増やせないかというものだ。


まあつまり、精霊王様が私のバッグにしてくれたみたいなやつね。


ほら、容量百倍、重さ百分の一ってやつ。


さすがにそこまでの増加は望まないけど……。


二、三倍になったら嬉しいよね。


「うーん、できないことはないけど、まずは魔法レベルを上げないと」


え。


レベル上げ、必要なの?


「そりゃそうよ。付与の内容は、術者のレベルによって上下するわ。良い効果を付与したいなら、それに関係する魔法レベルを上げないと」


「じゃあ、私は光と闇の魔法が使えないから、それに関する効果は付与できないってこと?」


「そういうこと」


そっかぁ。


HP回復率が上がる腕飾りとか、MPを吸い取る剣の飾り紐とか、すごく便利だなぁと思ったんだけど。


ゲームにはそんな武器や装飾品があったけど、現実はそんなに甘くないみたい。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 対価を貰うことは、考えていないでしょうが、容量を増やしたバッグ何て、簡単に他人にあげていいものなの?付与魔法が貴重と聞いているのに、精神年齢の割に迂闊すぎる気がします。
[気になる点] 光と闇の精霊と契約できたら光の魔法や闇の魔法が使えるようになるのかな? まあまずはレベル上げが先ですが…
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