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誰がための剣

週一・二回更新を目指したい…




お楽しみいただければ幸いです(^_^)







対戦が終わり、汗や汚れを軽くぬぐったガストが、ハナ特製オニギリを頬張っているとぱたぱたと可愛らしい足音が近付いてきた。



「ガスト、調子はどうですか?」



今日も全力で平坦な敬愛するお嬢ことハナだった。

どこが全力で平坦なのかは押して知るべし、である。



「ぼちぼちですかね。

次の相手には全力で挑めそうです。」



「それならよかった!!

次はガストの仲良しさんと対決だね!二人とも大会では戦うのはじめてだよね。

頑張って!!」



「俺とアイツ並べて仲良しさんって言えるお嬢は大物ですぜ。」



にこにこと笑うハナの頭を撫でると、ガストは闘技場へと向かっていったのだった。

















「ようやくお前と全力で戦えるんだな。

ガスト・レイニー。」



「そうだな、大会じゃ正直全力は出せなかったからな。」



ガストより頭二つ分高い身長に、無駄のない筋肉の付いた体。

ガストが細マッチョなら彼はゴリマッチョである。

ちなみにガストのレイニーはレイニー孤児院からきている。


ゴリマッチョことオルグは軍幹部に在籍する父を持つ軍人一家の出だ。


オルグの祖父は元々領地も抱える貴族であったらしいが、平民と結ばれるために爵位をぶん投げたお人であった。

普通に生活しようと思って居たが、生家が色々邪魔をして腕一本で稼げる軍に入り、メキメキと出世したという。


オルグは貴族様の婚約者もいるが、馬鹿ぼんぼんアムロと違って物凄く婚約者を大事にしている御方だ。

ガストの長年のライバルと書いて『友』的な人物でもある。



「授業では勝ち星をとられる事が多いが、試合では当たることすら許され無かった我々が今、ここで戦えるとは…な。」



「まぁ、色々利権も絡むらしいからな…

俺は毎回アムロの(ぼっ)ちゃんでお前は優勝候補の先輩と一回戦か二回戦で必ず当たるようになってたからなぁ。」



二人で苦笑いをし合う。

実力第一は建前で、やはりできレース的なモノは存在するのだ。

しかし、今年は彼らにとって幸運な事が続き、こうやって対戦することができる。



卒業すればガストは軍部に入る。

オルグは辺境伯の娘の所に婿入りする。

辺境伯と軍部は密接な付き合いをしているが、今までのように肩を並べ、切磋琢磨できる距離ではなくなるのだ。

今は平民同士であるけれど、いずれ身分の差で表向きこれまでのような交流はできなくなるだろう。


再び肩を並べ、背を預け合い戦うとなればそれはオルグの婿入り先の辺境が攻めこまれ戦争に突入した時。

そんな時は決して来ないことを願いたい。



公の場で、思う存分戦いたい…と片隅で願っていた事が、今、叶う。



溢れんばかりの歓声を浴びながら二人は決勝戦の舞台に居る。




「全力で、だ。」



「ああ、出し惜しみなんぞせずにな。」



満面の笑みで握手を交わし、そして、背を向けて間をとる。

振り返った二人の顔に笑みはない。

模造の剣を構える。



「それでは…はじめっ!!!!!!!!」



教官の合図を受けて、二人は地を蹴った。








バトルかけるか不安ですが、次回はバトル回のはず…!!!

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