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え、なんでそんなにフラグたてるの!

「リロイ様、こちらの令嬢はどなたですか?」



エレクトラは微笑んでリロイに訪ねた。

目の前にいる妹、シンシアは無視である。

本当に知らないわけではないが、貴族社会では通常目上の者や主催者に声をかけられたり紹介がされない者が身分の上の者に話しかけるのは失礼に当たる。

同じ学園であれば関係なく関わっているが、シンシアはデビュタント前。同じ公爵家といえど社交界に出ているエレクトラの方が上である。


社交界は例え家柄がよくても資本や影響力が無ければ渡ってはいけない。


リロイには悪いがウォルクラウン家は貴族社会でも王宮や政治でも影響力は皆無だ。

先代のウォルクラウンの英雄の影響力を現当主のリロイ父と周囲が悪用しようとしたことと、国王が自分よりも影響力がある事に危機感を覚えた事でウォルクラウンの英雄の逸話は箝口令が敷かれた為だ。

ウォルクラウン家は貴族社会では顔だけ貴族と裏で嘲笑されることもしばしばだ。



「エレクトラ嬢、礼儀がなっていなくてすまない。

妹のシンシアだ。デビュタント前の愚妹ゆえ許してほしい。」



「致し方ありませんわ、まだ幼子のようなものですもの。やんちゃな妹君で大変ですわね。

はじめまして、シンシア嬢。私はエレクトラ・グルモワールですわ。

差はあるとはいえ同じ公爵家ですので、あえてお伝えしますわ。貴女の今の振る舞いはいただけませんわ。家柄を盾に下の者を虐げる暴君にしか見えませんよ?

隣国の狂王の逸話はご存じでしょう?我々は貴き血を持つ者。

己を律し、民のために尽くすことと引き換えに贅を許されているのです。

義務を放棄し、権威を振りかざすは愚かしい事です。

貴女はまだ幼いゆえに仕方ありませんが、これからその行いを悔い改めなければなりません。

さぁ、お兄様とゼベットさんに謝罪なさって。

貴女はまだデビュタント前です。しがらみもなく罪を罪と認められるうちに心を入れ換えるべきですわ。」



穏やかにエレクトラはシンシアに言う。

慈愛に満ちた雰囲気ではあるが、

要約すると…礼儀知らずのクソガキが権力盾に吠えまくるんじゃねぇ、とっとと謝れや!…である。


腐っても元王太子の婚約者であったエレクトラは心は般若で顔は笑顔なぞ朝飯前である。


リロイも注意はしているが両親が甘やかしすぎて矯正は難航を極めていた。

さすがエレクトラ嬢!とリロイは関心する。

これで少しは礼儀を知るかと安心をしかけたが、そこは暴君シンシアだ。



「はぁ?エレクトラ・グルモワールですって?

婚約破棄された欠陥品でしょう!私に意見しようだなんておこがましいわ!」



わぁ、ウォルクラウン家は死んだな。

空気と化していたゼベットは目眩いを覚えた。



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