それは私のモノです。いや、違いますから。
お久しぶりです。
「いよいよ…ですわね。」
「ああ、なんとかこぎつけた。
生徒会代理メンバーはじめ、実行委員、ならびに手伝ってくれた皆…
本当に感謝している。
ありがとう。」
やたらめったらキラキラとステンドグラスごしの朝日を背にしたリロイが微笑んだ。
隣にはエレクトラ。
麗しい二人か並べばもはや絵画のようであった。
天使が舞い降りたっ!と叫んで気が狂ったようにスケッチブックに絵をかきなぐりはじめる芸術科の実行委員の一人を横目にハナは思った。
(ゲームスチルみたいではないですか!)
なんだか、おまけにちょっと…ときめいた。
ほほが少し染まるのがわかった。
エレクトラもちょっとぽーっとなってる。
すぐに表情を取り繕うが、ハナはバッチリ見てしまった。
傷心の乙女たち的な立ち位置のハナ達(別名・逆ハー被害者の会)の心を総ざらいしかねないヒーローなのだ。
なんてったってリロイは美形と美少年の中間なカッコいい人だ。シスコンだけれども。
人助けを何気なくしてくれるし、かといってそれを驕る事もない。度を越えたシスコンだけれども。
貴族平民関わらず仲よくできるが、いざとなればリーダーシップをとれるカリスマ性もある。救いがたいシスコンだけれども。
そう、スゴいシスコンなのだ。
打ち合わせで姉君夫婦の店を訪れたときとか、もう飼い主大好きな子犬のごとく喜んでいた。
スキンシップの仕方が幼い頃と変わってない。
躊躇い無く姉君の胸に飛び込み二人でニコニコしているリロイには普段のクールさはなかった。
ちょっとぽーっとなりかけたところにすかさず打ち込まれるカウンター攻撃は見事であった。
「まだ始まってないぜ、リロイ。
ありがとうは最後にとっておけよ!」
ガストが笑いながらリロイに近付きその頭を撫でる。ちなみにガストは武闘大会に出るので軍服風の衣装だ。
パッと見、大変にBLしい。ご馳走さまです。
「そうだな、うん!
成功させるよう今日は皆、怪我に注意し頑張るように!
トラブルがあったとしても、このメンバーなら乗り越えられる!
《我等に栄光を》!!」
『《我等に栄光を》!!!!』
その部屋にいた全員が伝統の掛け声に応じる。
高揚感が部屋を包み込む。
そんな時…
「リロイ様、お客様です。」
ノックをしてから挨拶をしてリロイの従者ゼベットが入ってくる。
この忙しいときに客?と首をひねるモノが多かったが、やってきた人物を見て納得した。
そこには、リロイの姉であるアリサが微笑んで立っていた。
リロイと比べると驚くほど普通の顔であるが、髪と瞳の色は同じであった。ふわりと笑う顔はとても可愛らしい。
「皆様、お忙しいところ失礼します。
最終確認と、差し入れを持ってきましたわ。」
身分としては平民になった人ではあるが、貴族式の礼の仕方がとても美しい。
ひとつひとつの所作がきれいな人だ。地獄の妃修行を受けたというエレクトラ並だ。
そして、いつ見ても立派なメロン級の胸だ。
巨乳美女エレクトラよりもあるらしい。
あの8分の1でもいいから分けてほしいと思わずにはいられないハナであった。
「姉上っ!
おはようございますっ!来てくださったんですね!」
「リロイ!
今日は招待してくれてありがとう!嬉しいわ。」
さっきまでのクールさとかキリリとした表情をぶん投げて、子どものような笑顔でリロイが走り寄る。
それを両手を広げたアリサが受けとめる。
リロイとアリサの身長差は10㎝以上あり、アリサは低めであるがヒールのある靴を履いていた。
つまりは、丁度胸にきれいに飛び込むかたちとなった。
バフーッと爆乳に顔を埋めるリロイ。
ウヒョーいいなぁーと男性陣から小声が上がる。
「ガスト…」
「はっ、お嬢、あ、その爆乳には爆乳の、つつましい胸にはそれなりのよいところが…」
「貧乳で悪かったわね。
私はアレしてもらったことあるわよ。」
「へっ」
「爆乳ダイブは天国でした。」
「お嬢なにそれ羨ましすぎる!」
ハナは巨乳を羨むが憎んではいないので、抱き締めてもらったりすると天国気分である。
美しきおっぱいは男女問わず魅了するものなのだ。
「義弟よ!
そのおっぱいは私のモノだ!!!!
羨ましいから離れなさい、もしくは今すぐに代わりなさい!!!!」
続いてやって来たアリサの夫が叫ぶ。
目が霞むほどの美形である。
しっかりと娘を抱っこしながら言うセリフでない。
『いや、アンタのモノじゃないから。』
冷ややかに、妻とリロイの従者から突っ込みが入る。
「あっ、よく来てくださいました義兄上!
今日はよろしくお願いします。」
にこーっと笑って姉の夫にも抱きつく。
「くっ、アリサと同じ髪と瞳…!
義弟なのに可愛い!くっ、なでなでしてあげたくなるじゃないか!」
悔しそうな顔をしながらデレるという高度な事をしながらわしゃわしゃリロイの頭を撫でている。
「リロイは可愛いわよね。」
「ええ、リロイ様は可愛らしいお方です。」
うんうんとアリサとゼベットが頷き合う。
室内はちょっとしたカオスに包まれたのだった。




