mission:3.鐘の音
そのころ、ルーズとジョージが役立ちそうな物を探していた。
「おい、ルーズ、これ使えそうか?」
ジョージが古いハンドガンを持ってきた。
ルーズはそれを手にとって、マガジンの中を見た。
「駄目だな」
「何でだ?」
ジョージが初心者のように聞いた。
「マガジンがさび付いてる。全然使えないな、撃てやしない」
「駄目か…」
ジョージがハンドガンを投げ捨てた。
それが激しく奇怪な音を出したので、二人とも驚いて振り返った。
そこにあったのは、小さい鐘だった。
「何だよ、鐘か」
ジョージが安心して上げていた肩を下げた。
「何のための鐘なんだ?」
ルーズが腰を下ろしてじかじかの眺めてみるが、全く分からない。
ジョージがその間に二階に駆け上る。
二階は衣類が散らばっていた。
「ひでぇ…」
衣類をすっとばして通行できる道を作った。
「これで多少は進めるか」
ジョージが歩くと、何かにぶつかってもう少しで転ぶ直前になった。
「何だぁ!?」
しゃがみ込んでぶつかったものを出してみると、一種のジュラルミンケースだった。
気になったジョージは、ケースを開けようとしたが、開かない。
見ると、鍵がかかっていた。
「何だよ、畜生」
中は窓がほとんど無く、暗かったのに気づいたジョージは、
時計のライト機能で辺りを照らした。
すると、棚の上あたりにキラッと光るものがあった。
「鍵か?」
予想は敵長し、鍵が見つかった。
さっきのジュラルミンケースに合うかどうか試してみたところ、ピッタリだった。
「よしっ」
ケースの中には、リボルバー拳銃が入っていた。
「おい!ルーズ!リボルバーゲット!」
その声を聞きつけたルーズが、小声で「やかましい」と言った。
それを無視したジョージがリボルバーを見せると、ルーズの顔色はよくなった。
「いいんじゃないか?持って行こう」
そして、二人が下に下りた直前だった。
激しい鐘の音が辺りに響いた。
「何だ?」
治療薬を調達してきたアルヴォンとデビットも民家から顔を出した。
鐘の音は相変わらず鳴っている。
「何が起こった?」
ルーズが驚いた表情を見せた。
鐘の音は三十秒程度で治まった。
「何だったんだ…」
ジョージが冷静さを取り戻し、捜索を続けた。
ジュラルミンケースがアタッシュケースだったら良かった、と心底思っていた。
「もうここには無さそうだな、次に行こう」
ルーズの指示で二人が歩き出し、民家を出た。




