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94:その後の皆

少し長くなりました(;´Д`)

*** *** イザ目線 *** ***



シカ「あれ? 何してたんだっけ?」


そう言えば、俺は何をしにここへ来たんだっけな。

晩飯の相談だったか?

いや違う気がする。


ボブ「これからの事を皆で話すんじゃなかったかなあ?」


ああ、そうだ。これからどうするかを話し合うんだった。

俺達はガルドの救世主って事になっているらしいからな。

何故そんな事になっているのだろう。

ふと 手に違和感を覚える。

この水晶はなんだろう?

そう思いながらもなんとなく大切な物のような気がしてそっと鞄に仕舞った。



*** *** シカ目線 *** ***



べちょっ


うん、やらかしたよね。

また蜘蛛の巣に引っかかっちゃった。(汗)

いぁだってね?

子供達を追いかけていたらね?


「お母さん、はやくー!」

「はぃはぃ、ちょっと待ってね」


あれから私とボブとジークの3人は私の故郷であるヴァルの集落に戻って来た。

身に覚えのない噂のせいでオアシスに色々な人が来るようになって。

自分勝手な事ばかり言いだすから落ち着いて生活できなくなって。

このままだとマズいよねって事で、それぞれ故郷に帰る事にしたのよね。

フィン姉さんは、なんとライカと結婚してイザと3人でポス草原に行っちゃった。

カズラはガルドには戻れないみたいだからってそのままオアシスに残った。

時々はバングルで連絡を取り合ってる。

私は今3人の子供が居たりする。

ボブによく似た男の子とジークによく似た女の子の双子。

集落の皆にも可愛がられて元気に育ってる。


「・・・ 動けない」

「シカ、またあなたですか。

 何度私の家を壊せば気がすむのかしら」

「スンマソン・・・・」


そう、この蜘蛛の巣。アラクネさんのお家でした。

しかも何度も引っかかってたりする・・・


「気を付けてね?」


そう言って絡まった糸を解いてくれるアラクネさん。

おかしいなぁ、気を付けては居るんだけどなぁ・・・


「あー、またアラクネのお姉さんの家に突っ込んだの?

 駄目だよ、シカ。気を付けないと!」

「すまないな、アラクネ」

「もう諦めるわ。

 だってシカったら引っ越しても引っ越してもこれなんだもの・・・」

「ホント・・・スンマソン・・・」


ボブとジークが呆れて私を見てる・・・

 『まったくシカさんは・・・ なにやってんだよ』

誰かがそう言いながら笑ってペシッと頭を叩く。

そんな図が浮かんだ。

誰だろう・・・

凄く懐かしいような気がするけど思い出せない。


「ホラ!行くよ!」

「今日は子供達と初めてダンジョンに行くんだろ?」

「あ、待って待って!!」


慌てて後を追いかける。

ポテツ

・・・こけた(汗)


「仕方ないなあ」


そう言ってボブは私を抱きかかえる。


「まあこれがシカだしな」


笑いながら頭をポンポンとするジーク。

子供達は待ちきれずに早くは役と手を振っている。

ああ、私 今幸せだなあと思った。



*** *** イザ目線 *** ***



「シカの子が無事生まれたそうだ」

「よかったわ。今度はどっちかしら?」

「ジークに似た女の子の双子らしい」

「「 双子!! 」」


皆と別れた後俺は故郷の島に戻った。

ライカがフィンも一緒だと言った時は驚いた。

いつのまに?とも思ったが、そう言えば釣りの時や氷の大陸で・・・

思い返せば心当たりが幾つかあった。

シカの出産で喜んではいるが、この二人ももうすぐ親になる。

きっと可愛い子が生まれるだろうなと今から楽しみにしている。

アイツもきっと喜ぶだろうな。


・・・


アイツって誰だったかな。思い出せない。

心がチクリとした。


「大変よ!!」


なんだ? どうした?


「カズラが結婚したんですって!!」

「「 マジか!! 」」


照れているのかモジモジして詳しく話してくれないとフィンが怒っている。


「行くわよ!」


え? 何処へ? まさか・・・


「カズラの所に決まっているでしょう!

 あんなモジモジしたカズラ、見逃す手は無いわよ!」


ぶっ・・・


「だがフィン。出産が近いだろう?」

「何言ってるの!

 いい?ライカ。

 あんな()()()()()()()()()二度と見れないわよ!」

「う・・・まあそうだが・・・」

「行かないのなら私だけでも行くから!!」


いやいや、待て待て。それは駄目だろう。


「解ったから、落ち着けフィン」


まあそう遠くはないし。船で行けば大丈夫だろう。


「にぃに。私も行ってみたい!」


妹まで着いて来ると言い出した。

仕方ないな、連れて行ってやるか。



*** *** カズラ目線 *** ***



ぬおっ・・・

ジークにそっくりな双子が生まれただとぉ?!

あの体格差でどうやって・・・ゲフンゲフン。


 『良からぬことを考えるな!』 パコンッ


誰かの姿がよぎった。が、誰だろう。


それにしても・・・

そうか、シカも3児の母になったか。

次はライカとフィン辺りかな。

あの二人がねえ。 ニヤニヤ

まああの二人はなんとなく想像がついたな。

あのドタバタと騒がしい旅の合間にいつのまにかなあ。

くっつきそうで、くっつかない。じれったかったよなあ。

だが皆幸せそうでよかった。


物思いに耽っていたらガブに呼ばれた。

なんだろうと思ったら、倒れているレイスを見つけたと言う。

向かってみれば、何故か懐かしいと思える雰囲気を纏ってるレイスだった。

特に外傷も見当たらないのでしばらく様子を見る事に家に連れ帰った。

そう何故か違和感なく連れ帰ったんだよな。

数日後 目を覚ましたレイスは何も覚えていないと言う。

これは困った、記憶喪失か・・・

体も弱っているように思えたのでしばらくの間オアシスでゆっくり過ごしてはどうだと提案してみた。

そのうちレイスは家事が得意だったらしく、身の回りの世話をしてくれるようになった。

俺はそうゆうのが苦手だったので正直助かる。

出来ない事はない。ただ・・・苦手なだけだ。


ブォッ ビリッ


「「 ・・・ 」」


食事が出来たと声を掛けられ、椅子に座ろうとした瞬間 ズボンが・・・

ああー、そう言えばこのズボン。

丁寧に繕われていて、大切に履いていた物だったな。

誰が繕ってくれたんだったかな、何故か大切にしてたんだよな。

いや、今はそうじゃない。

このレイスの前で・・・なんで屁をこいた俺の尻よ!

そしてなんで今破けたよ、俺のズボン。

ああああ、チビとアンがニヨニヨしている・・・

コングまで・・・

穴があったら入りたい(シロメ)


「見ておりませんし、聞いておりません・・・」


いや絶対聞こえたし見えただろ、肩が震えてるし・・・

すっと替えのズボンが差し出された。


「繕っておきますので」


ニッコリと微笑まれた。

あれ?なんだ?デジャヴ? 以前もこんなやり取りがあったような?・・・


「あの・・・失礼ですが以前にもこのようなやり取りがありましたでしょうか?」


へ?・・・


「ハッキリとは思い出せないのですが

 なんだかこのようなやり取りが以前にもあったような気がして・・・」


ふむ、これは偶然だろうか?

モヤがかかったようにはっきりとは思い出せないんだよな。

でも何故かこのやり取りが懐かしくもある。


・・・。


いや思い出すのは辞めよう。

何度もこうゆうのがあったら恥ずかしすぎるだろ!


「カズラさん?」

「ああ、いや。同じように思い出せないのですが

 何故か同じ様なやり取りを誰かとしたような・・・・」

「カズラさんもですか?」


2人してデジャヴ?


「この際なので言わせてくださいませ。

 実は私、お恥ずかしいのですが・・・

 理由は解らないのですがが・・・

 その・・・」


なんだろう?何か言いにくい事でも思い出したのだろうか?


「どうやら私、カズラさんの事をお慕いしているようです」


ボンッとレイスが真っ赤になった。


へー。理由が解らないけどお慕いしている・・・・

うえぇぇぇぇぇぇ?!


「いや、落ち着いて? それは俺ですか? いやそんなハズは・・・」

「出会った時からずっと不思議だったんです。

 ご迷惑かもしれませんが」


いやご迷惑ではないけども、まさか。それはないだろう。なんで俺?

パコンッ

コングに殴られた。

え?女性に何を言わせている?

自分だって不思議に思いながらも好意は持っていただろう?


ゲシッ

アンにも蹴られた・・・

自分の胸に手を当てて考えろ?

ケリケリケリケリッ

チビにまで蹴られた・・・

答えは出てるくせに?男なら当たって砕けろ?


おいおいおいおい・・・

レイスはじっと俺を見つめている。

ああ、確かに何も違和感を覚えずに一緒に住み始めたな。

まるでずっと一緒に居たかのような感覚さえあった。


「おかえり、アリアン。ずっと傍に居てくれないかな?」

「はい・・・」


ん?・・・

今俺は何故おかえりと言ったんだ?

それにアリアンとは・・・彼女の名前か?

何故それを俺が知っているんだ?


「あの・・・アリアンとは私の名前でしょうか?

 それにおかえりとは・・・・?」

「解らない。だが自然とそう口から出てしまった・・・」


本当に自然と口から出たのだが何故かは解らない。

悩んでいる俺の背中をコングが押した。


「「うわっ」」


抱きしめる形になってしまったじゃないか・・・

ん?

なんで俺の腕を掴んでいる?・・・


 コチラ コング カズラ 結婚シタ


ぬおぉぉぉぉぉ、何勝手に通信してんだよ!

まだ結婚してねえよ!

いやそうじゃない、誰に通信したんだよ!!


イザ「マジか!」

フィ「ちょ、その話詳しく!」

ライ「おいカズラ?!」

フィ「じれったいわね、いいわ。今からそっちに行くから!」

ジー「あ、じゃあ俺も行くかな」

ボブ「僕も行くよ!!」

ズラ「待て、お前等落ち着け。

   ちょ・・・おまっ・・・ひゃへろ(やめろ)ふぇをふぁなふぇ(てをはなせ)


コングに口をふさがれた・・・


「では皆さんをお迎えする準備でもいたしましょうか」


アリアン・・・・冷静だよな。顔が赤いけど。

はあ・・・

仕方がない。こういうのも俺等らしいか(苦笑)




  ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼



昔々の事。

平和なこの世界に突如として異世界から悪いお姫様が現れた。

悪いお姫様は深淵なる闇と共に人々を次々と襲って行った。

やがてガルドの大陸は悪いお姫様が支配して、人々は命を奪われていった。

人々を苦しめる悪いお姫様をやっつける為に11人の勇気ある人々が立ち上がった。

人々を悪い奴等から守り安住の地へと導いた8人の勇者達。

そして悪いお姫様を倒したのは3人の魔物達。

その3人の魔物が黒の世界樹になって世界を救ってくれた。

いつしか人々はその11人の人達の事を救世主と呼ぶようになった。


今私達が安心して暮らせるのはこの救世主達のお陰だから皆喧嘩をしてはいけないよ。

救世主達のように誰かを思いやる優しい心を忘れてはいけないよ。

また悪いお姫様が来ないように、黒の世界樹が安心して眠れるように。

子供達はそう聞かされて育つ。



そんな噂を耳にして皆口々に言う。


  なんで救世主になって銅像まで建ってんだよ

  俺達そんな大げさな事してねぇよ

  姐さんが頑張っただけだと思うんだけどな

  いや、グレンも知らんとか言いそう

  この噂っていつか消えるかな?

  絵本になってるから消えないんじゃ?

  むしろ盛られて大げさになりそう・・・

  ありえますわね・・・


8人は黒い世界樹を見上げながら思う。

8人はすっかり老齢になっていた。


  ずるいよなあ、この齢になるまで忘れさせるとか

  どんなに月日が経ってもさ、忘れる訳ないじゃんか

  もしまた生まれ変わるとしてもさ・・・

  絶対あのスットコ神と無関係の所がいいよね!(一同)


  次こそのんびりゆっくりと!

  今度こそ普通に!

  穴に落ちたり攫われたりも無しで!

  ・・・

  シカ、それ無理じゃね?

  えー、カズラ。私だって少しは成長して・・・コケッ

  ・・・・

  ・・・・・

  フッ ま、俺達相変わらずこんな感じだわ(笑)

  だからさ グレン、また会おうな。


これにて第一部(旧作相変わらずな私たち:なんでそうなった?部分)終了です。

読んで下さりありがとうございます。

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