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92:招かざる客との対峙② ~バハムート・グレン~

*** *** バハムート目線 *** ***


我等はグレンに頼まれ神域へと向かった。

多くの神々が右往左往と走り回っている。

その中にグレン達が巻き込まれる発端となったクーフィーを見つけたので捕まえた。


「クーフィーだったか、聞きたい事がある」

「君達誰? 僕今忙しいんだよね。

 なんだか知らないけど悪戯な神を捕まえたとかで」

「捕まえたのか、何処だ。

 それは今何処に居る」

「イシュカ大神の所じゃないかな」


我等はイシュカの所へと急いだ。


「イシュカ神!捉えたのか」

「バハムート殿、何故此処に。

 あいや、今はそれどころではないな。

 アレの処遇を決めかねておるのだ」

「「「 滅すればよかろう! 」」」

「だがな、アレも一応は神であるし」

「神は神でも悪神や邪神の類ではないか」

「そうかもしれぬがな・・・」


温い、生温過ぎる。

招かざる客がどうの、彷徨いの神がどうのと知った事ではない。

主に害成す存在、それを滅するだけの事。


「本来ならばこのような事になるはずではなかったのだ。

 あの者達にはただ普通に過ごしてもらうだけでよかった。

 それだけで深淵なる闇への対応にはなるはずだったのだ。

 招かざる客だの彷徨いの神だのと

 不測の事態で我々も考えあぐねておるのだ」

「だが実際にはどうだ? 

 何故に我が主ばかりが割に合わぬ事になっておる」

「それは申し訳なく・・・  だが」

「だが  ではない。

 主達が、主がどのような思いであの場に居ると思っておる!」

「それは・・・申し訳なく思う」

「申し訳なく思うだと?

 聞き飽きたわ!

 それだけか、そのような言葉だけでよいのか。

 まともに管理も出来ぬのであれば創造など初めからするでない!」


これが神だと? 違う。我が知っている神とは違い過ぎる。

もうよい。何を言っても無駄だ。言い訳など聞きたくもない。


ドドンッ ピシャッ


雷鳴が轟いた後にはブラフマーが微笑んでいた。


「こちらの処理は終わったぞ」


どうやら問答無用でアレを滅したらしい。

さすがブラフマーだ。

そこからは怒涛の勢いだった。

ブラフマーとトトがこの神域の神々を集め、説教を始めて信仰心の大切さを懇々と説いた。

信仰心は神力の源で神格にも関わって来る。

現状では我等の方が神格が上がっておるのだ。


「役割を細分化して担当者を決めろ!

 信仰心を集める為にもファンタニアに宣教師を作れ!

 もっと人々に寄り添い常に見守れ!」

「だらだらと見守るのではないぞ!

 時には厳しく接するのも人々の為だ!

 甘ったるい考えはお主等にも捨てて貰おうか!」


ブラフマーとトトはグレンが眠りに就く間、この神域にて監視及び教育をすると言っていた。



「ところでテラ7とやらの神とどう接触すればよいものか」

「ああ、それならラーが任せろと言っておったな」

「なにやらテラ7の主がエジプト神好きらしくてな。

 テラ7のラーと繋がりが持てるそうだ」

「は?・・・」

「どのような仕組みかは聞くなよ?

 我とて解らぬのだからな」


確かに未知なる事象を悩んでも仕方があるまい。

ならばそろそろグレンの元に戻るとしようか。



*** *** グレン目線 *** ***


よくやっと首都に到着した。

首都には真昼間から異質なアレコレがわんさかとうろついていた。

まぁ雑魚はどうでもいい。

薙ぎ払いながら中心部へと進んで行く途中、ラスボスとはいかないけど中ボズくらいなのが3体目の前に現れた。

たぶん儂等にとって大したことはない気がするけど。


「なんだあれは!」

「我々の邪魔をしにきたか!」

「あの見た目悪魔か!おのれ化け物め」


いやいや、自分達の方が化け物でしょ? ガルドをこんなにしてさ。

この世界のていうより、儂らの面白可笑しい旅のジャマしたのもあんたらでしょ?

いい迷惑なんだよ、うぜぇ・・・

と言うかコイツ等普通に喋れるんだ。まだ人としての人格を保ってる?

だとしても悪党のお決まり文句言ってるしなぁ。

まあ相手3人なら大丈夫かな。こっちも三人だし。

3人共魔導士なのか、魔法ばかり飛んでくる。

あー、足元に死体?抜け殻?なんかゴロゴロ転がってるなあ。

こいつら何がしたいんだろう?

世界を我が手にとか言ったら笑えるんだけど。

さて、どう聞いてみようか。ニヤリ


「「「 我々は姫の為にこの世界を手に入れ我等が姫が支配者となるのだ 」」」


・・・

姫ってなんだ姫って。

あれか、イシュカ神が言ってた招かざる客の姫プ!

その姫プは何処さ・・・


「姫の邪魔はさせ・・・ぐはっ」


ゴンッ

うん、聞く気ないわー。

ブワンッ

1人をアリアンがパックリ飲み込んでジワジワ溶かしていた。

コイツ等に手間取ってる場合じゃないんだよ。

サクッ残りの2人も片付けようかねー。


グイと近づいて襟を掴み何か言い掛けた口をかき斬る。

すぐに血泡を吹いて事切れた。

スプラッターの見過ぎかな、我ながらよくまあこんな事出来るなと思うけど。

見た目といいこの冷酷さといい、もしかして儂人外になってる?

えー、それ聞いてないし困るんだけども?

などと思っている間にデューンも残った1人を片付け終わっていた。

相変わらず見事な剣捌きだなあ。

施術者が居なくなったせいか 異質なアレコレはその場にバタバタと倒れたり消え去ったりした。

倒れた傀儡は死んでないならそのうち意識も取り戻すのかな?

もし人に戻れたらパニックにはなるだろうけど、まぁ頑張れ。


中ボスらしき3人を倒せば中心部には難なく到着出来た。

出来たけども・・・


なんじゃこりゃ・・・

いやさ、姫言うからこうブリブリのフリフリな可愛いのを想像するじゃん?

ゴ〇ラに出て来るヘドロ怪獣を黒くしましたみたいなヤツなんだよ。

あの3人、よくまぁこれを姫とか呼んでたな・・・

と感心してる場合じゃなかった。


「アリアン、デューンもさ。

 こいつには手出さないでね、2人が取り込まれても嫌だからさ」

「其方は大丈夫なのか・・・」

「ホラ、儂は欲とか免疫あるし?

 それにどっからどう見ても姫には見えないけど

 儂の大好きな仲間に姫とか近づけたくないし触られたくもないんだよね」

「そうか、解かった・・・」

「承知いたしました・・・」


さてと、普通に?考えれば深淵なる闇の大元と姫プが合体したって事になるんだけどあってるのかな。


「スベテハアタシノモノ ジャマヲスルナアァァァァ!」


ヘドロ姫が襲い掛かって来る。

姫プを先に殺せばいいのか、深淵なる闇を払うのが先か、どっちだ。


「同時に滅すれば良かろう」

「バハ様?!」

「任せておけ」

「バルドルくん?!」


いつの間にか2人は戻って来ていた。

他の3人はどうしたのだろうか。


「イケメン キタコレ アタシノモノダ! ヨコセェェェェ」


いやいや、お前のもんじゃないし物でもないんだが。

ヨコセと言われてはいそうですかと言える訳もねぇだろ。


「うっせぇクソ姫プが!」


ゲシッと殴るがネチョッとした感触しかなくて気持ち悪い。

そしてバルドルくんがキレた。


「僕は博愛主義者で女の子は好きだけど、君の様な醜悪な姿なのは無理だね」


いやそのセリフ要るか?・・・

せっかくの格好良さが半減した気がするが、バルドルくんは気にした様子もなく強烈な光を放つ。


「醜悪で邪悪なる存在よ、消え果るがよい」


カッと目の前が白くなり、光が落ち着くとそこには何も残って無かった。

おぉー、さすがバルドルくん、すげぇな。


「この程度造作も無い。

 そもそも主はだな、サモナーでありながら肉弾戦が過ぎるのだ」

「え?いや、あれ? そうかな・・・」

「もっと我等を頼ればよかろう!」

「あ、はい・・・」


言われてみれば確かにそうだよな。

つい手が出てしまうんだよね、おかしいな・・・

まぁそれはさて置き、深淵なる闇の根源も招かざる客も消えたのだから仕上げをしなくちゃだね。


此の回は難産だったのと

猫がキーボードを踏んで全消えしたのとで苦労しました。

本当は

「はい消えたー!」「はい終わったー」

とコメディっぽくあっさり書ければよかったのですが(;´Д`)


読んで下さりありがとうございます。

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