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90:噂と推測とモヤモヤ ~カズラ・シカ~

*** *** カズラ目線 *** ***



メンドクセェ・・・

それが俺の感想だった。


あの噂のせいでオアシスには色々な人が訪れるようになった。

ただ訪れるだけなら、賑わうだけでいい。

が、キャラバン達が何か言ったんだろうな。

どいつもこいつも俺達目当てできやがる・・・


しかも口をそろえて言う事が、自分たちの集落に来てくれないかと・・・。

救世主が来てくれれば集落や町が安泰だからと・・・

いやいや、俺達に何を期待してるんだか。


貴方方(あなたがた)たが居てくれるだけで安心できるんですよ」

「ダンジョンの心配もなくなりますし、変な気を起こす者もいなくなるはずです」

「私達の集落にもここの様な繁栄をもたらしてくださいよ」


開いた口が塞がらないとはこの事か?・・・

居てくれるだけで安心 とか

ダンジョンの心配がない とか 

変な気を起こす者もいなくなる とか

繁栄をもたらすとか 阿呆か?・・・


俺達に魔除け効果みたいなのが有る訳じゃない。

オアシスが繁栄してるのは住人達ががんばったからだ。

なんだ?結局こいつらも他力本願か?

知らねぇよ・・・メンドクセェな。

毎日毎日ウンザリする・・・


イザ「カズラ、思うんだが」

ズラ「ん?」

イザ「この世界は、良い言い方をすれば平和的で

   嫌な言い方をすれば、ダンジョンなんかの戦闘は無関心の人任せか?」

ズラ「イザもそう感じたか?」

イザ「すべての人がとは言わない。

   ただオアシスのように自分達で対策を取ってないような?」

ズラ「だよなあ。これ深淵の影響だけとは思えないよなあ」

イザ「ジーク、俺達が生まれる前からこんな感じだったのか?」

ジー「そうだな・・・」


ジーク達の話では

集落に冒険者がいれば、その冒険者が依頼を受けてダンジョンや浸食シリーズの討伐を行う。

居ない場合はギルドへ依頼を出す。

乱暴者や犯罪者の対応も冒険者やギルドに依頼を出して行う。

オアシスの様に自衛を考える集落は無かったようだ。


冒険者にしても、鑑定の儀で戦闘スキルが載っていてもなる人は少なく

すでに冒険者が居るから別にいいだろう的な考えの人が多いらしい。


ジー「俺の場合はなんでだろうな。

   何故か冒険者になっておかなければと思ったんだよ」

フィン「私もそうね。

    冒険者になってシカちゃんが居たあの集落まで

    行かなければって何故か思ったのよね」

ライ「俺の集落は特殊だったからなあ。冒険者という括りはなかったな」


んー・・・

これってさ、()()()()()()じゃなくて()()()()()の間違いなんじゃねえか?


あ・・・意欲も欲の内になるのか? 

だから元々持ってない?・・・

まさかな、そこまでじゃないよな?・・・

確かに思い返せばこれまでダンジョン内で他の冒険者と遭遇したことがなかったような?

誰だよ、この世界作ったのってイシュカ神か?

管理してる神が駄目だったのか?って、あのスットコ神か・・・


ってかこの世界の状況変えたかったなら、住人達に頑張らせた方がよかったんじゃね?

神からして他力本願だったて事かよ・・・

いやイシュカ神とかシムカ神は頑張ってたような?

あのスットコ神のやらかし具合が酷かったとか?


ズラ「なーんか、スッキリしねぇ・・・」

イザ「だよな・・・」

シカ「え? どうゆう事?」

ボブ「もっとさ、皆で楽しく生活出来ると思ったんだけど・・・」

シカ「え?え?・・・」

ボブ「つまりね。僕達は利用された。言い方が悪いけどね」

ズラ「自分からやります!とかってんなら別だけどな。

   俺達は神とかってのに振り回されたって事だよな。」

シカ「え?・・・でも神様の思うような討伐はしてないよね?」

イザ「シカ・・・ ()()()()()とこの()()()()()は違っていた」

ボブ「ジーク達の話でそれが解ったよね・・・」

シカ「あ・・・」

ズラ「不本意だがな。神々の期待に応えたって事かよ・・・」

シカ「あーそうなるのかぁ。でもそれってこの世界にはいい事なんじゃないの?」

「「「 ・・・ 」」」

シカ「え? 駄目なの?」

ズラ「姐さんが嫌がる事は? 氷の大陸へ行く前の事思い出してみろよ」


*** *** *** *** ***

シカ「ねーねー。そう言えばこの旅の最終目的ってなぁにじ?」

グレン「安住の地を求めて?」

ズラ「落ち着ける場所探し?」

イザ「生活の拠点確保?」

ボブ「え?! 神様が言ってた溢れた深淵のなんとかの対処は?・・・」

グレ「んー、だってそれってさ神々の都合だよね?

    よくある転生物語みたいに、呼ばれました。勇者です。聖女です。

    呼ばれたから世界の為に出来る事頑張ります!て思える?」

ズラ「俺はそうゆうの読んだ事ないからなあ。

    でも、救世主様おねがいします!世界を救ってくださいて丸投げされたら

    メンドクセェーーーーて言うだろうな」(笑)

イザ「俺も読んだことは無いかな、だから想像もつかないけど。

   ただ、なんで俺?めんどくせ。とはやっぱり思うかな」

シカ「私は・・・断り切れずにやりそう・・・」

ボブ「あー、そうだよね。自分が生きる為に頑張ってたら

   結果として勇者扱いとか聖女呼ばわりになったて話は判る。

   最初から勇者だ聖女だって自称する人ってあまり居ないよね。

   僕もそれは嫌だな」

グレ「だからさ

   儂等は儂等らしく、助けたい手伝いたいって思えばやればいいいし、

   なんだこいつ知らねーって思えばほっといてもよくね?」(笑)

ズラ「いつものアレですな」

    頑張ってる人は喜んで応援するけど 寄生根性や他力本願は知らね


*** *** *** *** ***


*** *** シカ目線 *** ***


「ああああ!!!」


つまり・・・

私達にとって普通だと思ってやってた事が、この世界では普通じゃなかった?

結局神様達の期待通りになったて事?

いや別にそれでいいんだけどさ・・・

え?でもだったら姐さんは?・・・

姐さんだったらきっと 気が付いてやらないと思うんだけどな。


シカ「なんで姐さん、ガルドに残ったんだろう・・・」

ズラ「俺達や俺達の家族の為、仲間の為だろうな」

イザ「グレンの性格からしてこの世界の為とかじゃないだろうなあ」

シカ「でも・・・それなら私達も一緒に!」

ボブ「言われたよね? 僕達じゃ無理だって・・・」


あ・・・

人 とゆう同族だから・・・体が動かなかった。

攻撃出来なかった・・・・


シカ「で・・・でもヒールくらいなら!」

ズラ「あの時、出来ていたか?・・・」

シカ「・・・・」


なにも出来なかった・・・

むぅ・・・・


「すごくスットコ神に文句が言いたい・・・。」


こうなる事も判ってたのかな?

てゆうかさ、根本的に考え方が違うならそう言っておいて欲しかった!

いぁ、待って?


シカ「私達は・・・この世界に産まれて成人まで、皆に出会うまでは普通に育ったよね?

   だから?・・・ この世界の普通に疑問に思わなかった?

   他力本願じゃんとかって思わなかったもんね。

   あれだけ普段の生活で助け合って協力し合ってたのに・・・。

   ダンジョンには無関心だったよね・・・。」

ズラ「確かに何故かダンジョンにだけ無関心だったよな。

   MOBが溢れたとかなら別だったが」

イザ「なのに違和感が・・・・無かった。疑問にも思わなかったな」

ズラ「思わせないよう、この世界に馴染むように0歳スタートだった?・・・」

シカ「姐さんだけ違ったのも、なにか意味があったて事?・・・」


うーん・・・

だめだ、頭から煙が出そう。


シカ「ちょっと休憩したいかな。頭から煙でる・・・。」

イザ「確かに。今日はここまでにして少し頭の中を整理しようか」


なんだか頭がパンクしそうになったので今日はお開きになったんだけど、私は布団の中でもモヤモヤとしていた。

姐さんはいったい何を知っていて何を抱えているんだろう。

読んで下さりありがとうございます。

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