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88:ムスペル砂漠で珍道中 ~シカ・カズラ~

*** *** シカ目線 *** ***



オアシスまでの途中でいくつかダンジョンにも立ち寄ったけど、スルーアの数も浸食シリーズの数も少なくなっている気がする。

ただ荒くれ者は相変わらずかな。

スフィンクスにも出会った。


「なぞなぞが出るんじゃないんだぁ・・・」


と思わず言ったら、以前ボブにも言われたらしい。

小声でイザとカズラも同じ事言ってた(笑)


流砂にもハマった・・・


『所々に流砂があるから気を付けて。

 注意深く見れば砂を色が少し違うからね』


とスフィンクスに教えて貰ったにもかかわらず・・・

言っておくけどこれは私のせいじゃないからね!!

皆でコナの実を拾っている時にしゃがんだらカズラのお尻とぶつかって押された感じに。

ポンッとね?

お尻がね?・・・


「ぶ・・・カズラ何するのぉー!」

「そりゃこっちのセリフだよ!」


なんて言ってたら ズズズッて足元がね?・・・

助けようとやってきたボブもハマってね?・・・

たまたま通りかかったアラクネさんに助けて貰ったんだけど・・・

うん、無事でよかったと思う。


ボブが助けた鳥の獣人さん達とも偶然出会ったよ。

小さなオアシスの近くで生活しているんだって。

その日の野営はそこにお邪魔した。


「あの時は本当にありがとう」

「どういたしまして!でもあれはマミー印の包帯のお陰だから!」

「おにいちゃんが助けてくれた人?」

「うわあ、あの時の卵の子?元気でよかったよ!」


ボブはすごく嬉しそうだった。

この鳥の獣人さんを襲ったヒューマン達は・・・

スライザーになる前のスライムが 落ち武者禿げ にしたらしい。


「「「なんで落ち武者禿げなんて知ってるの!」」」


「スライムくんが姐さんに教えてもらったみたい。

 え?バーゴードのやり方も教わった?

 いつのまに?!

 ニブルで? ええぇぇ・・・」


姐さん・・・

スライムに何教えてるんすかね?・・・


鳥の獣人さん達が不思議がってるので図解してあげた。


「あー、その髪の形をしてる奴を見かけた事があるな」


と、カズラのお父さん。


「おや、私も見た事があるなあ」


と鳥の獣人さん。


「私も見た事がありますね」


とここに住んでる他の獣人さん。

あの髪型でうろうろしてるんだろうか?

ある意味勇者だよね。


「スライザーくん、そんなに沢山落ち武者禿げ作ったの?」


え?違う?。

仲間にも教えただけ?・・・ぶふっ

どうやらスライムの間に広まって、悪いヒューマンを見つけたらそうするようになったらしい。

な・・・なるほど。

姐さん、姐さーん!

スライムの間で落ち武者禿げが流行ってるみたいですがぁぁぁぁ。


次の日鳥の獣人さん達に別れを告げて旅を続ける。



*** *** カズラ目線 *** ***



オアシスまで後少し。

そんなある日、嫌な連中と遭遇した。

嫌な目付きをしたヒューマン5人組。


「こんにちは。あなた方もガルドから?」


昼飯中に声を掛けられたのだが、顔は笑っていても目が笑っていない。

気味が悪いと言うよりも気持ち悪い。


「何か用でも?」


質問には答えずにそう言った。答える必要は無いからな。


「用と言うほどではないのですがね。

 少々助けていただければと思いまして」

「助ける?」

「ええ、護衛と荷物運びを兼ねていた獣人が死んでしまいましてね。

 そちらは獣人を2匹も持っていらっしゃるようなので

 1匹譲っていただけませんかな?」

「は?」


なんだこいつら。

1人2人ではなく匹と言いやがった。

イザやライカを譲れ? 雇いたいとかではなく?


「カズラ、こいつ等もしかして奴隷商か?」 


小さな声でジークが言う。

やっぱりそんな感じだよなあ。


「断る。用が無いのならさっさと目の前から消えてくれないか」

「ただでとはいいませんよ?」

「ことw・・・」


言い掛けた俺の前に スライザーが・・・

男に覆いかぶさりウニョウニョと何かしている。


「な・・なんだこいつは」

「おい、やめさせろ」

「おm・・うわぁぁ」


他の四人も次ぐ次とスライムに襲われている。

スライム?・・・

どこから現れたんだろうか。


プチッ プチッ ペッ ペッ プチペッペッ モモモモモッ


スライザーもスライムも頭の上に音符でも出てそうな雰囲気で楽しそうにしている。


「ボブ、シカ。 スライザー達は何をしているんだ?」

「えーっと・・・バーコードを作るって・・・」


ブハッ  バーコード?・・・


見れば・・・なんかこういたたまれないような・・・


「上手くバーゴードにならないって、ちょっとイライラしてるみたい」


ぶふっ・・・


「あー、なんでそんな事してるんだ?」


悪い人を食べたらお腹を壊すから? へ?

強引に髪を抜いているものだから、あいつらは全員気絶していた。

中には失禁しているやつもいた。ばっちぃな、おい・・・


「カズラ、あそこに捕らえられた獣人っぽいのがいる」


見れば数人、獣人の姿が・・・

こいつらはこのまま放置でもいいだろう。

獣人たちの元へ行ってみた。


「大丈夫ですか?怪我などはありませんか?」


だが反応がない。目も虚ろだ。


ライ「従属魔法か?・・・」

ズラ「シカ、無効化は出来ないか?」

シカ「うーん、解呪でいけるかなぁ・・・」

フィ「従属魔法は かけた本人じゃないと駄目だったような・・・」

ジー「後は掛けた本人が死亡すれば解除されるはずだが」

コング「 マカ セロ 」


ん?・・・

コング?

何をする気だろう。

スライザーやスライム達と何か話した後あいつらを抱えて・・・


ブンッ


投げた・・・


パクッ ごくんっ


え?・・・

巨大なコブラみたいなものが・・・

飲み込んだ?・・・


ズラ「今のは何だろう・・・」

ジー「あー・・・

   俺は何も見ていない・・・」

フィ「そ、そうね。私も見てないわ・・・」


ポイッ パクッ ゴクン


ポイポイッ パクパク ゴックンッ


フンッと満足げな鼻息を1つはくと巨大なコブラ?は消えていった。


コング「 ゴミ 落チテタ ゴミ 投ゲタ 処理 シテモラタ 」


ゴミ・・・処理・・・


「そ・・・そうか、ゴミな。うんゴミの不法投棄は駄目だよな・・・」


うん、そうだな。

あれはゴミだった。

不法投棄されたゴミだった、そう思う事にしよう。


イザ「お、気が付いたみたいだぞ」

ズラ「大丈夫ですか?」

  「うぅ・・・ここは?」


彼等の話によれば、野営をしていたオアシスで奴らと遭遇し

寝ている間に従属魔法を掛けられたようだった。


  「しかしどうやって従属魔法の解除を?・・・」

イザ「あー・・・それなんだが」

ズラ「私達が見つけた時は ()()()()巨大な蛇に飲み込まれている所でした」

フィ「そうねー、あれは助けるの無理だったわよね」

  「巨大な蛇・・・なるほど、それは無理ですね」

イザ「なにか心当たりが?」

  「スフィンクスの中に蛇の尾を持つ者が居て

   この砂漠を守っていると聞いた事が有ります。

   悪さをするとその蛇に飲み込まれてしまうと祖母が言っていました」


なるほど。

さっきの蛇がまさにそれだったと言う事か。


「我々はこの先にある大きなオアシスを目指しています。

 貴方方はこれからどうされますか?」

「我々もこの先にあるオアシスも目指していたのです。

 とても良い場所だと聞いたので、子育てによい環境かと思いまして」

「では一緒にいきませんか?」

「それはありがたい。お願いします」


獣人達は兎の家族で移住中だったようだ。

シカは子供達に懐かれモフモフと一体化しているように見えた(笑)

このまま何事も無ければ オアシスには2~3日で到着できるらしい。

ボブが育った場所か。楽しみだな。

読んで下さりありがとうございます。

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