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閑話:みんなの寝言 ~フィン・カズラ~

*** *** フィン目線 *** ***



「だから違うって、〇〇さんの税率は△▽だから

 あー、なんで判んないかなあ、そうじゃないんだって。

 そっちの控除金額はそれじゃなくて、違うんだってば」


モゴモゴ・・・


「ねえジーク・・・税率って何かしら・・・」

「なんだろうな・・・」


イザの寝言で目が覚めた私とジーク。

こんなにハッキロとした寝言は初めて聞いたし

意味が解らない言葉が次々に出てくる。

最初はイザが起きているのか思ったのだけどしっかりと寝ていた。


「すっかり目が覚めてしまったな」

「そうね」


他の皆は慣れているのかしら・・・

起きる気配は無いのよね。

眠れなくなってしまったのでお茶でも飲むことにした。

カップにお茶を注ぎジークにも渡す。


「ふんっ、うにゅにゅにゅにゅぅ」


ブハッ

盛大にお茶を吹き出した・・・

ゲホッゲホッ

今のは・・・シカちゃん?

何の夢を見ているのかしらね。


「ピーッピヨピヨピヨピヨピヨッ」


?!

何、今のは・・・・


「ジーク・・・今のは」

「ボブの寝言だな・・・」


小鳥にでもなった夢を見てるのかしら(汗)

それにしても今夜はなんでこんなに寝言が多いのかしらね。


「ジーク、私眠れる気がしないのだけど・・・」

「俺もだ・・・」


静まり返っている時の寝言って、なんでこんなにツボるのかしら。


「イザ・・・xxxxが****でxxxだから」

「ああわかったよライカ。xxxxで****だろ?」


なんだがハッキリと聞き取れないけど、寝言で会話しているし。

仲が良いと言うかなんと言うか・・・


「眠れなくても、横になっておこうかしら」

「そうだな、横になるだけでも少しは違うだろう」


ぐっすり寝る事は諦めて少しでも疲れを取るために横になった。


ウトウトしかけて眠れるかなと思った頃


プゥーーッ  ブボッ


「「「「 カズラ五月蝿い! 」」」」


今まで寝言を言っていた4人のツッコミが入った。

ブフッ・・・

人の事は言えないと思うのだけど。

今声を出したら駄目な気がする・・・

耐えるのよ私。

ふとジークの震える肩が視界に入った。

ちょ、やめてよ・・・

そこからはもう無理だった。

せっかく我慢していたのに。


「ジーク・・・」


恨めし気にジークを見れば顔を真っ赤にして笑っていた。


「随分と昨日は賑やかだったな」


少し寝不足な顔でカズラの伯父が声を掛けて来た。


「ああ、ごめんなさい。我慢しようと頑張ったんだけど・・・」

「大丈夫か、疲れた顔をしているが」

「ええ、なんとか。

 ふふっ・・・カズラの・・・

 あの音が・・・うふっ、ふふふっ」

「あれはカズラの音だったか・・・」

「ほぇ? 俺?!」


まあ今日はゆっくりと休息の予定だし多少の寝不足でもなんとかなるわよね。


「カズラ、今夜は静かにしてね?皆も・・・」

「「「 皆も?! 」」」


あー、これは皆に教えた方がいいわね。

自分の寝言って気付かないものね。

ふふっ、あぁ腹筋が痛い。

グレンが戻ってきたら教えてあげなくちゃね。



*** *** カズラ目線 *** ***



そんなに皆寝言を言っていたのか。

そして俺だけ屁って・・・


フィンとジークは目の下にクマが出来ていた。

予定では休息日になっていたので二人にはゆっくりと休んでもらう事にしよう。

さて、俺は何をするかな。

野菜や果物でも探してくるかな。

肉系はチビやアンが時々持って来てくれるしな。

ああ、穴には気を付けないとだな。

あの時はえらい目にあった。

まさか俺まで落ちるとは思わなかったしなあ。

やれやれ・・・と腰を上げて辺りを見回す。

あー、あそこの草叢あたりが何かありそうだな。

皆に一声かけてから移動してみる。


どれどれ・・・お?あれは芋系の葉かな。

近付いて幾つかある株の1つを引っこ抜いてみる。


グイッ スポンッ


 あぁーれぇぇーーーーーーーっ


甲高い悲鳴のようなものがあがった。

皆がものすごい勢いでこっちに向かって走って来る・・・


「「「 今の悲鳴はなんだ! 」」」


あーー・・・

嫌な予感がする。


「カズラ!今のは?大丈夫か?!」


俺は返事をする代わりに手にしたソレを皆に見せた。


「「「 ・・・・・ 」」」


「マンドラゴラってこんなのだったけ?」


恥ずかしそうにモジモジと胸を隠したマンドラゴラ。


ポッ


何故赤くなるんだ、マンドラゴラが!!

やめーい、こっちが恥ずかしくなるわ!

おかしいだろ!

以前出会ったマンドラゴラ達はこんなんじゃなかっただろ!


「あー・・・カズラ。埋めて差し上げろ・・・」

「うん、そうね。戻して差し上げて?」

「勘弁してくれ、腹筋がもたん・・・」

「カズラのすけべ!」


まて、シカ。

なんでそうなる!

俺はそう言いたかったが・・・

ここで何かを言えばシカはもっと弄ってきそうなので黙ってマンドラゴラを埋める事にした。


ザックザックザック ポイッ ザッザッザッ ポンポンッ


よしこれでいいたろう。

ふぅ・・・

気を取り直して、掘る場所を変えよう。

少し離れた場所に違う葉の植物が群生しているのを見つける。

うん、大丈夫そうだな。


グイッ ・・・


随分としっかり根を張っているようだ。


グイッ グググッ スポッ


おおー、よかった普通に芋だ!!

安心して他のも抜くことにする。


おっと全部抜くなと姐さんが言ってたな。

他の動物や旅人の為に少しは残す様にと。

半分だけ抜いて皆の元に戻る。


「お、芋か。結構あるな」

「さっきのマンドラゴラは笑ったな」


まぁ・・・な。


「こっちは人参ぽい物みつけたよー!!」


ボブも何かを収穫してきたようだ。


「あ、じゃあさ。玉ねぎはないけどカレー風味のシチュー作ろうか!」


シカが張り切っている。


「ちゃんと肉やカレー粉はあるんだろうな?」

「大丈夫!ちゃんとあるよ!」


なら安心か。

楽しみにするとしよう。


「あれぇー??」


シカが変な声を上げている。


「なんで肉じゃがになったんだろう・・・」


ぶっ、ちょっと待てぃ!

どうしたらカレー風味のシチューが肉じゃがになるんだよ!

いつになったらカレー風味の者が食べれるのやら・・・

すっかり頭も口もカレー気分になっていたのに・・・

カレー食いたいなあ・・・・(トオイメ)

読んで下さりありがとうございます。

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