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9:神との交渉

一通り泣いて落ち着いた後、改めて説明を聞く事になった。


説明してくれるのはシムカ神より更に上位のイシュカ神。

美丈夫でイケオジなイシュカ神にCICAさんと2人して見惚れていたのは内緒である。


なお説明時に深淵なる闇の成り立ちは簡略願った。

儂すでに聞いてるし。

まぁ皆は知らないので、ざっくりな説明でとお願いしたら・・・


太古の昔、幼くて悪戯な神が異世界の少女を1人ぽいとファンタニアに放り込んだ。

その少女はファンタニアに欲と言う概念をもたらし

その欲は次第に人々へと浸透し膨れ上がり深淵なる闇を生み出した。


「と、ここまではよいかのぅ?」


皆でうんうんと頷く。


やがてそこはかとなく深い欲が膨大に膨れ上がり 深淵の浸食が進み 

悪霊と呼ばれる魂の無い欲と言う本能だけの存在(スルーアやバンシー、フィジアル)が溢れ出した。

この世界の住民達は本来温厚で平和的であり 戦闘力も低く自力での討伐が追いつかない。

それでも神々は素質がある者に少しばかりの加護を与えて対応させてきた。

が、近年どういった訳かは不明だがチラホラと異世界から招かざる客が入り込むようになってしまった。

大神達も原因を突き止めようと動いたり、異世界と繋がる次元ワープを閉じたりと頑張ってはいるのだが。

招かざる客の影響か、深淵なる闇の浸食速度が加速している。

このままではファンタニアは大神達が望んだ世界とは真逆の殺伐とした世界になりかねない。


大神達はどうするか緊急会議を開いたのだが、その間にスットコ神ユングが勝手に異世界人を召喚してしまった。


「つまりはその召喚された異世界人が儂等?」

「そうなんだ。僕が見つけた時に君達をしばらく観察していたんだけどね。

 君達凄く強くて。だけど楽しそうで。息もぴったり合ってたし。

 この状況を打破してくれるんじゃないかと思ってね?」


ね? じゃないよね、このスットコ神。

儂等普通にリアルはおっさんとおばさんなんだよ。

スットコ神が見たのってさ、ゲームの中だったんじゃないの?

ゲームの中の強さとリアルの強さを一緒にしてもらっても困るんだけど?


もっとこうさぁ、探せば他の異世界人とかで勇者だの聖女だの大賢者だのって居たんじゃないの?

なんでこんな平凡なおっさんおばさん選んだよ・・・

ああ、もう頭痛がする。

と、視界に入ったイシュカ神とシムカ神も頭を抱え込んでいた。


儂 「CICAさんや」

CICA「へいへい」

儂 「ロキソニン持ってたりしない?」

CICA「しないねぇ」


ですよねぇ、ちょっと現実逃避してみただけだよ。


「確認ですけど、私達がファンタニアに転生する事は確定なんですよね?」

「ああ。

 申し訳ない事に其方達の世界で、其方達の存在はすでに無になっておるのじゃ。

 故に戻してやる事は叶わぬ。すまぬな」

「現状の打破、深淵なる闇の浸食を押えるにはどうすれば?」

「冒険者となって悪霊や浸食された魔物・魔獣を討伐してくれればよい」

「解りました、では今後についての話し合いをしたいのですが」

「大丈夫だよ!君達が今まで経験したゲームでの力が全て」ゴンッ

「そちは黙っておれ!」


鈍い音が響いてスットコ神は気を失っていた。

そしてそのスットコ神をシムカ神が何処かへ引き摺って行った。


「脱線してしまったな。話を戻そう。

 聞こえたかも知れぬが

 其方達がこれまで経験してきたゲームや現実世界での経験。

 それら全てが其方達の能力に換算される様になっておる」

「ちょっと待った。それだと過剰能力になると思うんですよね」

「駄目かのぅ?」

「駄目ですね、下手すりゃ人知を超えた存在になりそうですよ・・・」


KAZURA「あー、姐さんが一番ゲーム歴もリアル歴も長いもんなぁ」ボソッ

イザ 「しかもやってたゲームの種類も多そうだよな」ヒソッ

CICA 「姐さんのリアル人生も波瀾万丈だよ?」コソッ

ボブ 「無敵の姐さん、素敵だけど僕ちょっと怖いかも」ボソボソッ


何か言ってる気がする・・・

まぁいいや、交渉の続きを・・・


「困ったのぅ、ではどうしようかのぅ」

「こちらから要望を出すので可不可を決めて貰ってもいいです?」

「あいわかった、ではそのようにするとしようかのぅ」


皆で話し合おうとしたら「姐さんに任せるよ!」と一任されてしまった。

丸投げかーいっ!

仕方が無いので慎重に選んで1つずつ伝えていく。


1つ ゲームのキャラメイクの様に細かい設定はともかくとして

  種族と職は選ばせてほしい、出来れば髪の色と目の色くらいは選びたい

 

1つ この世界の一般常識とか生活に必要な知識と言語は

  予め頭に入れておいて欲しいし前世?での記憶はまるっと引き継ぎたい


1つ 一人に付き一人 守護者を付けて欲しい

   私の場合はデュラハンさん希望


1つ 初期装備とマジックバックを持たせて欲しい

   すっぽんぽんとか二度とごめん被りたい


1つ スットコ神の再教育を熱望する


このくらいかな、これでも十分なチートだと思うし。


「いかがでしょう?大丈夫ですかね?」

「うむ、このくらいであれば可能だ。

 もっと願ってもよいのだぞ?」

「あまり多くても持て余しますし?

 どうしても困ったら祈りささげてお願いしますから」

「左様か、では準備にかかるかのぅ」

「あ、ちょっと待ってもらってもよいですか。

 皆で職被りしないように話しておきたいんです」

「なるほどなるほど、あい解かった。

 では茶でも飲んで待っておろうかの」

「掛けないでくださいね?」

「んむ、大丈夫じゃて」

「後で2人だけでお話があるのですが」コッソリ

「奇遇じゃな我も其方に話がある」ヒッソリ



では皆で職を相談するとしよう。

とは言っても儂はすでに決まっている。サモナー、召喚士だ。

そう、ゲイザーくんを取り戻すためだ。

ぎゅっと小さな羽を握りしめる。


儂 「皆どうする?」

KAZURA「今回はサブが作れる訳じゃないからなぁ」

ボブ「そうだよね、どうしようか」

イザ「俺は」

「「「「 タンクね! 」」」」

イザ「選択肢はないのかよ」

CICA「じゃぁ私がタンクやる?」

イザ「喜んでやらせていただきますっ!」

CICA「ちょ、なんでよぉ!」

ボブ「じゃぁ僕は大剣でアタッカーにするね」

KAZURA「ならば私はテイマーにしますかね」

CICA「あれ?ヒーラーは姐さん?」

儂 「いや儂サモナーだね」

「「「「 ・・・ 」」」」

CICA「え?私?・・・」

KAZURA「まぁ幾つかのゲームではCICAさんもやってましたしね、ヒーラー」

ボブ「そうだね。任せたよCICA」

イザ「言い出しっぺだしな」

CICA「いや言い出した訳じゃ・・・あれ?」

儂 「はい、決定! イシュカ様決まりました~!」

CICA「えぇぇ・・・」


ん?待って?

CICAがヒーラーって事はさ・・・


儂 「ねぇKAZURA、儂今気付いたんだけど・・・」

KAZURA「あ、やっぱり?私もですね」

儂 「これ儂等2人叫ぶパターンじゃね?」


CICAは初見の場所や不慣れな場所だと1点集中する癖がある。

その結果タンカーであるイザ以外にヒールが飛んで来なくなる事が多々あり、儂とKAZURAは雄叫びをあげる事となるのだ。


「CICAさんやぁぁぁ、ひーるを!ひぃーるをくれぇーい!!」(ドス声)


またこのセリフが響き渡る日々が始まるのだろうか。ハハハ・・・


「んむ、決まったかのぅ。

 では狭間へと向かい旅立ちの手続きをすませるのじゃ。

 ほれ、それぞれの担当者が迎えに来ておるでの」

「「「個別で手続き?!」」」

「いくら神でも全員いっぺんにとは出来ぬのじゃよ」

「な、なるほど?」


それならば仕方が無いとそれぞれに別かれて担当者と共に狭間へと向かった。

儂以外はね。

読んで下さりありがとうございます。

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