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79:ガルド大陸 違和感の正体 ~ボブ・イザ~

かなり短いですが、区切りが丁度良いのですみません。

*** *** ボブ目線 *** ***



シカ「姐さん大丈夫かなぁ」

ボブ「見た目で言うなら僕だって魔物に近いし。やっぱり僕も行ってこようかな」

ジー「ボブ、止めとけ。今はここを守る事だけ考えろ」

ボブ「ジーク・・・」

ズラ「ボブ、姐さんに頼まれただろ。俺達はここを守るんだ」

イザ「追いかけて行ってみろ、しばかれるぞ・・・」

ボブ「うっ、そうだね。頼まれたんだもんね」


僕は追いかけたい気持ちを押し殺した。

皆の言う通りここを守らないとだよね。

姐さんなら強いし怖いしきっと大丈夫だよね。

・・・

怖いしは関係なかったかも、へへっ。


やがて夜になると外にはなんだか異様な雰囲気を纏ったスルーアやバンシーがうろつき始め、時々中を伺うようになった。

今までもスルーアと対峙した事はあったけど

このスルーアやバンシーは凄く嫌な感じがして違和感がするんだよね。

この違和感の正体が解らないから余計に気持ち悪いんだよなぁ。


取り敢えず今夜は僕とイザで1Fの入り口を見張る事にした。

変な冒険者とかが来た場合に備えて集落の人達と他の皆は2Fに隠れてもらう事にしたよ。

スルーアやバンシー達は時々中を覗き込むけど入ってくる気配は無かった。

でも油断は出来ないからね!

その後も時々湧いて来る浸食スライムをちょこっと倒すだけで、もうすぐ夜が明けるかなと思った時だった。

一際大きなスルーアとバンシーが中を覗き込んでいたんだ。

目が合った・・・

目なんてあるはずも無いのにそう思った次の瞬間変な思考が流れてきた。


喉が渇いた。腹が減った。血をよこせ。肉をよこせ。その命をよこせ。


なにこれ。

あ、そうか!


「イザ、分かったよ!こいつら・・・思考が、意思があるんだ!」

「ああ、俺も感じた。こいつらには意思や思考なんて物無いはずじゃなかったのか!」

「なんでかは判らないけど、さっきからの違和感はそれだったんだ!」


ヌッと手が伸びてくる。

イザが盾でかわし、僕が大剣で振り払う。

でも切り落としてもすぐに再生してくる。

気持ち悪いなぁ、もぉ。


「ボブ、あまり前に出るなよ。進入さえさせなければいい、直に夜明けだ」

「うん。わかったよ。イザ!」


夜が明け日が差せばこいつらは消えるハズだよね・・・

そして少しの間攻防戦が続いて

日が差し始めればスルーアやバンシーは何処かへ消えていった。


「あいつら・・・なんで意思があるんだろう」

「わからん・・・」

「取り合えず2Fに行こうか。皆に報告しなきゃ・・・」

「ああ、そうだな」


僕達は2Fに降りてから皆に違和感の正体を伝えて、少し仮眠させてもらう事にした。

今後の事は姐さんが戻ってから相談だね。

姐さんは大丈夫だったのかな・・・

大丈夫そうだよね。眠れる悪魔だし・・・クスッ



*** *** イザ目線 *** ***



ジー「スルーアやバンシーに意思がある?!」

ズラ「マジかよ・・・」


信じられなくて当然だ。

俺自身、この耳で聞いて・・・脳に直接響いてなければ信じなかっただろう。


イザ「今思いだしても気持ち悪い。直接脳に響くあの感触・・・」

ズラ「これからどうする?」

イザ「グレンの帰りを・・・

   遅いな」


夜が明けてから数時間は経っているハズだ。

なのに戻ってこないのは何か問題でもあったのだろうか。


シカ「バングルで連絡してみる?」

ジー「いや、それは辞めた方がいいだろう。

   こちらから連絡して、もし身を潜めているとか何かの最中だったとしたら」

ライ「ああ、危険が及ぶかもしれないな」

シカ「そっか・・・」

ボブ「やっぱり様子を見に行くのも駄目かな?」

ズラ「賢明ではないだろうな」

イザ「何かあって必要ならバングルなりバハ様なり使って連絡をよこすだろう」


・・・・


沈黙が落ちる。

と、何かの気配を感じ緊張が走る。

読んで下さりありがとうございます。

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