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69:氷の大陸を目指して② ~シカ・イザ~

*** *** シカ目線 *** ***



なんだかカズラが騒ぐので結局皆夜明け前に目が冷めちゃった。

眠い目をこすりながら朝食の準備を終えて皆に配り、モグモグ食べながらふと思った。


「ねーねー。そう言えばこの旅の最終目的ってなぁにぃ?」


いまいちよく判ってなかったから、聞いてみた。


グレン「安住の地を求めて?」

ズラ「落ち着ける場所探し?」

イザ「生活の拠点確保?」

ボブ「え?! 神様が言ってた溢れた深淵のなんとかの対処は?・・・」


ボブ、マジメすぎる。

ボブらしいけど。


グレ「んー、だってそれってさ神々の都合だよね?

    よくある転生物語みたいに、呼ばれました。勇者です。聖女です。

    呼ばれたから世界の為に出来る事頑張ります!て思える?」

ズラ「俺はそうゆうの読んだ事ないからなあ。

    でも、救世主様おねがいします!世界を救ってくださいて丸投げされたら

    メンドクセェーーーーて言うだろうな」(笑)

イザ「俺も読んだことは無いかな、だから想像もつかないけど。

   ただ、なんで俺?めんどくせ。とはやっぱり思うかな」

シカ「私は・・・断り切れずにやりそう・・・」


皆ウンウンと頷いてるし(苦笑)


ボブ「あー、そうだよね。自分が生きる為に頑張ってたら

   結果として勇者扱いとか聖女呼ばわりになったて話は判る。

   最初から勇者だ聖女だって自称する人ってあまり居ないよね。

   僕もそれは嫌だな」

グレ「だからさ

   儂等は儂等らしく、助けたい手伝いたいって思えばやればいいいし、

   なんだこいつ知らねーって思えばほっといてもよくね?」(笑)

ズラ「いつものアレですな」


    頑張ってる人は喜んで応援するけど 寄生根性や他力本願は知らね


イザ「だよなー。それに普通にMOB倒してるしな」

グレ「そそ。儂等は儂等らしく、今までもこれからも」

ボブ「うん。そうだよね。あ、でもシカは少し・・・」

シカ「ボブ!私だって好きでやらかしてるんじゃないんだよぉーー」


ハハハと笑うボブ。

皆もそれはシカのデフォルト仕様だよなと笑ってるし。

まさかのスライザーまで笑ってる?・・・


「と、取り合えずさ。目指せ氷の大陸!白いモフモフが私を呼んでるよぉ!」


と立ち上がれば、ボブの顎に思い切りぶつかる。

そうだった、ボブの膝に座ってたんだった。


「ごめんね、ボブ」


大丈夫と言ったボブの目は涙目だった。

ホントスンマソン。



*** *** イザ目線 *** ***



それ以降はのんびりと移動しながら釣りに挑戦したり(相変わらず海藻しか釣れない)

狩りやダンジョン討伐をおこなったり、相変わらずシカさんはウロチョロと走り出すのでとうとうグレンにハーネスを付けられていた。


シカ「犬じゃないのにぃ・・・」

グレ「あ”ぁん?おんぶ紐でボブに背負ってもらうか?」

ボブ「抱っこでもいいよ!」

シカ「うぅっ・・・」

ジー「シカ、諦めろ」

フィ「そうね、何回言っても走り出すんだもの・・・

   探すのも大変なのよ?」

シカ「あぃ、スンマソン」


そう、すぐに確保できればいい。

だから少し気付くのが遅れるとシカさんは穴に落ちてたり、崖にぶら下がってたりと俺達の肝が冷えるんのだ。

まぁゲームでもそうだったからな(トオイメ)


【3()歩いたら忘れる!それがシカさん!】


最初はネタでそう言っているのかと思ったのだが違った。

カズラが毎回「だからおめぇはよぉー!」と言っていたのが今では身に染みて解る。

まぁハーネスを付けてからはそういったトラブルも無くなり。

ピリカを出て2ヵ月、ようやく最北端の海岸に到着した。

ここから海を渡れば氷の大地(北)に行ける。


ころんっ


目の前になにかの卵がポツンと落ちている。

周囲に親が居る気配もない。


ズラ「なんでこんな所に卵が・・・」

イザ「ダチョウの卵かな?」

ズラ「ダチョウはここには居ないかと・・・」

イザ「それもそうか」

ボブ「恐竜の卵とか!」

ズラ「恐竜も居ないかと・・・」

アリ「取り敢えず食べます?」

デュ「待てアリアン。食用かどうかも不明であろう」


グレンがひょいと卵を持ち上げる。


グレ「取り敢えずイザかライカ。抱っこして温めてあげて?」

「「 俺?! 」」

グレ「シカさんには大きすぎるし、ボブには小さすぎるし。

    二人ならフサフサの毛もあるし!」

ライ「あー、じゃぁ交代で・・・」


とライカが言うので仕方がない。

その日はこのまま、野営する事になった。


シカ「何の卵かな?鑑定してみる?」


ワクワクした目をしている。子供か!


ズラ「やめとけ」

シカ「えぇ?なんでぇ?気にならない?」

ズラ「可愛いモフモフでしたと出たら、シカはどうする?飼うのか?」

シカ「え? それは可愛いモフモフで親が居ないんだったら育てるよ?」

ズラ「ではシカの苦手なイモ虫やグロだったら?」

シカ「えぇ・・・それはちょっと」

ズラ「そういう事だ」


シカは黙って俯いてしまった。

言い方は悪いが何が孵るかによって見捨てるのはちょっとな。

それにしてもカズラ・・・

正論だと思うが卵を抱いて温めている俺の前でイモ虫は勘弁してくれ。

想像しちまっったじゃないか。

まあ実際は気になったボブがコッソリ鑑定したんだが結果は・・・


【見るな、NG】


だったらしい(笑)

知らないほうがいい事だってあるからな。


眠りに着こうとしてアリアンに呼ばれた。


「卵用のハンモックを作ってみたのです。

   こうやって卵を寝かせて、肩から掛ければ・・・

   両手も使えるし動きやすくなるかと思いまして」

「なるほど、卵の安定感も合っていいな。助かる」


礼を言い受け取るとアリアンは微笑んで おやすみなさい と立ち去った。


翌朝、目が覚めれば・・・卵の色が変化していた。

白からピーコックグリーン?

グラデーションが掛かっていた。


グレ「イザ、何かした?」

イザ「いや、抱えて寝ただけだよ・・・」

グレ「そうか、まぁ綺麗だし気にしないでおこうかな」

イザ「そうだな、俺達の知らない生き物かもだしな」

ライ「お?綺麗な色だな」

イザ「おはようライカ。」


手渡した卵を受け取るライカも深くは考えない事にしたらしい。

目下の課題は・・・目の前の海をどう渡るかだった。

以前の様に大陸の端までバハ様に移動出せて貰う案も出たのだが


『一度行った事のある場所でなければ、移動は出来ぬ』


との事だった。

先行してくるか?と言ってくれたが、

バハ様も竜だし低体温で動けなくなったら大変だと皆で止めた。


シカ「いっそ船作っちゃう?某ゲームみたいに」


ああ、そう言えば某ゲームで木こりして船作ったよな。


グレ「船・・・」

デュ「どうした?」

グレ「ああ、いや。ちょっと思い出して・・・」


そう、グレンは船に関していい思い出がない。

初航海で座礁して置き去りにされたり

同じく座礁して海に投げ出されてグレンだけが敵に襲われたり

燃料切れで海を漂ったり・・・

いずれも操縦はシカだった訳で。


イザ「船でもいいんじゃないか? 操縦をカズラに任せれば」

ズラ「俺かよ!」

シカ「カズラだって姐さんに向けて大砲撃ってたりしてたじゃんー!」

ズラ「お前みたいに置き去りにはしてねえよ!」

シカ「私だってわざとじゃないもーん!」

ズラ「わざとじゃなくて何回も置き去りにするからタチ悪いんだろうがよ」

ボブ「どっちもどっちのような?」


グレ「船造るにしても木材とか大量に必要じゃね?」

ボブ「大丈夫だよ!ドロップ素材で十分足りそうだよ!」


目の前にはすでに木材がドドンと積まれてあった。


イザ「ぶっ・・・

   まあ急ぐ旅じゃないし。作ってみるか」

グレ「まぁ、そうだな」

ジー「俺船とか造った経験ないぞ」

フィ「私もないわよ・・・」


そう言うと、アリアンがすっと図面を差し出した。

いつのまにこんな物の用意を?・・・


「こんな事もあろうかと、用意してございます」


卵ハンモックといい図面といい、凄いな。


デュ「アリアンだからな、深くは考えるな・・・」

イザ「お、おぅ・・・」


それから数日 俺達は木材と格闘する事になった。

フィン「海に置き去り・・・」

ジーク「海に投げ出される・・・」

ライカ「大砲を向けられる・・・」

(((姐さん災難だな・・・)))

フィン「ねぇ・・・」

ジーク「ああ、シカに舵を任せるのはやめたほうがよさそうだ」

ライカ「カズラも危険そうだが・・・・」

デュラハン「さすがに大砲は無いのでは?」

アリアン「ございますよ?

     キャノン砲、デミキャノン砲、カルヴァリン砲

     デミアルヴァリン砲、セイカー砲、ミニオン砲

     どれがよろしいでしょうか?」ニッコリ


   「「「「 ・・・・ 」」」」



読んで下さりありがとうございます。

actionや評価、お気に入り登録等もありがとうございます!(*'ω'*)

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