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60:ニブル大陸② ~カズラ&ボブ~ 

区切りの都合上 少し短いです。

*** *** ボブ目線 *** ***


「おじゃまします!」


中に招き入れられると・・・

人間(ヒューマン)がお茶を飲んで、額がポワンと温かくなったんだ。


「ボブか?!」


と言われた。

イザかカズラだよね?・・・どっち?


「俺だ俺!」


二人共 俺 って使うしわかんないよ?!

あれ、よく見ればケットシーとクーシーがいる。

って事は・・・


「カズラ?!」


わあ、カズラだよカズラ!! やっと逢えたよ!

思わず抱きしめたらカズラからグエッて声がした。

ちょっと力が入ったみたい・・・


「ボブ、お前オーガなんだからよ・・・」


涙目になってた、ごめんよ(汗)


レイスのお姉さん、アリアンさんに


「こちらにお掛けになってお茶でもいかがですか?ね?」


と言われて僕はゆっくりカズラを離した・・・

カズラはイテテと腰をさすっていた、大丈夫かな。

本当にごめんね。

差し出されたお茶を飲みながら、僕達はお互いの今までを語り合った。


え?カズラの家族はバフォメットの養殖してたの?

違う?バロメット?なにそれ?

バフォメットの親戚?違う?羊毛が取れる直物?!

凄いね、そんなのあるんだ。


え?ダンジョンでバ〇タンに遭遇した?マジで?

巨大なGにも遭遇した?顔に飛んできた? ウヘェ・・・それは僕も嫌だな。

ええ?頭に蛆沸いたガキに妹を攫われそうになった?

それを助けた伯父さんと妹が結婚する?

え?え?ええーーーー?


ぶっ、ヨートンにも懐かれた?

そ・・・そっかぁ楽しそうだね、カズラ!

カズラは良い家族の元で過ごせたみたいだ。よかった!



*** *** カズラ目線 *** ***



ふう、腰が痛かった・・・

なんなら良からぬ物が押し出されるんじゃないかと思った。

オーガの力すげえな。ボブはそんなに力入れたつもりはなかったみたいだが。


しかし家族の話はマズかったかもしんな。

まさかボブが孤児だったとは。

だが周囲の仲間に恵まれたのはよかった。

バジリスクにサラマンドル・・・

すげぇな。


でボブ

その頭はどうした?

川でウィザードとダンジョンに行ったら魔法に巻き込まれた?

 ブッ・・・

それ、どうにかなんねえのかよ。

え?これでもマシになった?前はもっとチリチリだった?

チリチリ・・・だめだ、想像しちゃいかん。笑いが・・・

話題を変えよう、そうしよう。


そのス〇ゾーみたいなのは?

付いて来たスライムがゲイザーと合体してこうなった?

スライザーってゆう新種? 何新種とか作ってんだよ(笑)

僕にだってわからないよって、まあそうだよな。

うん、そうゆうところがボブだよな。

なんだか嬉しくなる。



*** *** ボブ目線 *** ***



それから数日間

僕とカズラはきっと皆も来るだろうからと、ここで待たせてもらう事にしたんだ。

待つ間にアリアンさんとデュラハンさんから姐さんの話を聞かせて貰ったよ。

ドワーフやノームとは違う背の低い種族の姿だったんだって。

鏡で自分の姿みたら固まってたって・・・目に浮かぶよ(笑)

【マージーかー】って言いそうだと言ったら


「【マージーかーーー・・・】とおっしゃってましたよ。ふふふっ」


そうアリアンさんが教えてくれた。

カズラも やっぱりな て笑ってた。

ゲイザーやゾンビ達とガーデニングしたり、お菓子を作ったりもしてたって。

デュラハンさんはつまみ食いして怒られたって。

姐さんらしいとカズラは笑った。うん、僕もそう思う(笑)

そうして日々を過ごすある日。

いつものようにみんなでお茶を飲んでいたら


ドンッ!


てガラスに何かがぶつかったんだ。

なんだろうと駆け寄ったら犬みたいなゲイザーだった。

ゲイザーは僕達に何か訴えるようにグイグイと頭を押し付けてくる。

何が伝えたいんだろうと思ったら屋敷の前に広がる森の中で何かが・・・


「あれは・・・シカか?」


シカ?!


森へ視線を向けると・・・ピンクのフワフワ頭のミニマムが見える。

なにかに捕まってる?

僕は思わず走り出した。

シカだ!シカが居る!!

近づくにつれはっきりと見える。あれは・・・グール?

しかもうっすらと黒いオーラに包まれてる・・・

浸食グールだ!!!

シカ! その手を放して!!


「シカ! シカ!! 僕だよ! ボブだよ!」


叫んでも聞こえてないのか反応が無い・・・

もう少しで手が届く、そう思ったのに・・・

手を伸ばしてシカを捕まえられそうだったのに・・・


シュパッ


消えた・・・

嘘だ・・・

もう少しだったのに・・・


「シカーーーーーーーーーー!!」



*** *** カズラ目線 *** ***



「ボブ待て!」

そう言っても遅かった。

シカだと判った途端、ボブは勢いよく走りだした。

慌てて俺達も追いかける。

ボブの手がもう少しでシカに届きそうな時シカは消え

ボブの悲痛な叫びだけが残った・・・


「ボブ、一旦屋敷に戻って対策を考えよう」


放心状態に近いボブをデュラハンと一緒に引きずって帰る。

重いな、物理的にも心情的にも。


「シカの横に居たのは・・・グールか?」

「うん・・・浸食グールだと思う・・・」


突如消えるとかテレポだろうか。

だがグールがテレポ使うとか・・・あるのか?


「稀に変異種のグールがテレポーテーションを使う事があるらしい」


デュラハンが教えてくれた。

そうなるとやっかいだな。

何処に飛んで行ったのだろうか。

ハッ・・・犬っぽいゲイザーはシカの匂いを追え・・・ないよな。

犬じゃないし鼻なさそうだよな・・・

リーパーやグールたちに話をしてくるとデュラハンは出かけて行った。

眠れる気分ではなかったが、少し体を休めておくことにした。

ボブは項垂れたままだった。


次の日

デュラハンは戻っていた。

リーパーやグール・ゾンビなども探してくれると集まっていた。

全員で出かけてここを留守にしてもとゆう事でアリアンが残ってくれる事になり

俺とボブは西側を、デュラハンは昨日シカが居た辺りから北へ向けて。

東はリーパー、南はその他で探すことになった。

ボブは少し落ち着きを取り戻していたようだ。

西には地下洞窟やダンジョンもあるらしいので見落としが無いよう焦らずにしっかり探して行かないとだな。




【オマケのシカ目線】


うーん、手が離れない。

っていうか、だんだんとにじり寄ってこないで?

「ニヤァ」

いや、ニヤァじゃなくってさ・・・

10㎝離れれば 10㎝寄って来る。

「手 繋グ 嫌?」

「うん、嫌!」

「抱ッコニスル? オンブニスル? ソレトモ寝ルゥ?」

ちょっ、なんでそんなコント風に言うのよっ。

どれもいやだよっ!

もぉ解かったよ、手でいいよ!

スリスリスリッ

ひぃぃえぇぇぇっ! パコーンッ

誰が頬擦りしていいって言ったかなぁ、つい叩いちゃったよ。

何も効いてないみたいだけど。

はぁ、いつまでこの状態なのかぁ。

だーれーかーぁー。

って、ここ何処?・・・

ゲイザー犬「大変だー大変だ―」

  ズドドドドドッ

   ドドドッ

 ドーンッ ベチョ・・・ ズルズルズル

デュラハン「ゲイザーよ。そこはガラスだ・・・・」


読んで下さりありがとうございます。

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