57:ポス草原から海を越えて ~ボブ~
スヤスヤ ムニャ・・・ ペチッ ペチッ
うぅーん、なに?誰?
あ、スライムくんおはよう。もう朝なんだね。
そう言えば昨日どこいってたの?
え?仲良しさんが居る集落にあの3人組を運んできたの?
任せておいたら大丈夫だって?
そっか。ありがとう!
鳥さんの様子はどうかな?
あ・・・れ?・・・
鳥さんがお姉さんになってる! 獣人だったのかあ!!
( ・・・ )
うわあああ 何か羽織る物!! 鞄カバンかばんっ・・・あった!
タオルだけどいいよね! ぐるぐるぐるっ これでよしっ!
ちょっと熱があるかな・・・
川の水でタオルを濡らして額に乗せた。
どこか近くの集落に運んだ方がいいのかなぁ。
でもまた悪い人がいてもなぁ。
もう少しこのまま様子見た方がいいのかな・・・
丸一日が経って鳥のお姉さんは目を覚ました、よかった!
お姉さんは驚いてたけど事情を話すと安心してくれたよ。
お姉さんの話ではやっぱりあの3人組は悪い人で卵を盗もうとしたんだって!!
あの3人組もうょっと殴っておけばよかったかなあ。
あ、大きな鳥がこっちに向かって飛んでくる、誰だろう?
お姉さんのお友達かな?
うん、お姉さんのパートナーだって!
よかった無事だったんだね。
でもパートナーのお兄さんも怪我してる。
巻かないと! マミー印の包帯巻かないと! ぐるぐるぐるっ
ふぅ、これで安心だね!
これから二人はどうするの?
北の海を越えると氷の大地があって仲間の集落もあるからそこに行くって?
そっかそっか、氷の大地ならあまり人も来なさそうだから安心だよね。
僕? 僕はこのまま南下してニブルへ向かうよ!
友人をね、大事な仲間をさがしてるんだ!
え?虎の若者が同じようにニブルを目指してたって?
それ!! きっとカズラかイザだ!!
ふふふっ 皆考える事は同じだったんだ!
手掛かりが【ゲイザー】しかないもんね!
教えてくれてありがとう!
それから数日
お姉さん達の傷が癒えるまでは心配だったから一緒に居たよ。
お姉さん達は申し訳なさそうにしてたけど、こうゆう時はお互い様だよね。
ご飯だってダンジョン産のお肉や野菜もあるしコナの実だってあるし!
だから心配しなくていいんだよ、今はゆっくり傷を癒してねって言ったら泣かれちゃったよ。
今までよっぽど辛い目にあって来たのかなぁ。
更に数日後、お姉さん達の傷はすっかり癒えて元気になったよ!
もう大丈夫だよね、よかったぁ。
でもまた怪我をしたら心配だからマミー印の包帯を少し分けてあげたよ。
凄く喜んでくれた。
悪い人には気を付けてね。元気でね~!
お姉さん達を見送ってから僕も旅を再開したよ!
もうすぐ皆に逢えるかな?逢えるといいなあ。
再び海に向かって南にテクテク。
すごいなぁ、砂漠と違って何処まで行っても緑があるよ!
乾いた土の匂いじゃないんだよ?
瑞々しい草の匂いがするんだよ?
オアシスの皆にも体験させてあげたいなぁ。
そうか、色々な種を持って帰って僕がオアシスを緑いっぱいにすればいいのか。
いつかそう出来ればいいなぁと思ったら遠くにキラキラ光る物が見えた。
海だ!
やっと海についたよ!
ここを渡ればニブルに着くけどそこからどうしよう・・・
ゲイザーってすぐ見つけられるかな?
って、まずは海を渡らなきゃだよね。
僕泳げるかな?・・・
海を見ながら考えていると
ツンツンッ ツンツクツンッ
また何かに突かれた。 もお!今度は何?誰?
僕今考え事してて忙しいの!
って、あれ?スライムくん?
一緒に行きたい?
ニブルの方から呼ばれてる気がする?
えぇ? まさか誰かスライムになっちゃった?
って、目印がないから違うよね!
一緒に行くのはいいけど、どうやって海渡ろうか?
「乗っていくかい?」
そう声を掛けてくれたのはクジラさんだった!
いいの? 僕大きいからちょっと重たいかもしれないよ?
「なんだそんな事か、俺はクジラだぞ?ホラ 俺も大きいだろ?」
ザブンと浮き上がったクジラさんはちょっと
いや、かなり大きかった!
そっか、さっきは顔をちょっと出していただけなんだね!
じゃぁ遠慮なく。宜しくお願いします!!
よいしょっと。
クジラさんの背中にお邪魔して座れば・・・
うわぁぁ、どこまでもキラキラとして綺麗な海が僕の目に飛び込んで来た。
ススススゥ~ スイスイ バシャッ
わあ、イルカだよ!かわいいなぁ。
ウミガメだ!かわいいなあぁ。
う・・・わぁぁ
鮫だ・・・か、かわいいなあ・・・
スライムくんは手?でピチャピチャ水飛沫を飛ばして遊んでいる。
はしゃいでいる僕達を見てクジラさんはゆっくりと泳いでくれた。
途中に休憩所みたいな小島があって 寄ってみたよ!
ウミガメのおじいさんの薬屋や はんぎょ〇んのお土産屋
スキュラおばさんの駅弁屋? こっちは? お菓子屋さんだ!
見てるだけでも楽しいね!
ん?スライムくん それ欲しいの?
スライムくんが手に持ってるのはアップルパイだった。
へぇ、こっちの世界にもアップルパイがあるんだね。
クジラさんの分は、1こじゃたりなそうだから10個で僕達は1個づつの合計12個買った。
クジラさんは喜んでくれたよ。ふふっ
うん、皆で食べるとおいしいね!
「この焼き菓子はね
ニブルで古き良き友人と言われてる人がもたらしたらしいよ。
まだここらでしか知られてないニブルの名物になってるのさ」
ってお店の人が教えてくれた。
それってさ、きっと姐さんの事だよね!
なんだか嬉しくなった!
少しずつ再会の日が近づいてるような気がしたんだ。
後お土産屋さんで小さな珊瑚のピアスを2つ買った。
1つは淡いピンクのでシカ用、もう1つは真っ赤なピアスで姐さん用。
きっと2人に似合うと思うんだぁ、喜んでくれるといいなぁ。
お店の人が綺麗な貝殻に入れてリボンをつけてくれたよ!ありがとう!
それからまたクジラさんに乗せて貰ってドンブラコ・・・
違った、それだと桃になっちゃうよ。
スーイスイッて進んで無事ニブルの海岸に辿り着いたよ!
クジラさんとは此処でお別れ。
凄く助かっちゃった。 本当にどうもありがとう!!
今日はこのまま海岸で休んで明日は中心に向かってみようかな。
スライムくんがビロンと広がって自分をチョイチョイしてる。
座れって事かな? どっこいしょっと。
おおぉぉ、これは!
ヨ〇ボーみたいだ! 気持ちいぃ~ スヤァ
って駄目だよ!
まだスルーア除け設置して無いし、夕飯も食べてないよ!
でも動きたくなぁ~い。 グゥスピィ・・・
ハッ、危ない危ない。
僕は本格的になる前にモソモソと這い出した。
鞄から休憩所で買ったお弁当を取り出してスライムくんと食べた。
魚の串焼き、美味しい~! もぐもぐっ
食べ終わったら焚火を起こしてライトを発動させて、よぉしOKだね。
ふふふ、スライムくんお願いしまぁーす!
ぽよよんっ
やっぱり気持ちいぃ~ スヤァ グゥ・・・
読んで下さりありがとうございます。




