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35:ポス草原 名もなき島⑤ ~イザーク~

7F ラフレシアとスルーア。

ラフレシアは、あの植物のラフレシアまんまだ。

ただ違うのは 強烈な悪臭とウニョウニョ動く長い触手。

それが連なれば、何とも言えない光景である・・・


根?の様な物が地面に張り巡らされているので足のみ魔法で焼き払う。

すべてを焼き払っても良かったのだが以前の様な換気も出来ないし外にも避難できないので二酸化炭素中毒や酸欠になっても困る。

なので大人しく物理攻撃にする事にしたのだ。

この悪臭と早くおさらばしたかったのは皆同じだったらしく、あっさりと終わった。


8F ラミアの群れ

ゲームのよな上半身が可愛い女の子とかではない。

どちらかと言えばお色気タップリな?普通に鱗に覆われたお姉さんだ。

ラミアがchu!と投げISSをしてくる。

は??・・・


「気をつけろ、魅了スキル:誘惑だ!」


マジかよ・・・ってかあの発動モーション必要か?

幸い俺には効果が無かった。まあ俺は一途だからな!(ドヤ)

ライカにも効果は無かった。


が、弟と妹には効果絶大だった。

同性にも有効なのかよ。

二人はフワフワした感じで虚ろになっている。

漫画とかなら目がハートマークでもなっていそうだ。

これは・・・7Fでドロップした()()が役に立つかもしれない。

アレとは・・・ラフレシアの実。

ちょっと可愛そうかなとも思ったけど妹と弟に投げつけた。


ベチャッ ぷわ~んっ


何とも言えない異臭が漂った・・・

しまった、先にバンダナか何かで鼻を覆えばよかった。

本体よりもくせぇ・・・ 

ライカも涙目になっている。


「お前・・・使うなら先に言ってくれよ・・・」


ごめん・・・

妹弟もあまりの臭さに我に戻ったのはいいが鼻水交じりの涙目である。

なんならラミアもしかめっ面だ・・・


「くっさぁぁぁぁぁい、なんなのもぉ!」


ラミアが喋った。喋れるんだ・・・

7F同様 この悪臭から早々に逃げ出すべく皆全力で戦った。


「ぅにゃにゃにゃにゃにゃっ 臭いニャ臭いニャ臭いニャーーー」


バリバリバリバリッ


妹よ、猫になってないか?

誘惑さえなければどうと言う事も無く、戦闘はすぐに終わった。

が、さすがに匂いが服や鼻にこびりついてる気がして水魔法で洗い流した。


9F 翼竜

翼竜だと?!

なんでこんな洞窟に?

いやいや この世界に恐竜とか居るのかよ。

しかも真空波みたいなので攻撃してくる。

いやこれ翼竜ではなくモロにラ〇ンだろラド〇!

怪獣映画じゃあるまいし勘弁してくれよ。


「噂には聞いた事があったが・・・まさか自分が遭遇するとはな」


ライカも目を見開いている。

さてどうする。厄介なのはあの真空波か?

攻撃をよけながら考える。

こちらも攻撃はしているのだが、ウロチョロと飛び回るのでやっかいだ。

翼にダメージを与えて撃ち落とすか?・・・

確か・・・何かのゲームにあったよな。

真空だか竜巻だかを剣から撃ち放つスキルが・・・

思い出しながらイメージを浮かべる。


「伏せて!!!」


叫んでからスキル発動!

ぶわっと風圧が起きた後 翼竜の翼は見事なまでにボロボロになっていた。


「「「おぉー・・・」」」


後は攻撃を避けながら反撃をするだけだ。

飛んでいなければ、割と早めに終わった。

さて次は頂上だ、変なのが出なけりゃいいな・・・


10F

おいおいおい・・・


目の前に見えるのは俺達だった。

正確には 俺達の姿をしたドッペルゲンガーだ・・・

劣化版だといいんだが・・・


ドッゴォーンッ!


どうやらそうではないらしい。

ご丁寧に()()()()()()()()されているようだ。

いきなり俺のドッペがメテオを撃ってきやがった。

待て待て待て待て、俺はまだそこまで出しちゃいねえぞ?・・・


「お前そこまで潜在能力があるのかよ・・・」


ライカが冷や汗を流しながら言う。

そうは言うがカイルのドッペだって上位スキルを放ってくる。

スタンなんぞ喰らったらたまったもんじゃない。

妹弟のドッペも獣化して稼働速度も威力も上がっている。

唯一の救いは、ドッペの方は浸食されているので薄暗いオーラが出ていて見分けがつく事だ。

ゲームでは見分けが付かずやっかいだったからな。

見知った姿だからと躊躇すればこちらが危険に陥る。

こちらも範囲魔法をと撃てばライカのドッペがマジックシールドを張る。


「おいおい、俺はそれ使えねぇよ!」


ドッペが使えるのであればいずれはライカも使えるようになるだろうが、今はそれどころではない。

苦戦しながら俺は考えていた。

この手の厄介な相手にはどう戦っていた?

勿論ゲームでの話だが何かしらの突破口にはなるかもしれない。


そう言えば・・・

ドッペが魔法を使うのなら魔力という概念があるのだろうか。

俺達が魔法を使う場合 魔力管理をしないとガス欠を起こす。

試してみる価値はあるか・・・。


「俺が魔法を使い始めたら、一斉に攻撃に出てくれ・・・」

「何をする気だ?」

「上手くいくかは判らないが。あいつらの魔力を空にする・・・」


シールドだろうが獣化であろうがスキルを発動するには魔力を大なり小なり消費する。

スキルが使え無くなれば肉弾戦となりこちらが多少は有利になるハズ・・・


「行くよ!」


なんて事を考えつくのだとライカは言いながら身構えた。

相手の ドッペの魔力を吸い取るイメージ・・・


【吸引力の変わらない・・・】某メーカーの掃除機のCMが浮かんだ。


なんで今それが浮かぶ・・・

頭から掃除機を追い出して・・・

解り易く青で魔力の流れをイメージする。

スッと流れ込むような感覚と同時に体が熱くなった。

成功・・・か?

正面を見れば 健闘している3人の姿が見える。

1匹倒れ 2匹倒れ・・・ 3匹目まで確認して俺は倒れ込んだ。

魔力過多・・か・・・



「にぃに! にぃに!」


妹弟にゆすり起こされた。

終わったのか?・・・

皆無事か?・・・

風呂でのぼせたかのように気持ち悪い・・・


「大丈夫か?」


ライカが心配そうに覗き込む。


「終わった・・・?」


ああ、そう言ってポンポンと肩を叩かれた。

よかった・・・


「さあ帰るか!」


そうだね、帰ってゆっくり寝たい。

いやその前にゆっくり風呂に浸かりたい・・・

あ、その前にお腹すいたからご飯も食べたい。

いっそお風呂でご飯食べながら寝るか・・・

きっと俺は疲れすぎていたんだと思う、変な思考になっていた。


そう言えば俺のドッペは誰が倒したんだろう。

そんな事を考えながら俺達はノロノロと帰路に就いた。


帰宅した俺達はそのまま丸っと4日間眠った。

ちゃんと風呂にも入って飯も食ってから寝たと後で母さんに聞いた。

よかった、あの汗臭いままで寝たんじゃなくて。


お土産のドロップ品は皆で均等に分けた。

あのスポポンゼリーはばぁちゃんがとても喜んでいた。

ラフレシアの実は大量にあったので島の皆にも配った。

緊急事には役に立ってくれるだろう。


そして迎えた5年目。


成人を迎えた俺は旅の準備をする事にした。

が、その前に成人の儀式を受けなければならないらしい。

どんな儀式なのかとドキドキしたが、なんのことはなかった。

長老との飲み比べ・・・

いやいや、勘弁してくれ。

酒は好きだが強い訳ではないんだ。

しかもこの世界でまだ飲んだ事はないし。

え? マタタビ酒だから大丈夫?

いやそれ大丈夫じゃないだろ、マタタビの酒とか絶対酔いが回るの早いだろ。

ちょ、父さんも長老のじぃちゃんも飲むペースが速すぎだろう!


こうして俺はまた寝込む事になる。

二日酔いで寝込むとかグレンが居たら絶対にどやされる・・・


二日酔いから復活した後はライカとどこから行くか相談した。

ライカは元々冒険者だったから各大陸の特徴を教えてくれた。

それを聞いてニブルがいいんじゃないかと思った。

グレンの好きそうなダークゴシックのイメージがしたし、ゲイザーも多いと聞いたからだ。


そもそもな事だが、何故皆同じ場所ではなかったのか。

せめて近くに誕生させてくれてもよかったんじゃないだろうか。


ヒントがゲイザーと額の印だけってどうなんだ?とも思う。

だがヒントがそれだけって事なら 皆ゲイザーと言うキーワードに集まるだろう。

たぶん・・・

ボブやカズラは間違いなくゲイザーを探すだろう。


シカは?・・・

さすがに大丈夫・・・

だよな?・・・

大丈夫だと思おう。

読んで下さりありがとうございます。

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