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42:魔国での暮らし⑦ ~クイン~

魔国に辿り着いてから半年くらいが過ぎた。

のんびりと日々暮らしているから日にちの感覚があやふやになってるのよね。

シカさんのパン屋は大盛況で、見習いとして手解きを受けた人が他の町で新しくパン屋を開いてたりもする。

ボブはせっせと魔法を使いながら小麦畑を増やしていたりする。

私はと言うとイザやライガーと一緒に依頼された町へ行ってモンスターの討伐をしたり希望者に戦い方を教えたりしている。

とは言え私もイザもライガーも近前衛なので前衛の戦い方しか教えられないけども。

一応は弓も扱えるけど専門じゃないしね。

まぁ魔族の中には攻撃魔法が扱える人も居るからそこら辺の指導はグレンがやってるみたい。


グレ「儂が近接教えてもいいけどほら、儂ほぼ素手だから・・・」

イザ「あー、察し・・・」

クイ「ハハハ・・・」(汗)

ライ「さすがシショー・・・」

グレ「おかしいなぁ、元々サモナーだったはずなんだけどな」

バハ「だから申したではないか・・・」

デュ「本来サモナーたるもの指示だけでよい物を・・・」

リヴァ「主は真っ先に突っ込んで行くからな・・・」

バス「グレン殿の本来の性格故であろうなぁ」

グレ「ついね?」

クイ「いいんだよ、勝てりゃ・・・」

イザ「まぁグレンらしいけども」


夜になればこうやって魔王城で夕飯を食べながらその日の報告をしている。

今日の報告会には何故かバステト様も一緒にいたりするのよ。

まぁね? バハムート神とか自由気ままに具現しちゃってるしいいんだろうけどね。


バァンッ


突然扉が開いた。


ズラ「ね、ね、ねね、ねねね、姐さん大変だ!」

グレ「騒がしいねカズラ、どした?」

ズラ「あ、あ、ああああアリアンが!」

クイ「アリアンが?」

ズラ「子供産んだ!!!」

  「「「 ぶぅぅぅっ 」」」

デュ「行き成りだな?!」

グレ「マジかー!」

イザ「妊娠期間とかもあっただろ、気付かなかったのかよ!」

ズラ「まったく!!」

ライ「カズキやアイリスの時はどうだったんだよ」

ズラ「あの時は・・・

   やっぱり気が付いたら生まれてたな・・・」

グレ「ぶっ」

イザ「マジか!」

デュ「レイスだからか?」

クイ「何はともあれお祝いしなきゃ!!」

バハ「ではすぐ向かおうか」

バス「祝福をせねばな」

グレ「待て待て待て、産後すぐは休ませてやれ!」

クイ「そうよね、カズラさんここに来てる場合じゃないでしょ!

   ほらすぐ戻って子供の世話を!」

ズラ「落ち着くまで戻ってくるなとアイリスに追い出された・・・」

  「「「 ぶぅっ 」」」

ズラ「あ、ちなみに見た目はパンダなレイスの双子だった」

  「「「 えぇぇぇぇっ 」」」

グレ「新種誕生・・・」

クイ「わぁお・・・」


まだまだ驚く事はあるけれど、以前グレンが「気にしたら負けだ」と言っていた意味が分かった気がする。

このメンバーで居ると本当に何が起きるか解らないし、何が起きても不思議ではないんだよね・・・

そうなるともぅ「またか」と受け入れるしかないよね。


アン「かぁたん!他人事じゃないのニャ」

クイ「へ?どしたの?」

アン「なんかあたち、使い魔ってのに進化したニャ」

クイ「ぶっ」

マロ「おいら猫仙人ってのになってたのにゃ~」

クイ「えぇぇ・・・」

バス「ふむ、アンコはグレンの使い魔になったか。

   マロは恐らく癒しの肉球の影響であろう」

クイ「バステト様、まさか他の子達は進化したりしてないよね?」

マス「うむ、大丈夫だ心配ない」


よかった。

あまりにも突拍子もない存在になられても困るのよ・・・


その後ガッデムさんとも再開する事が出来た。

ガッデムさんはヴァルへ戻る途中でグレンが求人を出している事を知って魔国に来たそうだ。

ここだとレアな素材を手に入るし、住人達も無理難題を言うわけでも無く楽しく過ごせているようだ。

ご近所だった竜人達もドラグ島が故郷だったようで、時折遊びに来てくれる。

アンコの姿を見た時は我が事の様に喜んでくれ、これも魔王様のお陰だなとグレンは拝まれていた。

もっとも魔国の住人達はグレンのお陰で生活が向上したと感謝しているから、あちこちの町や村に魔王像が建っていたりする・・・

人気者は辛いね!なんてからかってた皆だったけど、実は皆の石像も建ってたりするのよね。

カズラなんかはパンダグッズがあちこちで大人気になってるとか知らないんだろうな・・・


ちょこ「かぁたん笑い事じゃないニャ」

ビビ「ピュイピュイのグッズも大人気だニャ」

クイ「へ?!」

コキ「魔王様がピュイピュイ可愛がって人形とか作ってたのにゃ」

クイ「ぶっ・・・」

タロ「おいらもうちの娘を貰ってくれとか言われたワン」

クイ「え?、いやいやまだ早いでしょ!」

チャイ「あたちも嫁に来ないか言われたのニャン」

カー「オラも言われたカァー」

クロ「おいらもぉー」

クイ「いやいや、嫁にも婿にもやらーんっ!」

  「「「 当たり前だニャワン かぁたんとずっと一緒だニャワン 」」」

グレ「まぁそのうちパートナー出来たらそれぞれ近所に家作ればいいだろ?」

クイ「ぅわぁ、急に現れないでもろて・・・」

グレ「すまんすまん、いや儂もニャンズに子が生まれたら養子に欲しいなと」

クイ「気が早いって!」

グレ「そうかな?ワンニャンなんてすぐだと思うが・・・

   で、クインとイザの子はいつになるよ? まだ?」

クイ「ぶぅぅぅぅっ」


イザが居なくてよかった・・・

相変わらずストレートだね・・・

まぁ、そのうちね? そのうち・・・成り行き任せで・・・


なぁんて話をしていた半年後。

私とシカちゃんは子供を産んだ。

妊娠期間が短いのは獣人や精霊の子供だから?・・・

私はイザそっくりな狼の子を3人?3匹?

シカちゃんがボブそっくりな男女の双子を。

それぞれの家庭でてんやわんやの育児生活となったけど、これはこれで楽しい。


シカ「子供達も年齢が近いから仲良くなるだろうね」

イザ「賑やかになっていいんじゃないか?」

ズラ「でもなぁ、ボブシカで育児とか大丈夫か?」

サン「俺が付いてるから大丈夫だよカズラおじさん」

ズラ「なら安心か」

シカ「えー、それどうゆうことぉ?! 私だって育児はちゃんと出来るもん!」

ボブ「そうだよ、僕だって居るんだし!」

グレ「見な育児初心者じゃないんだし大丈夫だろ?」

クイ「私とイザは初めての育児・・・」

ニャ「そこはあたちとちゃーちゃんにかませるのニャ!」

ちゃ「心配ないのにゃー!」

イザ「育児経験者いたわ・・・」

クイ「頼りにしてるね」

タロ「僕がお兄ちゃんだよね!僕も落ち美たちと遊ぶワン!」


そうだね、頼もしい仲間がいるもんね。

初めは巻き込まれて異世界に来るし行き成り雪原に放り出されるしで戸惑ったりもしたけれど。

皆が一緒で良かったと思う。

1人ぼっちだったらどうなってただろうね・・・

色々と交渉して見守ってくれてるアヌビス様やバステト様、トト様やラー神に感謝だね。

これからも皆と仲良くのんびりと過ごして行ければいいなと思った。


読んで下さりありがとうございます。

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