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37:魔国での暮らし② ~シカ~

ギィィィィ


重い扉を開けるとそこには

ででーん!と馬頭が鎮座していたよ。一瞬石像かと思ってしまった。

ぱっと見は逞しくて毛並みにの綺麗な馬(顔だけ)

なんだけど・・・なんだけど何故に褌? ここでも褌? 思わず凝視しちゃったよ。

私の視線に気が付いた馬頭はチラッと自分の視線を下げて何やら納得したようにうんうんと頷いた後ドヤァ!みたいな感じで仁王立ちになって鼻息をフンスとさせた。何故に?

そしてこちらも何を思ったのかカズラがマッチョポーズを構える。

ボブはおもむろにズボンを脱いでドヤァ!て仁王立ちになって、イザはこめかみをグリグリしながらため息をついてた。

いったい何をしているんだろう?私には理解が出来ない、いやしたくもないけどもっ。


互いに見つめ合う事30秒 

どちらからともなくガッチリと手を組み肩をポンポン叩き合っている。

お互いの健闘を称えるみたいな?・・


ズラ「男は黙って筋肉で語り合うんだ」


はい?・・・

語り合ってどうするのよ!解り合うんじゃないわよ!

ここダンジョン!!その馬頭BOSS!!

私達今から戦うんだよね?何筋肉仲間です褌仲間ですみたいな雰囲気になってるのかなぁ?

どうするのこれ。


ズラ「て事で相撲で勝負する事になった」

クイ「んん?・・・」

シカ「はいぃ?」

ボブ「馬頭さんがね、褌仲間で筋肉仲間だから穏便に戦おうって!」


穏便に戦うってなに?・・・

もぉ意味わかんない!本当に 心底意味解んなーい!!

普通 BOSSだ!戦闘だ!討伐だ!ってなるんじゃないのぉ?


イザ「シカ 深く考えたら負けだと思う・・・」

シカ「えぇぇ・・・」

イザ「そもそもお前が馬頭の股間見つめるから・・・」

シカ「股間?! ち・・・ちがっ!褌見てただけだよぉ」

イザ「同じ事だろ。馬頭がドヤ顔した時点で・・・」

シカ「あー・・・」(シロメ)


という訳で(どうゆう訳なんだか)相撲対決する事になった。

馬頭のリクエストでこちらの代表はイザになった。なんでだろうと思ったら


ズラ「イザの隠れた筋肉に触れてみたいんだとよ」


・・・

馬頭さんBLですか? まぁ・・・イザ頑張って?

イザはちょっとひきつった表情になって フンムゥ! と変化し一回り大きな二足歩行の狼になった。

おお~獣人化だぁ♪ いやいつも耳としっぽはある獣人なんだけども。

これはイザも本気ですなぁ。


ボブ「イザも本気になるよね、お尻の危機だもんね!」

クイ「え?」

シカ「へ?!」

ズラ「馬頭が勝ったらイザに一晩の夜伽を務めろと・・・」

クイ「ぶふっ」

シカ「おぉぅ・・・」

ズラ「イザが勝ったら秘剣くれるそうだ」

シカ「マジでぇ?!」

クイ「イザ、頑張れ・・・」


うん、それはひきつった顔にもなるよねイザ。

そっか馬頭はBLなんだね? いやもしかして馬頭は雌? 

そんな訳ないか褌がモコッてなってるもんね?モコッ?

気が付かなかった事にしよう・・・

ってゆうかね?

何度も言ってる気がするけどいいのこれで?

ダンジョンだよ?BOSS戦だよ?大丈夫なのホントにこんなので。


 『他の冒険者には()()()()襲い掛かるから無問題(モーマンタイ)!』


そ・・・そっかぁ。馬頭が無問題ってゆうならいいのかな?いいって事にしておこう。

気にしたら負け深く考えたら負け・・・


結果イザは勝った。そりゃそうよね。お尻の危機だもんね…必死になるよね。

馬頭はかなり残念そうな顔になってるけけども。

でもかなりの接戦でいい勝負だったから満足したみたい。

秘剣をイザに渡すとすこぶるいい笑顔で消えて行ったので、これでクリアしたって事になるのかな?


かなり強くて怖いBOSSなんじゃなかったっけ?・・・

ある意味怖いのかもだけど。

まぁいいや、一応クリア?だし!秘剣もGetしたし!さぁ帰ろうか!!

このハーネスも外して欲しいのよ!(切実)



帰宅後は夕食の準備に取り掛かる。

なんだか大量にパンがあるし、イザの健闘を労うって事で皆で一緒に食べる事にした。

サンドウィッチにアヒージョにブルスケッタにお肉の串焼き。

ちょっと野菜が少なかったかな?とも思ったんだけどまぁいいかな?

明日は野菜多めにしよう。

だってパンが大量にあるから消費しないとだしね!

なんであんなに大量にあるんだろう?私作り過ぎちゃったかな?無意識に・・・

モグモグッ


あ!


シカ「すとぉーーっぷ!!食べないで戻して吐いて!」

  「「「 えぇぇぇ? 」」」

ボブ「どゆこと?!」

イザ「なんだ?毒でも入ってんのか?」

ズラ「戻すのはまだしも吐くのかよ」

クイ「吐くのはちょっと駄目なんじゃないかしら?」

シカ「いや・・・あの・・・ね?

   パンの在庫が多いなぁーと思ってこのメニューにしたんだけどさ・・・」

ボブ「うん?」

シカ「そりゃ多いハズだよねぇ、それ姐さんに頼まれてた分だった・・・」

ズラ「ぐほっ ゲホッゲホッ お・・おまっ・・・」

クイ「ちょ、えぇぇ・・・」

イザ「グレンのかよ・・・」

ボブ「なんで姐さんの分出しちゃったのさぁー!!」

シカ「つい・・・ね? 忘れてて・・・ね?」


私を含め皆の頭に 死 の一文字がよぎった。


ズラ「シカ 食い終わったらお前必死に作れ休まず作れ!」

イザ「バレる前に作れ多めに作れたっぷり作れ!」

ボブ「出来上がったらすぐ渡して!忘れる前に!」

シカ「い・・・言われなくても・・・」

クイ「凄く楽しみにしてたからバレたらヤバイわよ・・・

   私も手伝うから!」

シカ「ありがとぉ~」


すっかり遅くなっちゃったし、これはもぉシュークリームとかプリンとか姐さんの好きなおやつも一緒に渡して許してもらおう(汗)

姐さんがしばらくパンの事を思い出しませんように!




頑張れ私のか細い腕!耐えるのよ!

朝からクインさんと私はずっとパン生地をこねて形成して鉄板に乗せ続けている。

昨夜作ったんじゃないかって?

ふふふ・・・作ったわよ?そりゃもぉたっぷりと!でもね・・・でもね。

聞いちゃう?

焼きあがったパンを取り出した時にね、躓いちゃってね?


コケッ  あっ!

ちょうど飲み物を取りに来ていたカズラの頭にね?

じゅぅ~って音がしてね? 

鉄板がね?・・・ 

カズラの頭にね?


   『○▼※△☆▲※◎★●!!』


声にならないカズラの悲鳴が響き渡ってね?

それはそれはもぉ見事なカッパ禿にね?

火傷にはなってないんだけど毛だけがね?・・・

ひたすら土下座で謝ったんだけど、なんでかなぁ。

頭頂部に毛が3ぼんだけ残ってたのよ。

それがもぉおかしくってさぁ、つい笑っちゃうじゃない?

あ、我慢はしたよ?したんだけど肩がプルプルしちゃうじゃない?

チラッとクインさん見たらクインさんの肩もプルプルしてるしさぁ。

しかも悲鳴で駆けつけたイザとボブが思い切り吹き出すしさぁ。

我慢にも限界があるのよ?耐えきれずに吹き出すじゃない?

それからまた延々と怒られてね?

確かに私が悪いんだけど・・・

まさか頭に鉄板がじゅぅーとかなるって思わないじゃん!

ましてや禿げるとか思わないじゃん!

しかも毛が3本残るとか! 思い出したら笑いが・・・ぷくくくっ

ゲフンゲフンッ


焼きあがったパンは床に散乱するし カズラには説教されるしで 

今焼き直してる真っ最中なのよ(汗)

ほーんとなんでこんな事になったんだろう不思議よねぇ~。


ズラ「シカ!またボケ~としてんじゃねぇよ!

   次やらかしてみろ。尻ペンの刑だからな!!」

シカ「わざとじゃないもぉん!」

ズラ「わざとだったら張り倒してるわ!!」

ボブ「まぁまぁカズラ落ち着いて!()()()()()()よかったじゃないか」

ズラ「()()()()けどな!」

シカ「上手い事言うねぇ~」

ズラ「お前は少し反省しろよ!」

ボブ「カズラ落ち着いてー。イライラすると禿げるよ?」

ズラ「もぉ禿とるわ!」

シカ「ぶふっw」

ズラ「シカー!」

イザ「しかしなんで毎回被害者カズラなんだろうなぁ」

ズラ「俺が聞きてぇよ!」


シカは窯に近寄るなと言われたので窯入れと窯出しはボブとクインさんがやってくれている。

いつもは大丈夫なんだけどなぁ。

そんな事を考えながらパンの形成をしてたもんだから

私の手元には カッパ禿のパンダの形をしたパンが・・・

うん、見なかった事にしよう。バレない内に潰してしまえ!ぐしゃぐしゃ!

読んで下さりありがとうございます。

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