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36:魔国での暮らし① ~シカ~

本格的に魔国での暮らしが始まり、庭や畑の手入れに奮闘する日々。

やっと、やっとのんびり姐さんとも一緒になれた訳なんだけど・・・


 フンッ  フンッ  フンッ


深夜になると聞こえてくるこの声。なんなんだろう?

気にしないようにしていたんだけど、やっぱり気になるのよね。

今日こそはその正体を確かめようと決意してボブと一緒にそっと家から出て声がする方へと向かってみる。

まさかモンスターとかじゃないよね?

姐さんは町中とか居住区には出ないと言ってたけど不安になる。


   ぽんっ


「ひっ・・・」


肩を叩かれて出そうになった悲鳴をなんとか飲み込んだ。

振り返ればイザとクインさんが立っていた。

ほっとしたけど心臓が口から飛び出るかと思ったじゃん!


シカ(イザ達もこの声が気になったの?)

イザ(ボブシカもか)

ボブ(うんうん)


そのまま進むとどうやらカズラ達の家の前から聞こえてくるみたいで3人で顔を見合わせた。


シカ(まさかカズラが変な事してるとかじゃないよね?)

イザ(変な事ってなんだよ!)

シカ(ほら、新婚だし色々とあるじゃない?)

イザ(さすがにフンフンはいわねぇだろ!)

アリ(さすがに近所迷惑になるような声は出しませんね・・・)

ボブ(うぁっ、アリアン?!)

クイ(あれカズラさんが居ない)

シカ(って事はまさか?・・・)


皆でそっとカズラの家の前を覗いてみれば・・・

鏡の前でポージング取ってるカズラが居た・・・

庭先に鏡置いてなにやってるのよ(汗)


シカ「カズラ・・・」

ボブ「なにしてるの?!」

イザ「マッスルパンダ?・・・」

ズラ「・・・

   いやぁぁぁぁぁ!見ないで!」


見ないでって言われても、もぉ見ちゃったし!

夜中にフンフン 怖いわ!!


ズラ「いや最近こうお腹がちょっと気になってきたし?

   少し鍛えようかなって思ってさ・・・」

イザ「だからって深夜にやるなよ!」

シカ「毎晩フンフン聞こえて気になって寝付けないんだからね!」

ズラ「そんなに聞こえてた?」

ボブ「うん!!」

イザ「せめて声ださないようにやってくれよ」

ズラ「いや声出るんだって・・・シカやってみ?出るから」


て事で私も腹筋をやってみる事になった。夜中になにさせるのよ!


フンッ ぐにゅにゅにゅにゅっ ふにゅぅー


なんか変な声でた・・・


ズラ「おまっ なんつー声出すんだよ!」

イザ「ぐにゅにゅってなんだよ!」

ボブ「シカはどんな声でも可愛いよ!」

シカ「仕方ないじゃん!出ちゃったんだもん!

   イザだって出るからやってみてよぉ!」


イザにやらせれば普通に フンッ だけだった・・・

じゃぁボブは?と思ったらボブも フンッ だった。

じゃ、じゃぁアリアンとクインさんは?・・・

と期待してみたけどやっぱり「ふんっ」だった。

えぇ~、私だけ?・・・


イザ「腹筋とかは解るけどなんで鏡の前でポージングしてたんだ?」

ズラ「なんとなく?・・・」


なんとなくって何よ!とは思ったけどひとまず声の正体が解ったので安心して寝る事にした。

まったく人騒がせなんだからカズラは。



翌日は姐さんに教えて貰ったダンジョンに行ってみた。

庭や畑ばかりだと飽きるだろうし、ちょっと変わったダンジョンだから言ってみろと言われたのよね。

ちょっと変わったダンジョンてなんだろう。ドキドキ


ワンフロアしかないDでミノさんしか出ないっぽいんだけどBOSSが強いみたい。

ミノさんの馬バージョン馬頭めずみたいなのが出るらしいのよねぇ。

強い分いいドロップが出るんじゃないかと期待♪

ミノさんは火属性だからイザが先頭で進む事に。


クイ「あら、今日はシカちゃん可愛いの付けてるのね」

ズラ「シカ なんでDに来るのにお洒落してんだ?」

シカ「ふぇ? 別にお洒落してないよぉ?」

ボブ「可愛い大きなリボンつけてるよね?」

シカ「つけてないよ?」

イザ「いやついてる・・・」

シカ「???」


そっと頭に手をやってみる。嫌な予感しかしないけどもっ!

ピタッ

なんだろう生暖かくて薄い・・・膜? 

いやうっすら毛が生えてるような?産毛みたいなのが・・・

なにこれ・・・


シカ「ボ・・・ボボボ  ボブ。ちょっと見てくれない?」

ボブ「わかった! うわぁ濃いピンクで可愛い・・・くないっ!! 」


バシッとボブにはたかれて頭がぐわんぐわんなった。


ボブ「あ、ごめんシカ! リボンじゃなかった!蝙蝠だった!」

シカ「こう・・もり?・・・うぎゃぁぁぁぁ」


いーーーやぁーーーーーー!蝙蝠! 

濃いピンクの蝙蝠?!気持ち悪いー!!

咄嗟に走り出しそうになってイザに腕を掴まれた。


イザ「シーーーーカーーーーーー?」


あ、なんか眉間がピクピクしてるよね?怒ってるよねこれ・・・


シカ「ご・・・ごめしゃい・・・」

イザ「この前も言ったばかりだろ!」

シカ「あぃ・・・」

イザ「ボブ!装着!!」

ボブ「任せて!」

シカ「ふぇ・・・」


ガチャリ キュッ


ボブにハーネスを付けられた・・・

ハーネス要るかなぁ?

無くてもよくない?大丈夫じゃない?って言えない自分が悲しい。

取り敢えずこのまま進む事になった。


さっきの蝙蝠はどうやらドレインアリィと言うらしい。

つまりは吸血蝙蝠って事よね?

私 血 吸われてないよね? 頭を触って確認してみる。

ほっ、よかった大丈夫みたい。


その後は順調に進んだ。

イザとカズラがミノさん担当でボブとクインさんがドレインアリィ担当。

私はキンキラコンコラ担当。

途中カズラの頭に蝙蝠の糞がペチョって落ちたのでコンコラで消毒しておいた。蝙蝠の糞は細菌の温床って誰かが言ってた気がする、知らんけど。


道が迷路になってるのでちょっと迷ったけどなんとかBOSS部屋に到着。

いざBOSSとごたーいめーん!て思ったら扉が開かなかった。

ギミックどこかなぁと思ったら目の前にあったよ・・・

あの青い水晶みたいな玉を取ればいいのかな?押すのかな?

とはいえ誰も届きそうにないのでブレーメンよろしく下からカズラ⇒ボブ⇒私で・・・

クインさんとイザは微妙な位置調整の支持を出すことになった。


イザ「もちっと右、右。ああ行き過ぎ戻って。そうそう。ちょっと後ろかな」

クイ「行き過ぎ行き過ぎ、微調整で!」


フラフラと揺れる・・・安定感ないなぁ、筋トレしてたんじゃないのカズラ・・・


シカ「もう少し押し上げて!届かないー!」


やっと手が届きそうになった時 にゅんっ!と恐竜の顔が出て来た!

半透明?!幽霊?!恐竜の幽霊なの?! ヒィィィ いやぁぁぁぁぁ


ズラ「うわっ、いきなり動くんじゃねぇよ!」

イザ「あっぶねぇなぁ」

ボブ「ちょ、シカ!あぶないから!」

シカ「きょ・・・きょう・・・はんと・・・ひぃ!」

ズラ「あんだってぇ?!」

クイ「シカちゃん落ち着いて!」

ボブ「何言ってるのかわからないよ!」

イザ「カズラの腰限界来る前に早く取ってやれよシカ!」

シカ「だって・・・うぅ・・・頑張る・・・」

ボブ「カズラもうちょっと頑張って!」

シカ「ボブ!私にはぁ~?」

ズラ「いいから はよせぇ!」


な、なんとか取れたよ!ゼェハァ

で?これどうするんだろう。


イザ「扉にくぼみがあるな」

ボブ「ここにはめればいいのかな?」


なるほどぉ、はめてみよう。

ガチャと鍵の開く音が聞こえた。やったー!!


読んで下さりありがとうございます。

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