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34:海を渡っていざ魔国へ③ ~シカ~

船に乗り込んですぐに私は降ろして貰った。


シカ「まさか私まで光るとは思わなかったよぉ」

ボブ「ビックリしたよ。魔法使うなら先に言っておいて欲しかったな!」

シカ「ごめんね」

ボブ「とにかく出航したらイザとカズラに相談しよう」

オル「まったく老体に無理させおってからに・・・」ゼェゼェ

サラ「いつもヒールをすると光るの?」

シカ「初めて光ったんだよぉ・・・」

クイ「まぁ皆の怪我が治ったのはよかったんだけど」

ボブ「取り合えず部屋に移動して少し休もうよ、疲れちゃった」

オル「そうさせてもらおうかな」


皆で船室へと移動する。

これは怒られるんだろうなぁ。

でもあのまま放っておけなかったし、ましてや光るなんて思わなかったんもん。

あのままヒールしなくて死んだ人出たりしても嫌だし・・・

なんて思いながら歩いたのがいけなかったのか。

私は何かに躓いてズベッと盛大にこけた。

コンッ

コンッてなに?

私何かにぶつかった? 

いや私は膝を少し擦りむいただけでそんなに痛くはない。

じゃぁあのコンッて音は?

視線を前に向けると・・・うずくまったボブがいた・・・

あれ?どうしたんだろう?


シカ「ボブ?どうしたの?何かあったの?大丈夫?」

ボブ「ぅ・・・くっ・・・ぅぅ・・・」


目を白黒させているのでこれはマズイのではと思い急いでイザを呼びに行った。


シカ「イザーーー!イザイザイザイザ!ボブが白黒になった!」

イザ「は?」

ズラ「落ち着け、何言ってんだか解んねぇ」

シカ「だからっ! ずべぇてなってゴンてなって白黒!」

イザ「???」

ズラ「こけてぶつけて・・・白黒? パンダか?」

イザ「取り合えずボブんトコ行ってみるか」


ボブが心配でイザの手を引っ張って私は走り出した。

後ろからカズラも付いて来る。

大丈夫かなぁボブ待っててね、今イザ連れて行くからね!


戻ってくればボブはまだうずくまっていた。


シカ「ボブ!」 ずべちゃーっ!ゴツンッ


またつまずいてスライディングした・・・

ゴツンッてなによと思ってたらひょいっとイザに抱えられた。

え?なんで??


イザ「シカは歩く凶器かっ!」

シカ 「へ?」


周りを見渡すとカズラがいじけてた。なんで?どうしたの?

あ、タンコブ出来てる。痛そうだねカズラ。


イザ「お前はもぉ走るな!ちゃんと足元を見て歩け!!」

シカ「なんでぇ? 穴には落ちてないよ?」

イザ「この惨状を見てみろよ・・・」

シカ「ボブがうずくまっててカズラがいじけてるよね?」

イザ「その原因がシカだ」

シカ「ふぇ?なんでぇ?」

イザ「そこのモップ!たぶんコンて音はあのモップがボブの股間にメガヒット!

   んでそこのバケツ!シカがこけた時飛んでカズラの頭にコンてあたった!」

シカ「おぉぅ・・・」


そうだったんだ・・・ごめんよぉボブ(汗)

モップの柄がメガヒットとか痛いよねぇ 。

カズラもごめんね?ハゲたトコにタンコブとか弱り目に祟り目・・・


ズラ「なんで俺ばっかり・・・」

シカ「わざとじゃないんだよぉ?ごめんよぉ」

ズラ「もぉシカはベビーカーに乗せるとかでいいんじゃないか?」

イザ「あー、それでもいいかもな」

シカ「えー、さすがにそれはいやだよぉ!」


取り敢えずカズラのタンコブにキンキラを掛けておく。

キンキラ!

うん、光らないよね?大丈夫よね?おかしいなぁ。

ボブにもキンキラしておこう。

キンキラ!

これでOK! じゃないね?まだうずくまってる・・・


イザ「シカには解んねぇだろ・・・」

ズラ「あの痛みはしばらくおさまらん・・・」

ボブ「うぐぅ・・・」


ボブが立ち直るのを待つ間に船は出航させた。

それからイザとカズラに先程の出来事を話す。


イザ「シカが光ったぁ?」

ズラ「ぅわぁ・・・マジか」

ボブ「うっすらとかじゃないんだよ!ペカーッて!!」

シカ「アハハ・・・なんでだろうねぇ」(シロメ)

イザ「サラ達や子供達を助ける為とはいえ、まいったな」

ズラ「あれかな、複数だから範囲回復扱いで光ったのか?」

イザ「あー・・・ありえるな」

ズラ「ステータスに何か変化は?」

シカ「ハッ! 見て見るね」


すてーたすおーぷぅーん!


 職業:聖女 種族:ノーム 年齢不詳

  LV48/100 HP1800/1800 MP2500/2800

 【スキル】

  キンキラLV6/10:外傷と体力の回復

  コンコラLV4/10:状態異常の解除

  キンコラLV3/5:光属性の攻撃魔法。小さな光の玉でダメージ(小)

  コンキラLV2/5:光属性の攻撃魔法 前方扇型範囲攻撃でダメージ(中)

  キンキラコンコラLV5/6:ランダムで補助魔法バフを付与する。

  【特殊スキル】

   鑑定:対象物の詳細を確認する事ができる

           但し自分よりLVが上の人物は対象外

   聖女の慈愛:温かく優しい光のオーラ。スキルの範囲を広げ効果も上がる。

        ※LVUPにてスキルは増える予定

         また一定Vに達すると進化するかもしれない


なにこの聖女の慈愛って?! 

効果が上がるのはありがたいけど光らなくてもよくない?!


シカ「聖女の慈愛ってのが・・・増えてた・・・」

ボブ「シカの愛は僕だけの愛なのに!!」

ズラ「落ち着けボブ・・・」

イザ「その聖女の慈愛ってのが発動すると光るって事か」

シカ「みたい・・・」


これは姐さんにも隠さず話した方がいいって事になり連絡をした。


グレ「サラ達の為にやった事だから今回はまぁ仕方が無かったとしてもだ。

   以後気を付ける様に!

   魔王城に着くまではくれぐれも!面倒でも!

   単体ヒールのみにするように!!」

シカ「あぃ・・・」

グレ「それでだな。

   お前等家はちゃんと持ってるか?」

シカ「勿論! ボブが収納したはず」

ボブ「え?僕してないよ?」

シカ「え? じゃぁカズラ?」

ズラ「俺も収納してないぞ」

シカ「えぇぇ、てっきりボブが収納したのかと」

イザ「誰も収納してないって事かよ!」

グレ「まぁそうだろうな、マグリトの北に家残ってるって連絡あったぞ」

ズラ「マジか・・・」

グレ「儂が取りに行ってみたんだがセキュリティの関係で回収出来んかった」

ボブ「と言う事は?・・・」

シカ「もう1回マグリド?・・・」

イザ「取り合えず今夜はこのまま船で休むか・・・」

ズラ「だな、さすがに疲れた」


夕飯はニャーたんとちゃーちゃんが作ってくれた具だくさんのすいとんだった。

生姜が利いてて美味しかった~。


翌日、家の回収だけだから港には入らず家の近くの海岸付近に船を止めた。

家の回収だけしてすぐに立ち去るつもりだったのに、町の方が騒がしくてアチコチに煙が立ち上ってるんだよね。

何かあったのかな・・・

シカ「ねぇねぇ・・・」

イザ「気になるってんだろ?」

ズラ「そりゃあれだけ煙が上がってりゃなぁ」

ボブ「僕が見て来るよ! ほら姿消して行けばいいし」

イザ「じゃぁ頼んだ。気を付けて行けよ」

ボブ「うん!」


5分くらいでボブは戻って来たけど顔色が悪かった。


ボブ「大変だよ!ガルドの貴族が暴れてる!」

イザ「またガルドかよ・・・」

クイ「なんだってまたこんな場所で暴れてるんだろうね」

ズラ「まさかシカが光った事と関係が?」

シカ「えぇぇ・・・」

クイ「でもそれにしては早すぎない?

   まだガルドどころかボルケーノにも噂は流れてないと思うけど」

ボブ「雪兎のお姉さんが狙われてて、渡せ渡さないで揉めて暴れてるみたい」

シカ「まさかまた変態?!」

ボブ「変態の方がマシだよ!剥製にするからって!僕殴ろうかと思ったよ!」

  「「「 はぁ?! 」」」

クイ「獣人を剥製って・・・」

イザ「同族として許せないな」

ズラ「やっちまうか?」

シカ「姐さんに怒られないかな・・・」

グレ「やっちまえ!」

  「「「 ぶっ 」」」

グレ「その前に今度こそ忘れ物がないかよーく確認しろ。

   んでガルドの阿呆共ぶっ飛ばしたら即出航しろ」

ボブ「いいの?」

グレ「儂がやってもいいけど、儂だとたぶん怒りに任せて加減がね?」

イザ「なるほど、解かった」


と言う事で、忘れ物は無いかよぉ~く確認した。

私達だけで行こうかと思ったのにニャンズやオルガさん達ドワーフも行くと言い出した。

多すぎじゃない?と思ったけど、ガルドの貴族も大所帯だったらしいから大丈夫かな。



読んで下さりありがとうございます。

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