32:海を渡っていざ魔国へ① ~シカ~
季節もいよいよ夏本番となりました。
輝く太陽 白い雲 青い海!
皆さん水分補給はしっかりと!熱中症には気を付けてね!
私も勿論気を付けるから!
って呑気にしてる場合じゃなかったりするのよねぇ。
おかしいなぁ。なんでこうなったかなぁ。
えー・・・どうも毎度おなじみやらかしシカさんです・・・
マグリドで最後の買い出しをしたり、港で船を出して点検したりと準備をしている間にね?
つい日差しが気持ち良くて転寝しちゃったのよ・・・
で、気が付いたら空を飛んでるんだけどなんで?
確か前にもこんな事あったよねー。
あの時は迷子だと思われてロックバードに保護?されて崖の上の巣に運ばれてコングに助けられて・・・
今回は何処に運ばれるんだろう。
シカ「もしもしロックバードさん?何処いくのかな?」
あ、今話しかけたら駄目じゃない?私くちばしに咥えられてるよね?
シカ「やっぱり今は答えなくていいですぅぅぅぅ!」
鳥 『キィエェェェェェ!』
遅かった・・・
くちばしから離れた私は綺麗に落下していきパクッと何かに飲み込まれた。
何かって何?・・・
真っ暗で何も見えないし怖いので取り合えず明かりを点けた。
フフフ私だってライトの魔法くらいは使えるのよ!
取り敢えず状況の確認しないとね? そう思いゆっくりと足元を確認しながら進んで行く。
天井から何かがブラブラと垂れ下がっているのを発見。
なんだろうこれと思い条件反射的にグイッと引っ張ってみた。
ぶ・・・ぶ・・・・
ぶ?・・・なんか嫌な予感が・・・
ぶぉえぇぇぇぇぇっ
すっぱい匂いがする変な液体が津波の様にやってきて私は流されていった。
くちゃい・・・
そのまま外に押し出されたので脱出成功?よかったぁ。
いやよくはない!ここ海よね?
ちらっと見えたのは涙目になってる化け鯨の姿だった。
なるほど私は化け鯨に飲み込まれていたのね。
きっとあのブラブラは引っ張ったら駄目な奴だったんだろうな、涙目になってるもんね。
ごめんよぉ~。
と言うかここからどうしよう。私は泳ぎがそんなに得意ではないし。
ちかくに船とかも見当たらないし、困ったなぁ。
そうだ!こんな時こそバングル通信よね!
シカ「テステス! だーれかー!! こちらシカさん只今海を漂い中」
ボブ「シカーーーーー!」
よかった今回はちゃんと通じた!
シカ「ボーブーーーー!!助けてー!」
ボブ「今行くよ! ってシカ何処にいるの?」
シカ「海・・・」
ボブ「海の何処?!」
シカ「わかんない・・・」
ボブ「・・・」
どうやら必殺ボブコールはあまりにも離れ過ぎていると使えないらしい、だめじゃん。
そうだ、さっきのロックバード!まだ近くにいたりしないかな?
このまま海中にいるよりはいい気がする!
シカ 「鳥さーん! ロックバードさーん!たーすーけーてー!」
残念ながらロックバードはもういないらしい・・・
これなら化け鯨の中の方が良かったんじゃないかなぁ、ツンツンするんじゃなかったなぁ。
バサッバサッ ひょいっ
シカ「ロックバードさん?!」
泣きそうな私を掴んだのはさっきの鳥ロックバードだった!
救いの神キタコレー!なんて喜んだんだけど
ンギャンギャ アギャギャギャ
なんかお説教喰らってる気がするのはきっと気のせいじゃない気がする・・・
はい、すんまそん ごめんなさい 大人しくしてます。
なんとなく嘴で掴んでる時に話しかけるなと言われた気がしたので素直に謝っておいた(汗)
あ、ボブにも報告しとかないと。
シカ「ボブー。今ロックバードさんに救出されて空飛んでる!」
ボブ「えぇぇ・・・」
ズラ「そのまま大人しく運ばれてろ!」
イザ「どっか巣に到着したら場所教えてくれ」
シカ「わかった!大人しくしておく」
まったくお前はー!ってカズラの声が聞こえた気がしたけど気にしないでおこう。
私だって好きでこんな状況になった訳じゃないもん!
ちょっとウトウトしたらこうなってたんだもん!
私のせいじゃない!ハズ・・・たぶん・・・きっと・・・
しばらく飛んだ後 私はロックバードの巣らしきものに降ろされた。
やっぱり崖の上だったから下は見ないようにしながらも周囲の確認をしてみれば・・・
何処此処・・・
砂漠では無いからもしかして魔国に来ちゃったのかな?
マジでぇ?・・・
シカ「こちらシカ。無事ロックバードの巣に到着!たぶん魔国っぽい」
ボブ「僕達も今出航したから!」
ズラ「魔国ってざっくりだなおい」
イザ「他に目印ないのか?」
シカ「なにもないっぽい?海も見えないかも」
ズラ「どうしろってんだよ」
イザ「まあ魔国に着いたら連絡いれる」
ボブ「いいシカ?絶対動かないでね!」
動かないよ、ってか動けないよこんな断崖絶壁!大人しく待ってるから!
とは言ったものの、目印が何もないと探しようがないよねぇ。
何かないかなぁ・・・
あ、遠くにDダンジョンっぽい洞窟が見えるけど他には何かないかなぁ。
何か目印はと探してはみるものの、うーん、見渡す限りの岩肌と荒れ地しか見えなくて
すぴぃー
寝てしまった私だった(汗)
ボブ「シカー!魔国に到着したよ!」
ボブの声で目が覚めた。どうやらぐっすりと眠り過ぎたらしい。
シカ「ボブー!何処ー?!」
勢いよく立ち上がり巣から落ちそうになったのをロックバードが咥えて防いでくれた。
そしてお説教も喰らった。
どうやら急に立ち上がったら危ないでしょ!と怒られているみたいだった。
すんまそん・・・
ボブ「イザが聞き込みしてくれて大体の方角が解ったよ!」
シカ「マジ?!」
ボブ「今そっちに向かってるからもう少しだけ待ってて!
あ、絶対立ち上がったり動いたりしたら駄目だからね!!」
ぎくぅーっ
すでに立ち上がって怒られた後だなんで言えない・・・
どうやらイザが聞き込みをしたところ、ここのロックバードも小さな子供や迷子を保護する習性があるらしく私が連れていかれる姿も目撃されていたらしい。
しかも・・・あれはなにかお説教されてたな とまで言われてたそうで・・・
これはまた私イザのお説教コースになるかしら?
これ以上怒られ要素を増やしたくはないので大人しく座っておく。
ロックバードが用意してくれた木の実や果物で朝食を摂る。
食べれば自然の摂理として、もよおすわけで・・・
シカ「ロックバードさんトイレ行きたいんだけど・・・」
ロックバードは少し考えた後に私を咥えると川に連れて来てくれた。
なるほど? ここで用を足せと? 川下に誰もいませんように(汗)
その後はまた巣に連れ戻された。
ずいぶんと面倒見のよいロックバードだなと思った。
でもどおせなら連れ去らないで欲しかったなぁ皆の所から。
別に迷子じゃなかったしね?
あれ?・・・
もしかしてウトウトしてる間に逸れてたり・・・ありえる。
色々と考えている間にロックバードは何処かへ飛んで行ってた。
何処へ行ったんだろう、まぁいいや。
落ちたりしても怖いし大人しく待っ・・・・って、ええぇぇぇ。
なんか巨猿がロッククライミングしてくるんですけどぉ!
怖い怖いすごく怖い!顔が!!
なんか怒ってる?なんでぇ?!
私何もしてないよね?あの巨猿どこからきたのよぉ!
あれ?なんかデジャブ?
前にもこんなシュチュエーションがあったような?キノセイ?・・・
ズン ズン ズン と巨猿が近づいて来る。
やがて巣まで来るとガッチリと小脇に抱え込まれ・・・
あ、やっぱりそうだ。これこのままいくと・・・
ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
はぃ飛び降りたぁぁぁぁ! バンジーーーー!!
読んで下さりありがとうございます。




