23:ムスペルの旅路② ~シカ・カズラ~
トツコネの町を後にして、暑さもあるので私達は多めの休憩を取りながらゆっくりと進む事にした。
今回は持ち家があるからね、休む時は家を出して休めるからいいね。
まぁクーラーなんてものは無いんだけど、日陰があるだけでも違うよねぇ。
そうやって進みながらコナの実を拾ったり、狩りをしたり。
そう、見つけたのよマシュルン!
手分けして狩る事にしたんだけどね?
なんだいっぱいいるじゃん!と思ったらマシルンとゆうそっくりさんだった(汗)
つるんとした2頭身のキノコ人形みたいな感じ?
マシルンはマッシュルームしかドロップしないらしくてさぁ。
どおりで倒しまくったけど出なかったハズよね。
代わりにこれでもかってくらいのマッシュルームが山積みになったけど・・・
こんなにいらないわよ!と思ったのでどこかの町で半分くらいは売る事にしようかな。
バター焼きやアヒージョにすれば美味しいけどさぁ、多すぎるし欲しいのはドライイーストなのよぉ。
イザやカズラは見つけれたのかなぁ?
イザ「こっちでマシュルンの群れ発見」
そう呼ばれたのでイザやカズラの居る方へ向かった。
そこで見たマシュルンはなんか想像とは違った。
と言うかマシルンと似てるのは名前だけなんかーい!
確かにマシュルンも2頭身で可愛いよ?
でもマシルンはちゃんとマッシュルームみたいなクリーム色なのに、マシュルンは赤のドット柄。
可愛いけど元の世界でこれ見つけたとしたら絶対毒茸だと判断すると思うんだぁ・・・
まぁいいや、ドライイーストが手に入るなら今後もパンを作る機会も増えていくだろう。
姐さんだって欲しがってたし!
よし!乱獲だぁー!! 全滅しない程度に!と張り切っていたらこけた・・・
ずべぇーっ
いたたたた、もぉなんで何もない所でこけるかな。
ズラ「お前は子供かっ!」
イザ「なんで何も無い所でコケるんだよ」
それは私が知りたいよぉ・・・
1時間も狩りを続ければたっぷりのドライイーストが手に入った。
ホクホクしながら収納鞄にいれていると、1つだけ違う物が目に入った。
マシュルンの元
なにこれ?
こうゆう時にこそ鑑定を使ってみればいいのよね!
鑑定!えーっと・・・
原木シイタケと同じ方法でマシュルン栽培が出来る種菌
・・・・
原木シイタケの栽培方法なんて知らないんだけどぉ!
イザ達は知ってるかな?・・・
シカ「原木シイタケの栽培方法とか知ってる?」
イザ「知らないな」
ズラ「あんなの適当な気に菌植えりゃいいんじゃねぇの?」
ボブ「こうゆう時こそ姐さんに聞けばいいんじゃない?」
イザ「それが確実じゃないか?」
やっぱりここは姐さんかぁ。そうだよねぇ。
夜聞いてみよう。
シカ「姐さーん姐さーん」
グレ「はいよ。どした?」
シカ「あのさ原木シイタケの栽培方法って知ってる?」
グレ「知ってるつーか、やってる」
シカ「ふぇぇ?今?やってるの?どうやるの?!」
グレ「本格的なのは難しいから簡単に言うね?
マタンゴとかポイスポアなんかは簡単な方法でも栽培できたから。
まず原木となるナラやクヌギの木を1mに切って乾燥させて
木に穴開けて種菌を入れる。
んで直射日光が当たらない水はけのいい場所に置いて寝かせる。
2ヵ月くらい放置したらどっぷり水につけてまた日陰の風通のいい場所へ。
後は適度に水あげればOK! 」
シカ「え、まって?今の出簡単とか言われても覚えきれない・・・
カズラーーー!」
ズラ「なんだよ・・・」
シカ「覚えて!」
ズラ「お前なぁー・・・」
って事でカズラに丸投げする事にした。
でもこのマシュルンの元って何回分くらいあるんだろう。
あれだけ狩って1個しか出てないからそうとうなレアよね?
もう少し欲しいなぁとは思うけどコスパは悪そうだし。
まぁいいか、無くなってから考えよう。
気が付けばLVが上がっていた庭に原木を置いて、マシュルンの元を振りかけて。
え?そうじゃない?
穴開けてそこに菌を受け付ける?・・・
こうやって、こう? なるほど。
手解きをしてくれているのは、ケット・シーのチビ。
アンと同じく以前カズラのペットだった子なんだけど、どうやらチビが庭師だったらしい。
カズラはそりゃもぉ喜んでたよ。
アンのお陰で畑も庭も随分と楽になって助かっている。
なんなら私より物知りなのでこうやって手解きを受けているんだけどね。
だったら最初からチビに聞けば良かったんじゃないかって?
・・・
しばらく庭を確認してなかったからLV上がってる事に気付いて無かったとか言えない・・・
へへ、えへへへ・・・
ほら、色々あったしね?
シカ「という訳で、オアシスだったボルケーノまでは急ぎ足の方がいいと思うの」
ズラ「どんな訳だよ」
シカ「いやね?なんかこのまますんなりと旅出来る気がしなくてね?
ほら、どんなに気を付けても私ですし?
だったらもぉ一気にボルケーノまで行って
そこでゆっくりでもいいんじゃないかなと思ってね?」
イザ「確かにまた何か起こる可能性はあるよな」
ボブ「だったら僕がシカを抱えて移動するよ?
ハーネスも念の為に付けておけば皆で全力疾走でもいいんじゃないかなぁ」
シカ「ハーネス要る?」
ボブ「姐さんと約束したからね!」
シカ「う・・・そ、そうね」
イザ「それならそうするか?」
ズラ「そうだな、その方が俺の頭頂部も平和なきがする・・・」
今日はゆっくり休んで明日は一気にボルケーノまで駆け抜ける事になった。
皆の本気の走りだとそんなに早く走れるんだ・・・
そうだよね、皆人外だもんねぇ。
夜姐さんにもその事を伝えたら、姐さんもボルケーノまで来るって言ってた。
もう1人の姐さん、名前はクインさんと言うらしい。
クインさんに会いに行くつもりだったから丁度いいらしい。
やっと姐さんにも会えるんだね、よかったぁ。
翌日、ボルケーノまではあっという間だった。
流れる景色を見ている場合なんかじゃなかったのよ、速すぎて気持ち悪くなっちゃった・・・
ズラ「取り合えずイザとそのクインさんとやらを探しに行ってくるから
シカは大人しく横になっとけ」
シカ「あい・・・」
イザ「俺達が戻ってくるまで絶対に大人しくしてろ。
誰かが来たとしても戸は開けるなよ。知り合いなんぞいないんだからな」
シカ「あい」
ズラ「頼んだぞボブ」
ボブ「任せてよ!」
大人しくも何も、ベッドから動けないから流石に大丈夫だよ・・・
念を押してイザとカズラは町へと出かけて行った。
*** *** カズラ目線 *** ***
イザ「探すと言ったものの、何処等を探すかな」
ズラ「そうだな、町長に聞くのが手っ取り早くないか?」
イザ「確かにな。挨拶がてら行ってみるか」
と通りがかりの人に尋ねて場所を教えてもらい向かった先に居たのは・・・
ズラ「ガブ?・・・」
ガブ「ガブは母の名前ですが、母をご存じなのですか?」
イザ「ガブの息子さんか、そっくりだな」
ガブ「あの?・・・」
イザ「ああ、失礼しました」
カブの息子ならば大丈夫だろうと判断して俺達は身元を明かしてこれまでの経緯を話した。
ガブ「では噂は本当だったのですね・・・
皆様復活なされたのですね、ああよかった。
それでクインさんをお探しでしたね。
ご案内いたしましょう、きっと驚かれますよ」
そう言って案内された先に居たのはクインさんと・・・
カズ「ふぇ?! 嘘だろ、この白黒熊が親父?!」
ズラ「まさかカズキ?! 随分と・・・・変わってないな?」
カズ「本当に親父なのか?母さんとの馴れ初めは?」
ズラ「屁で破れたズボン・・・ 言わせるんじゃねぇよ!」
カズ「うわぁ、本当に親父だ!
と言う事はこっちがイザおじさん?」
イザ「ああ、久しぶりだなカズキ」
カズ「皆に連絡しないと!
あ、クインさん。こちらイザさん。横の白黒は俺の親父でカズラです。
俺皆に連絡入れるのでまた後で!」
ズラ「我が子ながら騒がしいな・・・」
イザ「まぁ元気そうで良かったじゃないか」
クイ「初めまして、クインと申します。カズキさんにはお世話になってます。
ズラ「あ、どうも。カズラです」
(おい、イザ。クインさんって姐さんのサブキャラと似てね?)
イザ「初めましてイザです」
(やっぱり?まぁ別世界のグレンな訳だし似ててもおかしくないわな)
ガブ「それで他の皆さまは?」
ズラ「それがちょっとシカが乗り物酔い?でバテてましてね・・・」
イザ「家に来て貰った方がよくないか?
ボブもガブに会いたいだろうし。
サラ、この後予定がなければどうだろうか」
ガブ「ボブに会えるなら予定などどうとでもしますよ」
と言う事で全員で移動する事になったのだが俺とイザは吹く事になった。
何故って、クインさんの連れがどえらい数だったんだよ・・・
読んで下さりありがとうございます。




