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21:魔国の様子⑤ ~グレン~

アリ「グレン様 見て下さい。!」


そういって目の前に差し出されたのはパンダのぬいぐるみだった。


グレ「これは・・・カズラ?」

アリ「さようにございます!

      このつぶらな瞳。ぷにっとしたお腹とお尻。短い手足。小さな尻尾。

      なんという愛らしさでございましょうか!」

グレ「あー・・・うん。そうだね・・・」


どうやらアリアンはカズラの分身としてこの縫いぐるみを作り愛でているようだった。

この愛らしさを出すために苦労した、この毛並みのモフモフ感を出すために素材はこうして丸みのあるフォルムを作るのにはこうして・・・と小1時間説明を聞かされた・・・。

もぉ抱き枕でも作れば?と半分冗談で言ったら、『すでに作ってございます!』とアリアンの私室に案内された。

そこで目にしたのは・・・パンダ愛好家の某大御所有名人を思わせるようなパンダグッズで埋め尽くされた部屋だった・・・。

すげぇな、これ全部手作りかよ・・・。

まぁ私室だし?人目につくこともないだろうし?ってかよくもまぁこんなに作ったなおぃ・・・。

デューンもどう反応していいのか解らないようで複雑な表情になってた。

よかったなぁカズラ、お前めっさ愛されてるじゃんw




シカ「姐さーん姐さーん」

バングルからシカの声が聞こえた。


シカ「てへっ  ってそうじゃなくて!!」

グレ「どした?」

シカ「熊がオークに連れ去られた!」

グレ「ん?・・・ それをどうしろと?」

ズラ「シカ!説明端折りすぎ!」

シカ「え?だ、めだった?」

ズラ「姐さんに通じてねぇだろ!」

シカ「あれ?」

グレ「うん、話がさっぱり見えん・・・」


とまぁカズラの説明によると移動中に負傷したキングベアと遭遇してカズラの心配をされた? 

ん?どゆこと? 

あぁそのキングベアの子が人族に攫われたからカズラも攫われてるんじゃないかと思われた?

傷だらけで満身創痍になってそうなのに子供を助けに行ってるらしく手助けしたい?

行き先がポートリオだから不安?fm・・・


イザのバングルを通してキングベアとも会話をしてみた。

儂テイマーじゃないけど魔王だしね?魔物や魔獣とは会話できちゃうのよねー。

攫って行ったヤツの特徴は? 背が低くて?ぶよんとした肉付きで頭髪が寂しい人間。

なるほど? それってあれかな。シカを攫った奴かな。

確認のためにオークに似てる感じか聞いたらそうだと言ってた。なるほどね。


アリ「グレン様、これ役に立ちますでしょうか?」

グレ「ん?」


アリアンが手渡して来たのは 脱税だの住人から税の二重搾取だの子供の誘拐に希少動物の密輸の証拠書類?!っておぉーい・・・

いつの間にこんなもん集めてたのさ。

って、待って?

なにこれ、竜人族と一緒に聖女だの勇者だの聖獣って名前が見えるんだが?・・・

どっからそんな情報得たんだコイツ。


アリ「シカ様救出の際に見つけましたので拝借してまいりました」

グレ「なるほど・・・」

アリ「この勇者や聖女や聖獣と言うのは・・・」

グレ「イザやシカ、カズラなんだろうなぁ・・・」


さすがアリアンよく見つけて持って来てくれたよ。


グレ「もぉさ、アレ消してもいいだろ。ロクなもんじゃねぇし。

   活かして置いたら今後も被害増えるし巻き込まれるぞ」

シカ「えぇぇ、巻き込まれたくないよぉ」

イザ「さすがに今回は止めれんな」

ズラ「他にも余罪出て来そうだしなぁ」

ボブ「僕も止めないよ!」

熊 「消すのはやめたげて!罪の無い人も住んでるし」

グレ「大丈夫町の人には被害出ないようにするし。

   町から消えて貰うだけだから。

   むしろ町全体にとってはいい結果になると思う」

ズラ「と言うと?」

グレ「アリアンが色々と犯罪証拠を集めてくれたからそれをちょっとね?

   ポスの王に渡してしっかり貴族連中の管理をしろと言うだけだ。

   後はあのオークもどきに子熊になってもらおう。

   アリアンに魔具渡しておくから大丈夫だし

   どっかの大陸の王族に献上するつもりだったらしいからさ

   自分で行ってもらうのがいいかな。まぁ無事だったらだけど」

アリ「白黒熊であるカズラ様の同胞とも言えるキングベアを傷つけ

   子を奪うとは許しがたいたい事ですわ!

   この魔道具で変化させればよろしいのですね?

   生きていればよいのですよね?

   ええ、ええ。私にお任せくださいませ。フフフフ・・・」


シカに姐さんの笑い声怖いよ!と言われてたけど今の儂じゃないから!アリアンだから!


さてアリアンが子熊の救出に行っている間に儂も一仕事しようかね。

傀儡(マリオネット)メッセンジャーを用意してポス国王の枕元にポイッと設置。

これでOK! 大丈夫、ちゃんと仲良く共存してね?と言っただけだから!


1時間もしない内にアリアンは戻って来た。


アリ「キングベアの親子は無事に元居た北の森へと送り届けてまいりました。

   あのオークもどき共でございますが去勢処置も施しておきました」

グレ「去勢?!」

アリ「手早く簡単に済ませましたのでご安心ください」ニッコリ


アリアンの笑顔が怖いんだが?

デューンの顔色も悪いんだが?

バハ様は?・・・  あ、耳塞いでるし!

詳しく効くのはやめておこうかな、と言うか聞きたくない。ハハハ・・・


まぁキングベア親子も無事だったし後の事は勝手にどうぞって感じだよね。

犯罪者のオークもどき達は其々密輸の相手の元へリボン付けて納品してきたし?

と言うか、なんで次々と巻き込まれるのかねあいつ等は。

いや今回は自分から首突っ込んだのか。

あんま首突っ込まないように釘さしておかないとだな。

儂今度はのんびり過ごしたいんだが?

無理げな気もする・・・


グレ「無駄だと思うけど一応言っておくね?

   くれぐれも目立つな、やっかい事に首突っ込むな、はぐれるな!

   解った?

シカ「あぃ・・・」

グレ「後、マシュルンかスポア見つけたら

   ドロップでドライイースト落ちるらしいから集めといて」

シカ「ドライイースト!マジで!」

ボブ「そっちには居ないの?」

グレ「こっちマタンゴとポイズンスポアとか居なかったんだよね」

ボブ「マタンゴ・・・」

シカ「それだと落ちなかったて事?」

グレ「猛毒胞子しか落ちなかったね」

シカ「それはいらないね・・・」

グレ「だろ?

   儂が欲しいのはドライイースト・・・」

ボブ「解ったよ!」

ズラ「パンやケーキ作るなら欲しいよなぁ」

グレ「んだ、なので見かけたら宜しく!」

イザ「解った」

シカ「私もドライイースト欲しいし了解!」

グレ「張り切るのはいいけど調子に乗ってはぐれんなよ?・・・」

シカ「だ、だいじょ・・・」

ボブ「大丈夫じゃなかったよね!

   ハーネス付けるから大丈夫だよ姐さん!」

グレ「頼んだ」

シカ「えぇぇ・・・」


どうやら最近はボブも鹿の扱い方を理解してきたようだ。

まぁ順調にいけばもうすぐクインとも出会えるんじゃないだろうか。

儂も1回会いに言っておきたいのだけど、目立つかな・・・

夜にでもコッソリ行けば大丈夫かな。

まぁバレでもボルケーノなら大丈夫だろうけどね。


読んで下さりありがとうございます。

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