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19:魔国の様子③ ~グレン~

ででんっ


今儂の目の前には3通の手紙が置いてある。

送り主はポス、ムスペス、スペルス、3か国の王だ。


【生贄の数は慣例通りの100でよろしいでしょうか?】


・・・

なんすかね生贄って。

んなもんいらんわぁぁぁぁぁ!

て事で いらん! と返事を出した。

んなもんよこされても困るがな!

そもそもが慣例ってなんだよ、儂以前に魔王って居なかっただろうがよ・・・

訳解らんのだが。


なのに数日後今度は使者がやってきた・・・

『魔王様・・・生贄が100ではご不満でしたでしょうか?』とめっさ顔引きつってるし顔色も悪い。

いやホント、なんなの?


グレ「いや、不要だと言いましたよね?」

使者A「しかし慣例では・・・」

グレ「その慣例というのが何なのか理解いたしかねますが?

   何に基づく慣例でんですかね?

   そもそも慣例慣例って少しは自分達の頭で考えたらいかがすかね?

   逆に聞きたいのですが、その生贄とやらをどうしろと仰るので?」

使者B「は? その・・・自分には解りかねます」

グレ「自分で答えようが無い物を人に押し付けないでいただきたい」

使者C「そう仰られましても我々にも立場と言うものがありまして・・・」

グレ「儂にだって立場ってものがありますが?

   なに? 君達はそんなに儂と魔族を悪役に仕立て上げたいんですかね?」

使者A「あの、その・・・人を喰らうというのは・・・」

グレ「魔族一同誰もそのような悪食趣味はありませんが?」

使者B「悪食・・・」

使者C「あの・・・つまりは魔王様は大陸そのものをご所望で?」

グレ「は?何故にその様な思考にぶっ飛ぶのか理解いたしかねます。

   そもそも使者C,君凄く偏見持ってるよね。

   偏見を持った者が使者とか阿呆なのですかね?

   ああ、ポスからの使者ですか。

   どうぞさっさとご退場くださいな。

   二度と我が地に足を踏み入れないでくださいね!」

使者C「ヒィッ、我が国とは交渉もせず攻め入るつもりか!」

グレ「馬鹿か、なんでそんな無駄な事する必要があるかね。

   興味もないし面倒なのに。 

   はい、イフさーん。こいつどっか他大陸に放り出しておいて」

イフ「承知」

グレ「あのさ、儂はここでのんびりスローライフ出来ればいいんだよ。

   なんか魔族に対して変な偏見あるみたいだけどさ。

   見てわかるように田舎よ!僻地よ!過疎地なのよ!

   でも皆今の暮らしに不満がある訳じゃないし。

   平和が一番なの!だから生贄はいらんし!

   魔族に対して偏見差別なくして欲しいと伝えて貰えますかね」

使者AB  (コクコクと頷く)


と言う事で変な偏見や誤解を解くべくざっくりと魔国についての説明をしたら使者ABは驚いていた。

ついでにゴーレムなんかは掘削作業に便利だしヴァンパイアなんかは獲物の血抜き作業に便利だしなどなど種族毎のメリットもアピールしておいた。

それに戦は興味ないから関わらないけども自然災害時などは協力し合う方がよくね?とも言っておいた。手土産に魔物肉のジャーキーをこれでもかってくらいに持たせて携帯食や酒のつまみにはいいぞと教えておいた。

住人に食べさせたら好評だったのでニブルの特産品になればなと思ったからだ。

ちなみに味付けはシカさんにも教えるつもりは無いがお試し品として送るつもりだたりする。


あー、疲れた。

毎日が充実してると言えば充実してるかもしれない。

町屋集落を周って住民と交流を図るのは楽しいし、狩りや農作業だって楽しんでる。

だけど今回みたいな話が通じないヤツの相手をするのは疲れる。


庭のベンチで溜息をついていると近所の子供達が駆け寄って来た。


『まおうさまー。これあげりゅー』


子供達の手には小さな瓶が握られている。 なんだろう?


『まおうさま、つかれてるみたいだからあげりゅ。

 これたべてげんきだちてね』


渡されたのは小さな壺に入った蜂蜜だった。マジかー!

ニブルで蜂蜜は貴重だからすこぶる嬉しかった。

うん、儂この子達の為にも頑張るわー!


「よぉし、蜂蜜のお礼に今日は皆で唐揚げ食べるかー!」

『わぁーい。まおうさましゅきぃー』

『ちゅきー』


ちなみにニブルで作る唐揚げは鳥ではない、ワイバーンだ。

どうせなら近隣住人全部呼んでしまえとまずはワイバーンを狩りに行く事にした。

ヴァンパイアの血抜き部隊3人組を連れてワイバーンを狩りに山岳地帯に来てみた。

狙うのは警告を無視して暴れまくるちょっとやんちゃなワイバーン。

ちょうど集落付近で暴れてたのでスキルではなく殴る事にした。

万が一集落に被害出ても困るからね。

張り切って殴っているとシカさんの声が聞こえて来た。


シカ「姐さん姐さーん」

グレ「はいよぉ!どしたぁ?」

シカ「美味しい燻製肉の作り方教えてー!」

グレ「あ"ぁ?! 今かよ!」

シカ「ごめん、忙しかった?・・・」(汗)

グレ「んぁ"、ちと・・・ガツン、ドカッ  待って。 ゴンッドカッ」


仕留め終わったのでざっくりと作り方を教えておいた。

まったくなんてタイミングで声掛けて来るんだか(苦笑)


シカ「ところでさっきの凄い音は何だったの?ゴンとかガンとか」

グレ「ちょっと夕食用のワイバーン殴ってただけ」

シカ「え?ワイバーンが夕食なの?・・・」

グレ「こっち大食漢が多いんだよ!」

シカ「な・・・なるほど」

グレ「今から捌くからまたね!」


ここからは血抜き部隊が大活躍!とはいえ3人者多すぎるってんで他のヴァンパイアにも緊急参戦して貰った。

お礼にと解体作業まで全部やってくれたのでありがたい。

解体した肉を城の庭へと持ち帰り、大鍋を用意して調理開始!

肉を一口サイズに切り分けてショウガと塩で下味をつけて。

味がなじんだら衣をつけて油へぽーいっ!

ちなみに油はラードントンていう植物から採れる。

見た目は遠目にみればちょっと大き目の鈴蘭に見えなくもない。

が・・・

近くで実?をよく見れば・・・豚まんに顔が付いてる感じ?

ある意味では可愛いとも言えるその実を麻布に集めてぎゅっと絞れば油が採れる。

まぁ名前のまんまラードなんだけど植物からラードが採れるって不思議だよね。

さてこの唐揚げ、毎回住人には大好評。

今まで揚物料理はなかったみたいで、凄く気に入ってくれている。

今度それっぽい肉が手に入ったらトンカツも作りたいな。

・・・・

だめじゃん!パンが無いからパン粉もないじゃん!

どっかにドライイーストないのかなぁ。


などと考えながら転寝をしていれば・・・

なんかブンブン ブンブンうるさいんだけど?

どっかにハチの巣でも出来た?・・・と思ってバルコニーとか確認するけど何もない。

音源はどっからよ?と思えば・・・バングルから。何やってんだよあいつ等。


ズラ「おめぇはロクな事しねぇな!」

シカ「わざとじゃないもんっ!」

ズラ「わざとだったらはったおしてるわ!」

イザ「いいから走れ! 逃げ切らないと!」

ボブ「こめん僕 消えるね!」

  「「「 へ?! 」」」

ボブ「ホントごめんね!」 シュポッ

シカ「ちょ、えぇぇぇぇ・・・」


( ´ω`)・;'.、ブッ

様子を伺うべく聞いてたら・・・意外とボブ薄情だった!(笑)

と言うか・・・イザ? 

一緒に動物番組とか危険生物特集とか見てたよね?蜂の習性とか覚えてないのか。


グレ「なにやっとんじゃ?w

   パンダは熊だろ? 熊ってのは毛が硬いし皮膚も厚いから

   蜂の針も通さんぞ?

   顔だけ隠しゃいいんだからカズラが囮になりゃいいだろw」

ズラ「なるほど! よぉし、任せろぉー! こいやぁ」


アドバイスしてみたものの、蜂はシカめがけて一直線でカズラには見向きもしなかったらしい。

イザがシカに向かってなにか叫んでるな。

・・・・。シカ?なにしとんだ。

拾った枝に巣が付いてたってそりゃ狙われるに決まってんだろぉー!気付いてなかったって?・・・

さすがだな(;´Д`)しゃーない撃退方法教えておくか。


イザ「しかしグレンはまだすげぇタイミングで話しかけてきたな」

グレ「昼寝しようとしたらブンブンブンブン五月蝿かったんだよ!

     誰かバングルONになったままだろ?」

ボブ「あー!ごめん。僕だったみたい!」

グレ「んで蜂の撃退方法なんだけ・・・」


       プツンッ


ちょ! 今OFFにすんじゃねぇよ! いきなり切るんじゃねぇよ! ボブーーー!!

ぬぅーん、すっかり眠気がどっか行ってもぉた。

読んで下さりありがとうございます。

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