9:ポスの旅路③ ~シカ~
3日後 私はやっとLV10になったよ!
とはいっても 皆はLV13になってたんだけど・・・
姐さんなんかはLV20になってた。早すぎるって!
グレ「仕方ねぇだろ。こちとら食糧不足なんだよ!」
こっちと違って姐さんの方には食料貯蔵庫に何も入ってなかったんだって・・・
それはキツイね・・・
食料確保で狩ってたらサクサクとLVは上がったんだそうで、納得だよねぇ。
今日はちょっと離れた草原でファルファスプラウトを狩る事になった。
LV的に経験値はおいしくないんだけど、このアルファが初級回復薬の素材を落とすらしい。
普通のスプラウトじゃ新芽は落とさないんだって、ケチだなぁ。
私が言うのも変だけどさ、ほら備えあれば憂いなしって言うし?
焦って間違えてもあれだし?
ね?・・・
どうやらLV差が10以上開くとアイテムドロップが無くなるみたい。
そこらへんもゲームと似てるね。
まあ今はそうでもないけど中級狩場とかダンジョンで高LVの人がドロップ目当てで乱獲とか防止にはいいよね。
そうそう、キンコラの命中率が上がってきたから少しだけ狩りが楽になったよぉ。
ちょっと気を抜くとカズラに当たりそうになるけど(汗)
ズラ「なんで俺ばっかりなんだよ!
狙ってやってるだろうシカ。
せっかく毛が生え始めたんだから止めろよ?」
シカ「狙ってる訳じゃないんだけどなぁ」
ボブ「ホント不思議だよね!」
ボブシカ「「 ねぇ~♪ 」」
ズラ『だから ねぇ~♪ じゃねぇよ!」
イザ(爆笑)
だって本当に狙ってる訳じゃないのにさぁ。不思議よねぇ(苦笑)
そう言いながら皆でサクサクとファルファスプラウトを狩り
スプラウトの新芽(ドロップ品)を集めていく。
たまに一応レアアイテムのスプラウトの蜜が落ちるんだけど、このスプラウトの蜜咳に効くらしいから集めておかないとね。
私のスキルは病気には効果ないらしいのよねぇ、残念。
冬になったら絶対私風邪ひきそうじゃない?
だから色々薬も充実させたいよねぇ、その方が安心だし。
調薬スキル持ちのボブに頑張ってもらわなきゃだね。
なぁんて考えてたからかなぁ。
私は今、スッポリと穴にハマっていたりする・・・
なんでこんな所に穴が開いてるのよ!
いや草原だから穴が開いててもおかしくはないのかもしれないんだけどさぁ。
土竜とかアナグマとか居てもおかしくは無いのかもしれないんだけどさぁ。
人がズッポリハマるくらいの穴なら気付いてもよくない?
なんで気付かなかったかなぁ私・・・
これ絶対皆に 『なにやってるんだよシカー!』 て怒られるパターン!
いやいやそれは回避したい!
なんとか出れないかとあがいてはいるんだけど、無理っぽい。
これは・・・必殺!
シカ「ボーーーーーーブーーーーーーー!!」
呼べばビューンッとボブが来てくれる。
ボブ「シカーーーー!!どうしたの?」
シカ「ボブ♡ ハマっちゃったぁ、えへへ・・・」
ボブ「もぉ仕方がないなぁシカは! ホラ、手貸して?」
シカ「えへへ、ごめぇーん」
ヨイショと引き出して貰う。
ふぅ、よかった。無事脱出成功ー!って、こんな所に穴あったら危ないから埋めておこう。
ザックザックッ ポイポイッ
『ちょっと何するだよ!』
え?・・・
せっかく埋めた穴からモコモコと現れたのは・・・
ちょっと大き目なプレイリードッグだった。
シカ 「かぁ~わいぃ~♡」
プレイリ『かわいーじゃねぇべよ!
なしてオラが家さ埋めるだよ!ぷんすかっ』
シカ「えぇー・・・穴じゃないの?! 家なのぉ?!」
プレイリ『んだ! 玄関の掃除さしてたらオメさが落ちてきただ!』
シカ 「あー・・・、そうだったんだ。家の玄関だったんだ。
どおりで大きな穴だと・・・、ごめんね?」
プレイリ『解ってくれたらええだよ。
ただ穴元に戻すのは手伝ってくんろ』
シカ「うんうん、それは勿論だよぉ」
(家なら解り易く表札でも出してくれればいいのにぃ)
ボブ「僕も手伝うよ!!」
(それだと敵にも解っちゃうから駄目じゃないかなぁ?)
シカ(あ、そっかぁ。さすがボブ♡)
ボブ(えへへ・・・)
3人でヨイショコラショと穴を元の状態に戻した。
プレイリ『こんなもんでいいだよ!
今後は足元に注意して歩くだよ!!』
シカ「うん、ごめんね」
ボブ「でもシカもプレイリさんも怪我がなくてよかったよ!
じゃあシカ。戻ろう!」
シカ「そうだね。ホントにゴメンねー!またね!」
プレイリ『気を付けるだよぉー! またねは無い方がいいだよ!』
(何度も壊されてたまるかぁ!!)
証拠隠滅でスカートに付いた泥をポンポンと払う。
これでよし! と思ったのになぁ。
ズラ「シカ、穴に落ちたろ?」
シカ「え? まさかぁ・・・
そ、そんなことは・・・ないよぉ? ねぇボブ」
ボブ「うん!落ちてはないよ!」
イザ「じゃあハマったのか?」
シカ「な・・・なんでそう思うのかなぁ~?」
ズラ「スカート・・・尻部分だけ泥だらけだが?」
シカ「マジ?! うそぉーんっ!」
そう言えば前しか汚れ払ってなかったような?・・・
後ろを確認してみればしっかり泥汚れが残っていた。
うわぁ・・・しっかりお尻の形に泥が残ってるじゃない! 嫌過ぎる・・・
夜、私達はいつものようにリビングで話し合いをしている。
初級ポーションの素材が1つだけ、ここでは集められない事が解ったのよね。
【キラービーの蜂蜜】
これを落とすのがキラービーな訳で、もう少し南じゃないと居ないらしいんだよねぇ。
だから私達はそろそろ移動する事にして、明日は町で買い出しをした後に出発する事にした。
シカ「取り合えず私は食料の準備だけでいい?」
ズラ「そうだな。他のは俺達で用意する」
イザ「シカは迷子にならないようにハーネス着けておくか?」
シカ「えー、大丈夫だよ。さすがに町の中で迷子にはならないよ」
ズラ「本当かよ?」
シカ「そこは絶対大丈夫とは言えない自信がある!フンスッ」
イザ「そこはドヤるトコじゃねぇよ」
ボブ「大丈夫だよ!シカが迷子になっても僕が見つけるから!」
シカ「ボブ♡」
そうして次の日私はボブと食料の買い出しに町へ来ている。
大丈夫だよ、ハーネスは着けてないけどボブに抱っこして貰ってるから迷子にはならないよ!
牛乳と、卵・・・はコッコさんで・・・
あぁぁぁ、コッコさん! 収納鞄にいれたままだったぁぁぁ。
ごめん、すっかり忘れてたから後で出してあげるね・・・(汗)
ええっと・・・他に買う物は、パンと野菜類。バナナと林檎も欲しいかなぁ。
と商店街まで来てみたら、なにやら人だかりが出来ている。
どうしたんだろうね。
人だかりに近づいてみれば、あれ?店先に商品が何もない・・・
「困ったな、これじゃ商売にならないぞ」
「料理するにしても困ったもんだな」
「町長が今冒険者を呼ぶ手配すると言っていたが・・・」
「すぐに来てくれるとも思えないよなぁ」
「ガルドの人族至上主義の冒険者が来てもなぁ・・・」
隣に居た人に何事かと聞いてみて教えて貰った。
どうやら下水トンネルで何かが大量発生したらしく、一瞬で食べ物を食い荒らされてしまうのだうだ。
それは・・・本当に困るよね。私も困る。
ボブ「これはイザやカズラにも報告して相談しよう」
シカ「うん、その方がよさそう。食料買えないのは困るな」
読んで下さりありがとうございます。




