8:ポスの旅路② ~シカ~
シカ「そう言えば気になったんだけど」
ズラ「ん?」
シカ「カズラ、その姿で何も言われなかったの?」
イザ「それがさ・・・
可愛い奥さんですね、希少種ですか?とか言われた・・・」
ボブシカ「「 ぶふっ 」」
ズラ「うふっ」
イザ「ずりぃーんだよ!喋んないでさ。
可愛く首なんか傾げちゃって林檎まで貰って・・・
否定くらいしてくれよぉー!」
ズラ「いやだって、可愛いって言われたら夢を壊したらあれかなぁと思って」
イザ「あれかなぁ じゃねぇんだわ!」
ボブ「まあまあまあまあ・・・」
なるほど、情報収集は主にイザがやりましたよっと。
喋らずにあざと可愛いポーズをしたカズラは嫁に間違われましたよっと。
ぷぷぷっ、笑ったら悪いと思うけど笑いが込み上げてきちゃう。
イザ「取り合えず・・だ。
昼飯食ったら草原でワンザとかスプラウトでレベリングしようか」
シカ「スプラウトがポーションの素材落とすヤツよね?
ワンザってなんだっけ?」
ズラ「ワンザはコガネムシみたいなヤツ」
シカ「虫かーっ」
ボブ「初級の低LVモンスターだから大丈夫だよ!」
シカ「う、うん。そうだよね。がんばる!」
とは言ったものの、皆最初だからダガーしかもってないのよね。
虫とか無理―!て思ったんだけど、草花系の方が無理だったぁ。
だって大きさが・・・ね?
ワンザは50㎝くらいだからまだいいのよ。(それでも大きいんだけど!)
スプラウトは1m近くもあるのよぉぉぉ。
私の伸長120㎝だからそんなに大きさ変らないのよぉぉぉ!
ぐぬぬぬぅ・・・
って、待って?
なんで私ダガーで戦ってるのよ。
魔法でいいんじゃないの?・・・
そうよ魔法があるじゃーん!
なんだったけ?・・・ キンキラがヒールだから・・・
シカ「コンキラ!」
ピカンと前方に扇状の光が出た!
ズラ「うおっ! あぶねぇなぁ!!」
イザ「今範囲はいらないだろ!」
ボブ「さすがシカだね!」
ズラ「さすがじゃねぇよボブ。 ここで範囲撃つんじゃねぇよシカ!
尻が焦げるだろうがよぉ!」
シカ「ごめんごめん。間違えちゃった、えへっ」
危ない危ない、これじゃなかった。こっちかな?
シカ「キンコラ!」
ぽんっ! おぉ?単体攻撃っぽい?やったぁあってた!
ズラ「いてぇなぁ、なんで俺に当ててんだよぉ・・・」
シカ 「え? マジで? うそん・・・」
どうやらスプラウトはヒョイと避けたらしく、挑発するかのように葉を揺らしている。
えぇぇ、なんで避けるのかなぁ・・・
と、取り合えずカズラにヒールしとこっかな♪
シカ「キンキラー! よしっ!」
ズラ「よし!じゃねぇよ! 傷は治ったけど尻の毛が無くなったじゃねぇかよ。
ああもぉ。尻がスースーする・・・」
イザ「すまん、笑ったら駄目だと思うけど・・・
尻が禿げたパンダとか初めてみたわ」(笑)
(言えねぇ、尻の毛が無いせいで見えたらいけないモノが丸見えだとか
絶対言えねぇぇぇぇ)
ボブ「僕も初めて見たよ!」
(言えないよ、お尻の毛がないせいで
プランプラン揺れてるモノが見えてるなんて絶対言えないよぉ!)
シカ「私も!!」
ボブシカ「「 ねぇ~♪ 」」
ズラ「ねぇ~♪ じゃねぇよ!
てかシカ、お前さっきからその呪文なんなんだよ?
普通に唱えれねぇの?」
シカ「いやだってさ・・・
これだったんだもん、呪文・・・」
イザ・ズラ「「 は?・・・ 」」
シカ「ほら見て見て」
私はステータスを皆に見せた。
ズラ「ぶっ 本当にキンキラだ・・・」
イザ「マジか」
ボブ「よくわかんないけど、さすがシカだね!」
これはあれだね・・・
おとなしくダガーでチマチマやっておこうっと。
んで皆が怪我したらヒールを・・・ね?
ワンザのドロップはおいしくない。
小枝とか小石なんだもん・・・
スプラウトはなかなか新芽を落としてくれないし。
だけどここで少し上げておかないと次のが倒せないよねきっと。
そう言えば・・・
なんかバフスキルがあったよね?ランダムだったけど。
ダガーで戦わなくてもバフ掛けてればいいんじゃない?
ふっふっふー。シカサン天才!
そうよそれでいいじゃーん。
キンキラコンコラ♪ あそれっ♪
キンキラコンコラ♪ もいっちょ♪
キンキラコンコラ♪ あよいしょっと♪
これが切れたら掛け直せばいいよね。
うん、これならサクサクあがりそー。ひゃっほー! ⸜( ´ ꒳ ` )⸝
私達は日が傾くまでひたすらレベリングを続けた。
夕飯の後リビングに集まり皆でステータスの確認をする事にした。
どれくらい上がったか楽しみだなぁ。
シカ「あれぇ? LV上がってなぁーい!なんでぇ?」
ボブ「僕は5まで上がってるよ!」
イザ「俺は6かな」
ズラ「俺も5にはなってるな」
シカ「うそぉーんっ」
ズラ「シカちゃんとやってたのか?」
シカ「やってたよー。ずっとキンキラコンコラしてたもん!」
イザ「キンキラコンコラって、何のスキルだよ?」
シカ「んとね、ランダムバフ?」
「「「 ・・・ 」」」
シカ「え? なんで?なんで?駄目だった?」
ズラ「ゲームみたいにPT組んでる訳じゃないからな?
バフだけかけてもLVはあがらんと思う」
イザ「まぁスキルLV(熟練度)は上がってるんじゃないかな?」
シカ「えぇぇ、そうゆう事?!
あ、本当だ。キンキラコンコラLV3になってる!」
ボブ「何かこうゲーム見たいにPT組んでのレベリングって出来ないのかなぁ」
イザ「そうだよなぁ、何かあればいいんだけどな」
ズラ「スキルLVも上げておきたいしなぁ」
シカ 「チュートリアルみたいなのとか説明書みたいなのとか欲しかったなぁ」
グレ「あるよ?」
「「「 えぇぇぇっ 」」」
ズラ「ビックリしたー。姐さんいつから聞いてたの?」
グレ「チュートリアルみたいなのとか説明書みたいなのとかから?」
イザ「タイミングよくそこからか」
グレ「ん? タイミング良かったのか?
皆忘れてね? 儂等鑑定スキル持ってたろ?
バングル鑑定してみ?」
ボブ「そう言えばそんなのあったね!」
イザ「そうか、鑑定してみればいいのか」
シカ「え?皆あるの? 私無いんだけど?」
ズラ・イザ「「 へ? 」」
グレ「シカサンちゃんとよく見た?
スキルの下の方に特殊スキルってない?
そこに載ってるはずだよ?」
シカ「えー、ちゃんと見たんだけどなぁ。」
グレ「もっかい、ちゃんと見てみ?」
シカ「うん、ほらやっぱりな・・・あったわぁ」
グレ・ズラ「「 シカーーーーーーー! 」」
シカ「すんまそーん えへっ」
姐さんに教えて貰って鑑定してみた。
バングル〈絆〉:特殊マジックアイテム
機能:登録済みの仲間と遠距離通信可能
中央に装飾された魔石のON/OFFで取得経験値の共有可能
ただし頭割になるのでソロよりも取得経験値は下がる
魅了及び誘惑の耐性100
幸運値増加80
体力および魔力の自然回復量増加
おお?結構優れ物じゃない?わからんけど・・・
イザ「これいいな。経験値共有出来る」
ボブ「本当だ!よかったねシカ!」
グレ「いいよなぁ。どうせ儂ソロだもんよ・・・」
シカ「姐さん・・・」
グレ「まあいいや。そっちどう?レベリング順調?」
ズラ「あー、まぁシカ以外順調かな?」
グレ「シカサンや?何やらかした?」
シカ「やだな・・・なにもやらかしてないよ?」
ボブ「うん、シカはバフ頑張ってたよ!」
グレ「シカサンや?・・・
PTパーティー組んでなきゃバフだと経験値はいらんよね?
さすがにそれは忘れてないよね?」
シカ「う・・うん・・・うんうん。
も、もも、もちろんワスレテナイヨ・・・」
グレ「シーカーサーンーやーーーーー!」
その後1時間姐さんに説教される私であった _(:3 」∠)チーン
読んで下さりありがとうございます。




