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7:ポスの旅路① ~シカ~

移動の途中でカズラが立ち寄りたい場所があると言い出した。

600年前に立ち寄った教会があるらしく、今はどうなってるのかが気になると言うので立ち寄って見る事にした。


ででーんっ


ここ?・・・

なんか周りからは解りにくくなってるけど、古代神殿みたいになってるんですが?

これもぉ教会じゃなくなってるよね?・・・


シカ「本当にココなの?・・・」

ズラ「ああ、場所は間違いなく此処のハズだ」

ボブ「どう見ても教会ではないよね・・・」

イザ「まぁ中に入って見るか」


にょきっ

「お客さん?」

ニョキニョキッ

「旅人さん? お泊りしていく?」

ズラ「ほげぇ?! び、びっくりした・・・」

イザ「うおっ」


「お客さん久しぶりなのぉ」

「僕達ここでお仕事してるのぉ」

「ここの管理をしてるのぉ」

「「 お泊りするぅ? 」」


2頭身の可愛いマンドラゴラとドライアド達に歓迎されて、断れるハズもなく。

私達はここで1泊する事にした。

案内されて中へ入れば・・・


「「「 ぶはっ 」」」


イシュカ神・シムカ神・クーフィー神はまだ解かるのよ。

なんで一緒に姐さんが祀られているのかな?

それにこの黒竜ってバハ様かな?


ズラ「相変わらず姐さんも祀られてる・・・」

シカ「前からだったの?」

ズラ「俺が立ち寄った時にはすでにあったな」

ボブ「でもさ、姐さんの像の足元にある小さいのってさ」

イザ「待て待て、あれ俺達か?・・・」


言われてよく見れば手の平サイズの私達の像が並んでいた・・・


「あの木像はねぇ、僕達が作ったのぉ」

「この土地を綺麗にしてくれた人なのぉ」

「あの小さな像も僕達が作ったのぉ」

「仲間達を助けてくれた人達なのぉ」

「僕達にとっては神様と同じくらい大切な人なのぉ」

「竜は新しい神様なのぉ」

「ここに来て祝福もしてくれたのぉ」

「だから僕達はずっとここを守っていくのぉ」

「「「 ねぇ~♪ 」」」


姐さんや・・・

600年ずっと拝まれてたみたいだよ?

もしかしてあの進化ってのはそのせい?・・・

わぁ・・・(シロメ)


ボブ「よく解らないけど、拝んでおく?」

イザ「そうだな、一応神々の像もあるし、旅の安全でも祈るか」

シカ「なむなむ・・・」

ズラ「シカ、それ違う」

シカ「はっ、仏像じゃないもんね。だったらアーメン?」

ボブ「それも違うよね」

シカ「じゃぁ何だろう?」

イザ「特になにもいらなくないか?」


そっかぁ、心の中で祈ればいいのか。

えっと、皆で安全に旅が出来ますように。

穴に落ちたりしませんように。蜘蛛の巣にも引っかかりませんように。

えーっと他には、今度は変な人に愛人契約とか言われませんように。

なむなむ~、よしっと!


この日の夕飯はドライアド達が作ってくれた。

ハーブの効いた串焼きや根菜たっぷりのスープ。

どれも美味しくて、体も癒された気がする。

用意されたベットもフッカフカでいい匂いがした。

お陰で皆の疲れもとれたみたい。

私はほら、ボブに抱えられているだけだから・・・


「「「 また来てねぇ~ 」」」


マンドラゴラやドライアドに見送られて私達は再び移動を開始した。


シカ「そう言えばイザはポスで生まれたんだよね?

   故郷に寄ってみなくていいの?」

イザ「あそこは特別な場所だからな。

   万が一にでもあの場所をガルドの奴等に知られても困るから寄らない」

シカ「そっかぁ。残念だね」

イザ「皆の安全が優先だ」


いつかイザの故郷にも安心して行けるようになればいいねぇ。


イザ「オリオの町付近で一旦休息がてら狩りでもしてみよう。

   LVが1に戻ってたし、ポーションの素材も集めたい」

シカ「ポーションの作り方って解るの?」

ボブ「僕が作れるよ!」

シカ「おぉ~、さすがボブ!

   素材は何が必要なの?」

ボブ「林檎 檸檬 スプラウトの新芽 キラービーの蜂蜜!

   これで初級ポーションが作れるよ!」


スプラウトの新芽・・・

そう聞いて私は野菜を思い出したのだけど、カズラがモンスターの名前だと教えてくれた。

そうなんだ、野菜じゃないんだ。ちょっと残念。


2日後にはオリオの町の近くまで来ていた。

この町はどうなんだろうと不安になるし、ちょっと寒い。


ズラ「町の偵察、どうする?」

ボブ「僕が先発として安全確認だけしてこようか?」

シカ「大丈夫なの?」

ボブ「うん、なんかよく見たら僕ステルススキル持ってるみたいだった」

   「「「 ぶっ 」」」


それ早く気付いて欲しかったなぁ。

そうしたらポートリオでも安全確認して貰えたのにぃ。


イザ「じゃぁ任せる。

   可能だったらでいいから噂話も聞いて来て欲しいかな」

ボブ「わかったよ!」

ズラ「無理はしないでヤバそうだったらすぐ戻って来いよ」

ボブ「うん! じゃぁ行ってくるね!」

シカ「いってらっしゃぁ~いっ」


ボブは走りながら消えて行った。

いいなぁ、私もああゆうスキルが欲しかったなぁ。


30分後にボブは戻って来た。


ボブ「凄いよ!小さな町なのに活気があってね!

   旅人も多くて、品ぞろえも良かったよ!

   獣人とドワーフが多い町みたい。

   後ね、教会には僕達が祀られていたよ!

   自警団もあったし、町長さんが熊で変な人は追い出してるみたいだった」

シカ「随分とポートリオと雰囲気が違うような?」

イザ「やはりガルドに近い港町だから治安が悪かったのか?」

ズラ「まぁ取り敢えず全員で様子見に行っても大丈夫そうだよな」

ボブ「うん! それに寒いから皆フード付きのコート着てたし。

   僕達も同じような恰好をすれば目立たないんじゃないかな」

ズラ「俺以外はな!」

シカ「ぷっ」

ズラ「笑うんじゃねぇよ」


と言う事で全員でオリオの町へ向かった。

へぇー、八百屋に魚屋にお肉屋。 パン屋に果物屋に食料品店。

雑貨屋・鍛冶屋・武器屋・防具屋・装飾品店・薬屋・食堂に宿屋。

本当に色々なお店があるね。

これに駄菓子屋でもあれば昭和の商店街みたいだと思った。


イザ「取り敢えずポーションが欲しいな」

ズラ「だなぁ、作るにしても先に何本かは欲しいよな」

シカ「私は食材のお店回りたいかな。

   平均的な値段見ておきたいかも」

ボブ「僕はシカに着いて行くからどこでも!」


て事で 二手に分かれて行動する事になった。

カズラはここでも突然変異の熊で通す事にしたらしい。

1時間もあればいいだろうって事で 1時間後に町の入り口に集合する事にした。


野菜類は1山小銅貨3枚で300レン。

果物類は1山大銅貨1枚で500レン。

お肉は大きいブロック1つが小銀貨2枚で2000レン、小さいブロックが小銀貨1枚で1000レン。

魚は・・・たかっ。1尾大銅貨1枚の500レン。

調味料は塩と砂糖と蜂蜜しかないのね・・・しかも高級品扱いになるのかぁ。

パンはハードパンみたいなのが小銅貨2枚の200レンで丸パンが小銅貨1枚の100レン。


よし、なんとなくの物価は解かったし野菜と果物とパン買って帰ろうかな。

久々の新鮮野菜だし、今日はサラダもつくっちゃおう~。

目的の買い物も終わって入り口に向かえば、イザとカズラはすでに来ていた。


ズラ「買い物は終わったか?」

シカ「うん、終わったよー。そっちは?」

イザ「こっちも大丈夫だ。 戻るか」

ボブ「そうだね!」


帰りながらカズラとイザは自分達が得た情報を教えてくれた。

この町には冒険者ギルドも商人ギルドも無くて町長さんがその役目を代行していてらしい。

素材系のドロップ品は鍛冶屋・武器屋・防具屋でも買取をやっている事。

回復薬は割高に思えたので自分で作った方がいいらしい。

カズラもイザもちゃんと情報まで集めて来て凄いな。

私は食料を買っただけだったから八百屋さんとかで話を聞いてみればよかったなぁ。


ズラ「いいや、シカは聞き込みとかしたら

   うっかり自分達の事話しそうだから止めておけ」

ボブ「そうだよ!さっきだって危なかったじゃないか!」

イザ「何かあったのか?」

シカ「な、なんにもなかったよぉ・・・」

ボブ「八百屋のおばさんに救世主に似てるけど親戚かいって言われて

   返事しそうになってたじゃないかぁ!」

イザ・ズラ 「おぃ・・・」

シカ「ご、誤魔化したから大丈夫だよぉ・・・」

ボブ「八百屋のおばさんがいい人だったからよかったけど、気を付けないと!」

シカ「あぃ、スンマソン」


そう、八百屋のおばさんは「他人の空似でも救世主の子孫だとか思い込む人も居るから気を付けるんだよ」と心配してくれたのよねぇ。

ホント、気を付けよう。

読んで下さりありがとうございます。

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