2:寝起き② ~シカ~
『 この度の事重ね重ね申し訳なく。
せめてもの詫びで住まいは用意させて貰った。
手持ちのバングルには通信機能も追加しておいたので活用しておくれ。
なお、全員信仰心を集め過ぎていたので進化しておるが悪しからず。
今度こそ自由きままに生きておくれ 』
足元に置いてあった手紙を読んで私達は茫然としてしまった。
いやだってね?
もう少し説明欲しくない?
生まれ変わったのでも無く、転移したわけでも無くどうゆう状態なのかなこれって。
シカ「ねぇねぇカズラ。これってどうゆう事かなぁ?」
ズラ「俺に聞くんじゃねぇよ。俺だって解んねぇよ」
ボブ「と言うかさ、カズラいつからパンダになったの?」
ズラ「ほぇ?! ぬぁぁマジでパンダになってる・・・」
シカ「良かったじゃん。カズラずっとパンダになりたいって言ってたし」
ズラ「そうそう、パンダになってゴロゴロして可愛いーって言われてって
そうじゃねぇだろ!」
イザ「笑ってるけどシカさんだってロリ化が進んでないか?」
シカ「ふぇ? マジで?・・・」
ボブ「なんかゆるふわ感が増してる気がするよ」
シカ「えぇぇ・・・」
ズラ「ボブは・・・なんか緑が増えた?」
ボブ「イザは今度は狼の獣人なんだね」
イザ「そうみたいだな。
ところでグレンは?・・・」
「「「そう言えば・・・居ないね」」」
またなの? また姐さんだけ別なの?!
なんで毎回姐さんだけ・・・
ズラ「このバングルで通信してみればいいんじゃ?」
シカ「はっ、そうだね!
姐さーん、姐さーん。もっしもーしっ!」
グレ「はいよ」
シカ「良かった、繋がった! 姐さん今何処?」
グレ「聞きたい?・・・」
ボブ「聞きたい! 僕達は今ね・・・何処だろう此処」
グレ「ぶっ・・・
そっちは相変わらずみたいだな」
イザ「そうでもないぞ。なんと!」
グレ「なんと?!」
イザ「カズラがパンダだ」(笑)
グレ「はい?・・・
何故にパンダ」
ズラ「俺が聞きてぇよ」
グレ「まぁその話はいずれゆっくり聞かせて貰うとして。
自分の現在地はMAPで見れるよ」
シカ「MAP?」
イザ「お、見れた。
ん? ポートリオって何処だよ。あ、ポスなのか」
ボブ「それで姐さんは何処なの?」
グレ「儂は・・・またニブルだな」
「「「 ぶっ 」」」
姐さん、ニブル好きだねぇ。
って違うか。姉さんが選んで行ってる訳じゃないもんねぇ。
取り敢えずは姐さんに各自で自分を鑑定して見ろと言われたので、一旦通信を切って鑑定してみる事になったんだけど・・・
待って? ちょっと待って?
職業が聖女ってなに?
スキルの名前がなんかおかしいのは気のせい?・・・
称号が精霊の愛し子ってどゆこと?
ズラ「ちょ、待て。俺の職業おかしいだろ!
聖獣ってなんだよ」
イザ「俺なんて勇者だぞ・・・」
ボブ「僕は緑の精霊だって!シカは?」
シカ「聞いちゃう? 私、聖女だって・・・」
「「「 ぶっ 」」」
シカ「姐さんは何だったんだろう」
ズラ「聞かなくてもなんとなく想像出来るけど一応聞いてみるか?」
と言う訳で姐さんに聞いてみた。
グレ「あ? 儂? 魔王だけど何か?」
「「「やっぱり・・・」」」
なんとなくそんな気はしてたよ、してたけどさぁ。
これって嫌な予感がしない?
勇者に聖女に聖獣に精霊、そして魔王とくれば・・・
グレ「いいか、目立つなよ? フラグじゃないからな?
絶対目立つなよ。正体知られるなよ?」
シカ「わ、わかってるよぅ~。
魔王討伐とか言われても姐さんに勝てる気しないもん」
ズラ「姐さんと闘おうとすんなよ!」
シカ「解ってるってばぁ・・・」
イザ「これ正体知られたら、俺達VSグレンの構図になるよな・・・」
ボブ「僕そんなの嫌だよ!」
ズラ「皆嫌にきまってるだろ・・・」
グレ「だから正体ばれないように気を付けろと・・・」
シカ「ど、ど、ど、どうするこれから・・・」
グレ「目立たないように、しれーっと冒険者装ってオアシス目指せ。
オアシス、今名前変わってたな」
イザ「解った、オアシス目指せばいいんだな?」
グレ「んだ。先に家だの持ち物だのよく確認しておけよ」
ボブ「あ、そうか。家も貰ったんだっけ」
シカ「ちなみに姐さんの家ってどんなのだった?」
グレ「儂の家? 魔王とくれば?」
「「「 魔王城? 」」」
グレ「んだ・・・」
シカ「ぶぅーっ」
ズラ「マジか」
イザ「それってなんか・・・」
グレ「嬉しかねぇわな・・・」
なんだかまた姐さんが苦労しそうな気がするのはキノセイかな?
取り敢えず通信を切って、皆で家の確認と自分達のスキルやステータスの確認をしておく事になった。
それにしてもさぁ、なんで私が聖女なのかなぁ。
自分で言うのもアレだけど不安しかないよ?・・・
ズラ・イザ 「「 自分で言うなし! 」」
シカ「あれ、声に出てた?」
ボブ 「シカなら大丈夫だよっ!」
シカ「ボブ♡」
ズラ「そうか、ボブは知らないんだっけか」
ボブ「え?なになに?!」
シカ「カズラ!シーッ!!」
そう、あれはまだボブと出会う前だったけ?
姐さんが弓でカズラが盾で私が回復だったのよねぇ・・・
イザたんは残業の日々でINが遅くてさ・・・
3人で狩りに出かける事も多くてさ・・・
よく姐さんが『ひぃーるをくれぇーーーいっ!』て叫んでたのよね・・・
だってスキルのアイコンが覚えられなかったんだもん・・・
老眼で見えなかったんだもん・・・
それにあれはカズラも悪いんだよ?
『大丈夫大丈夫、まぁーだ大丈夫』とか言って装備強化してないんだもん。
いくらヘイトスキル使っても火力が出なきゃ・・・ね?(イザの受け売り)
そんなもんだからいっつも姐さん瀕死でさ、回復薬もガブ飲みだったなぁ(白目)
ボブ 「えぇぇ・・・ そうなの?!
僕は大丈夫だからっ! 死なないから!ね?シカ!」
シカ 「ハッ、だ、だだ、だだだだいじょぉ~びゅだよ・・・」
ズラ 「イザ・・・回復薬って売ってるかな?」
イザ 「明日探して売ってなかったら作れるか考えよう」
シカ 「だ・・・大丈夫だよ!アイコンじゃないし!」
大丈夫だって。スキル詠唱するだけでしょ?
あ、スキル確認しておこう。
ステータスオープン! スキル一覧は・・・っと。
キンキラLV1/10:外傷と体力の回復
コンコラLV1/10:状態異常の解除
キンコラLV1/5:光属性の攻撃魔法。小さな光の玉でダメージ(小)
コンキラLV1/5:光属性の攻撃魔法 前方扇型範囲攻撃でダメージ(中)
キンキラコンコラLV1/6:ランダムで補助魔法バフを付与する。
ぶはっ、ちょっとなにこれ。
普通にヒールとかキュアとかでよくない?
なんでキンキラ・・・
あ・・・
これってあれかな。
VCで混乱とか麻痺の時に咄嗟の言葉がでなくて
「キンキラコンコラしてる!」って言ったあれなの?!
もっと普通で良くない?ねぇ、なんかおかしくない?
普通にヒールとかキュアとかクリアとかでよくない?
(大事な事なので2度言ってみる)
むしろこれだと覚えにくくない?ねぇねぇねぇ?・・・
大丈夫かな・・・最悪キンキラだけでもいいよね? 駄目かなぁ?
とスキルを眺めて溜息ついてたら誰かのお腹が鳴った。
ぐぎゅぅぅぅぅぅっ
そう言えば・・・お腹空いたよね。何か食べ物あるのかな。
まだ家も確認してなかったし・・・
家の中確認したら何か食べ物があるかも?
読んで下さりありがとうございます。




