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1:寝起き① ~グレン~

第三部始まります。

皆これまでの憂さ晴らしかの様に、今度は自分達の事を優先して動・・・くのかなぁ。

そしてグレンとシカさんは相変わらずです。

巻き込まれていくクインの反応が楽しみな作者だったりしますw

宜しくお願いします(*'ω'*)

静かな真っ暗な闇の中で、聞こえるはずの無いアンコの声が聞こえた気がした。

元の世界で飼っていた黒サビのアンコたん。

ホント聞こえるはずないのにな・・・


【かぁたーん!助けてにゃぁぁぁぁぁぁ】


アンコたん?!

今度はハッキリと聞こえた。

気のせいじゃない!


儂は沈んでいた意識を急いで浮上させる。

『まだ無理をしては・・・』

イシュカ神の声が聞こえた気がするがうっさいわ!


アンコたん何処?

アンコたんを思い浮かべれば儂の意識はそこへと飛んでいく。

目に飛び込んだのは・・・

アンコたん?!

ちょ・・・あんた足は? どうなったのそれ・・・

なんでそんな姿になってるのさ。

ああ、家の中にマロが見える。

マロもなんでこの世界に居る・・・ってそうか、もう1人の儂と一緒に来たのか。

なるほど、アンコたんはマロや子猫達を守ろうとしてるのか。

そこのドグサレ野郎のせいか・・・

今すぐ吹っ飛ばしてアンコたん回復させなきゃ・・・


でも悲しいかな、儂の魔力はまだ回復してないらしくてプスンと魔法は発動しなかった。

くそったれめ。


「アンコたん!アンコたん!」


もう1人の儂の声が響く。

見ればアンコたんの目は白く曇っていた・・・


ぬあぁぁぁ

このクソッタレのドグサレ野郎がぁぁぁぁぁ!

魔法が使えないなら物理でいったるわな!


オラァァァァ! ドッコォーンッ!


(シーカシカシカシカシカ、シカサンやー!緊急事態発生!)

(はいこちらシカさん、って姐さん?!)

『あいや、待たぬかグレン』

(うっさいよイシュカ神、それどころじゃないんだよ)

(ね、姐さん?・・・)

(ちょっとここまで来てヒール頼むわ、儂まだ魔力回復しとらんで使えんのよ)

(え?行くってどうやっ)

(おいでませ、シカさんや!)


サモン召喚の要領で呼び寄せて見れば、ぼぼんっと何故かボブまで現れた。

ちっ、幽体でもいちゃついとるんかーいっって今はそうじゃなくてだな。

ぽいっとシカさんを怪我人ならぬ怪我猫の前に放り投げる。


『 やぁ初めまして、儂はグレン。なるほど、もう1人の儂か。

  詳しい話はまた後日って事で。

  取り敢えずこのドグサレ、適当に処分しておく。

  アンコたんは、儂が連れて帰ってもいいかな? 』


儂は説明もなんも端折ってアンコたんを連れて行く事だけ伝えた。

魔力が無いとあまり長い事この状態を保てないらしいからね。

泣きたいけど泣くのは後回しだ。

アンコたんを抱きかかえて、ドグサレ野郎を蹴りながら

『相変わらず人間もガルドも阿呆だな、守ってやる意味ないんじゃないかこれ』

と愚痴を洩らした。


再び闇へと沈む前にドグサレ野郎はガルドの城へと蹴り飛ばした。

後はどうなったかなんて知らん。

アンコたんは儂と一緒にこのまま眠ってもらおう。

魔力を蓄えて戻ったら、サモンとしてまた会おうね。

アンコたんの魂はハイラさんが保護しておいてくれると言うのでお願いした。


そして再び闇へと沈み魔力を蓄えるはずだったのに・・・


ドンガラガッシャンと仲間達の石像がぶっ壊された。

安眠妨害とか勘弁して欲しいんだが。

と言うかだな・・・

この野郎・・・勝手に石像作って祀っておいて今度は壊すのかよ。

プチッと血管が切れた(気分的に)

もう知らねぇ、知ったこっちゃない。

イシュカ神、後は自分達でどうにかしてくだせぇな。

儂は儂で好きにさせてもらうよ。

白の世界樹、あんたも自由になればいい。


魔法はまだ使えないかもだけど、物理攻撃は可能なのはドグサレで実証済みだ。

デューン、バハ様、ゲイザーくん、もう起きちまおうぜ!

やってらんねぇわ。

あー、イシュカ神約束果たしてくださいね?果たしてくれますよね?

儂等起きるからさ、皆も起こして下さいね。


ぬぁあ、よっこらどっこいせっと!


ドンッ ぐらぐらっ ばふぉんっと黒の世界樹は粉々になって消えた。

はい、儂ふっかーつ!




「で?・・・

 此処は何処?」


普通さ、黒の世界樹があった場所に降り立つと思うじない?

違うんだよ、此処どこ?・・・

ハラリと足元に手紙が落ちてきたので手に取り読んでみる。


『 この度の事重ね重ね申し訳なく。

  せめてもの詫びで住まいは用意させて貰った。

  手持ちのバングルには通信機能も追加しておいたので活用しておくれ。

  なお、全員信仰心を集め過ぎていたので進化しておるが悪しからず。

  今度こそ自由きままに生きておくれ 』


いや住まいは用意したって、そうじゃなくて。

せめてここは何処か教えてくれよぉ・・・

そもそも住いっていうかさ、これどうみても城じゃね?

城とかいらんし!

それに進化ってなにさ?

鑑定してみれば解かるか?


【 職業:魔王  種族:魔族  年齢 ひ・み・つ♡


   スキル: 闇属性・未知数

        想像力による


   特殊スキル: 女王の逆鱗:ちょっと滅しちゃう?

          鑑定: 対象物の詳細を確認する事ができる

              但し自分よりLVが上の人物は対象外

   称号: 魔神の愛し子


         ※LVUPにてスキルは増える予定

         また一定Vに達すると進化するかもしれない  】


待って?

何処から突っ込んだらいいかな?

まず職業の魔王って何?

種族:魔族ってもぉ人外じゃないか?

そもそも年齢秘密にする意味ないと思うしその♡はいらんだろ。

スキルの未知数ってのも訳判らんし、想像力によるってチート過ぎやしないか?

しかも特殊スキルの女王の逆鱗てなんだよ。

ちょっと滅しちゃう?とか可愛く描いてもぶっそうだろ、おぃ。

鑑定はこれまで通りでまぁいいとして。

称号の魔神の愛し子ってなにさ。

いやこれはなんとなく想像つくかも。

バハ様ついにこの世界でも魔神になったて事じゃないのか?・・・


これさぁ、もしかして皆もこんな感じで人外になってるとか?

うわぁ、ありえそうだ・・・


ところで魔王になってるって事は見た目も変わったって事だろうか?

( ・・・ )

そう言えばクインが「うわ、魔王だ」とか言ってたような・・・

鏡はどこかに・・・  あったわ。

どれどれ。

なんだ、あんまり見た目は変わってないじゃないか。

ホワイトブロンドの髪に真紅の瞳。

ん?・・・

角生えてる・・・

なんなら小さな羽まで見える。

まさか自力飛行出来たり?

バサッ!

うわぁお、伸縮自在なのかこの羽。

焦った、狭い場所で広がらないように気を付けないとだな。


よし、次は外をみてみよう。

見えた景色でおおよその場所くらいは解かるだろう。

と、玄関らしき場所を出て見れば・・・


ニブルのようでニブルではないような?

地図って無いのか地図って・・・

ピコンッ

ゲームのMAP画面みたいなのが浮かび上がった。

便利だなこれ。

えーっと、現在地は・・・

ニブル大陸が魔国って表示になってるし!

んで王都がニブル?

あれ、なんかドラグ島って新しい島が出来てるし。

いやそれは後でじっくり見るとして、現在地は?

王都のど真ん中・・・

ですよねー、城だしそんな気はなんとなくしたけどもっ!


なんだかもぉ1人だと混乱しまくってる気がする。

よし、ここはバハ様やデューンも呼ぼう。

アリアンはどうなんだろう、呼べるのかな・・・


バハ「既に皆揃っておるが?」

グレ「ひえっ、びっくりした・・・」

デュ「進化だか昇格だか分らぬが、魔王の四天王とやらになっておる」

グレ「はい?」

アリ「私とゲイザーも四天王となっておりますね」

ゲイ「きゅっ」

グレ「四天王って4人よね?

   デューン、アリアン、ゲイザーくん。後1人は誰だろう」

リヴァ「何故か私だな・・・」

グレ「ぶはっ、リヴァさんか」

バハ「我はこの世界の魔神とやらになったらしいのでな。

   ふっ、これで遠慮なく動ける」

グレ「いやバハ様今までも割と自由だったよね?・・・」

バハ「そうでもないぞ?」

グレ「あれでまだ我慢してたのか・・・」


なんだかよく解らないことになりつつあるが、気にせず皆で城を見て廻る事にした。

読んで下さりありがとうございます。

誤字報告なども有難うございます。


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