表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

122/167

22:ある意味噴火?

翌日町の中の色々なお店を見て廻っていると、町長さんと出会った。

町長さんはトロルで名前をガブリエルと名乗った。

町長さんの母親がボブさんに育てられたそうで、血の繋がりはないけど祖父になるのだと言っていた。

だからその祖父の名に恥じないように、皆で協力してボブさんが生まれ育ったこの町を守っているのだそうだ。

町の規則として【困った時は助け合い他力本願にはならない事】と決めているのだそうだ。

ならばと皆で頷き合って、私達が此処に来るに至った経緯を話した。

異世界から来たとかボブシカさんの幽霊?と話しただなんて信じて貰えるかは不安だったけど、何の事は無い。

アッサリと受け入れられた。


「そういう事でしたらカズラさんとアリアンさんの息子さんも呼んで話しませんか?」


と提案されたので是非にとお願いした。


結果としてその他にもボブさんが育てたバジリスクの子供や孫、サラマンドルご本人(ご長寿だった)と言った救世主に縁のある人々が集まった。


若かりし頃のボブさんの話や往年のカズラさんの話、グレンさん以外が短期間だけどここで過ごした時の話なども聞かせて貰う事が出来た。

サラマンドルさん本人から聞かせて貰えるので、へんな噂話なんかよりも面白かった。

サラマンドルの寿命は1000年以上もあるそうで、まだまだ若い者には負けぬと張り切ってらっしゃった。

という事はさ、もしかしたらサラマンドルさんはボブさんと再会できるかもしれないね。


そして家は有るので何処か空いてる場所があれば借りたいと相談してみれば、カズラさんとアリアンさんの息子であるカズキさんの家の隣を貸して貰える事になった。

賃料の相談しようと思ったら、そんなもの貰ったらボブさんやカズラさんに怒られると言われてしまった。


「母はグレンさんの事をとても大事に思って居たそうですし

 父もグレンさんには頭が上がらなかったそうです。

 そんなグレンさんと縁が深いクインさんから賃料なんて貰ったら

 私があの世で両親にどやされてしまいます」

「そうですよ、祖父にしたってきっと怒ると思いますし」


そんな事を言われてしまえば、それでも払うなどとは言えなかった。


今でもボブシカさんの子供や孫達、フィンドゥリルさんとライカさんの子供達とは時折連絡を取り合っているのだそうだ。

皆さん元気に暮らしているそうだ。

そしてこのボルケーノを含めた救世主の子孫が暮らしている町や村では竜を祀っているのだそうだ。

理由は「彼等を祀って居たら本気で怒られそう」だからだそうで、それならばとバハムートさんを祀る事にしたのだそうだ。

人型にしなかったのは夢で「やめてくれ」と言われたからだそうで。

凄いな、夢で訴えて来るんだ・・・

まぁでもバハムートさんならある種の神だしね。

ふむ、私も祀っておこうかな。


「じゃぁ僕が彫るね!」


クロが張り切っていたのだけど、家を設置してみればちゃっかりとフィギアの横に真っ黒な竜が鎮座していた。

誰が置いたのやら・・・

まさか本人ではないだろうしね?


こうしてボルケーノでの生活が始まり1週間が経過した頃。

ドンッと下から突き上げるような衝撃の後にグラッと揺れた。

ほんの2~3分だったと思うけど何が起きたのだろうか。

火山噴火でも起きた?

慌てて家の外にでて見るけど、ここから見える山は静かなものだった。

だったら地震?

幸いにも倒壊したとか半壊したとかの家は無く、怪我人も居ない様だったので安心した。


ここでの生活は割とのんびりしたものだった。

町の中で店舗を1軒借りて、マロのマッサージ店&木工細工のお店を開いた。

私とハンター組は週に1~3度狩りに出かけたり、町の周囲をパトロールと言う名目の散歩をしたり。

たまに依頼を受けてみたり、手が空いてる子達で店番をしたりしている。

マロのマッサージ店はマロが疲れないように1日限定5名まで。

本当にのんびりと暮らす事が出来ている。


そして地震の事も忘れかけた頃、アンコたんが行き成り現れた。


「かぁたん大変にゃぁぁぁぁって、ここお風呂だニャ!

 いにゃぁぁぁぁ、濡れるニャ!」

「ぶっ」


頭に乗るのは止めてもろて・・・

かぁたん溺れちゃう、窒息しちゃう・・・


「あ、ごめんニャ・・・」


と言うか、アンコたん?・・・

幽霊?は濡れないんじゃないかな?

いやそれなら重さもないはずよね?

あれ?・・・


「もう1人のかぁたんのサモンになったのニャ!

 って、今はそれどころじゃないのニャよ」


アンコたんの話を聞いてみれば、救世主達の石像をガルド王がぶち壊したのでグレンさんが激怒して復活した?

え? 自力で復活とか出来るもんなの?

バハムートさんやデュラハンさんまでもが激怒してその勢いでゴリ押して復活って・・・

他の皆さんも復活した? マジか。

ただフィンドゥリルさん、ジークさん、ライカさんは元々この世界の住人なのですでに記憶を持たずに転生済み。

なるほど、輪廻転生ってやつか。

あれ? ボブシカさん、カズラさん、イザさんは輪廻転生しなかったのかな?

グレンさんと神様の約束?

グレンさんが目覚めた時に1回だけ当時の姿のまま復活するけどその後は普通に輪廻の輪に戻ると。

なるほど? 解ったような解らないような・・・

取り敢えずは皆復活したって事でいいのかな?


「そうなのニャ。

 ただゴリ押しで復活したから場所が・・・・」

「場所が?」

「もう1人のかぁたんだけ違う場所に吹っ飛んだニャ」

「ぶっ・・・」


なんでまた1人だけ・・・


「それとまだあるのニャ」

「まだあるって、何が?」


聞いて私は眩暈がした・・・

なんでそうなった?

いやそれ絶対本人達は望んでないでしょ・・・


「取り急ぎかぁたんに報告ニャ。

 他の救世主の子孫達にはまだ内緒なのニャよ。

 それであたちはこのままかぁたんとの連絡係にしてくれたのニャ。

 また一緒に暮らせるのニャ~」


え? ずっとここに居て大丈夫なの?

サモンてずっと具現化させるなら魔力が膨大に必要になるんじゃ?


『それなんだけどさ、アンコたんのご飯は1日1回茶碗1杯分の魔力で宜しくねー』


へっ?! グレンさん?

今グレンさんの声が脳内に直接響いたような・・・


『魂レベルで縁があるからアンコたんを経由して念話モドキが出来るっぽい』


何それ、便利だけどチート過ぎない?


『いやもぉ儂からすれば今更な感じかな』


な、なるほど? 確かにさっきの話からしてそうかも。


『あー、あとね。グレンと呼び捨てでいいから。

 儂もクインて呼ぶし。どうせお互い自分な訳だし?』


確かにそうだけども・・・

まぁ自分をさん付けで呼ぶのも変かぁ。

じゃぁそうさせてもらおうかな。


『取り敢えずこっちもドタバタしてるからまた連絡いれる。

 しばらくはそこでのんびりしてて』


了解、グレンも無理しないでね? しそうだけどしないでね?


『うん、今回はもうしないよ。じゃぁまたね!』


などと会話をしていたせいで、私はのぼせてしまった。

立ち上がれなくなってアンコたんが慌てて皆を呼びにいったのだけど、そこでまた皆が驚いてアンコたんに話しかけるものだから私が助け出されたのはさらに10分後の事だった。


「かぁたんごめんニャ~」

「かぁたんしっかりしてなのにゃぁ~」

読んで下さりありがとうございます。

第二部はここまでです。

クインだとあまりコメディにはなりませんでしたねぇ(;´Д`)

猫をネタにすると収集つかなくなりそうだったんです・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ