8:見分け方を教えて貰った
「すみません、話が脱線してしまいまして・・・」
「いやいや、気にしなくていい」
「それで話の続きなのですが・・・
1つは税金の事なんです。税金はどうゆう仕組みでどこで支払えばよいです?」
「税金か」
聞けばこの国の税金は2種類しかなくて
1つは赤ん坊から高齢者まで国民なら全員が支払わなくてはいけない税金。
いわゆる国民税だよね。
未成年だと5000レン、中銀貨1枚。成人済みだと10,000レン、大銀貨1枚。
年額なので良心的だと思う。
もう1つは領都や王都などの大都市に住む場合に払わなければいけない税金。
これはたぶん都内の23区で発生する特別住民税みたいなものだろう。
大都市だと整備とかにもそれだけお金かかるもんね。
領都だと10.000レン、大銀貨3枚。 王都だと50,000レン、大銀貨5枚。
これも年額。
国民税に比べて高いように思えるけど、日本の税金に比べればものすごく良心的だと思う。
それに大都市に住むのであればお貴族様や豪商などの金持ちが多いだろうし、小さな商店であったとしても地方よりは収入も多いはずだから払えない額ではないと思う。
と言う訳で私は国民税だけ払えばいいらしい。
支払いも銀行で毎年1月に支払えばいいのだそうだ。
私達の場合、新生児と同じで今年の税金は免除扱いになるとの事だった。
なんだか申し訳ないような気がする。
「それでもう1つの聞きたい事ってのはなんだ?」
「それなんですけど・・・
鰐獣人とリザードマン。犬獣人とコボルト。
狼獣人とウェアウルフ・ライカンスロープ。
彼等の容姿って似てるじゃないですか、どうやって見分ければいいのかなと」
「ああ、あれは慣れるまで解らないよな。
目だ、目の色で見分けるといい」
「目の色ですか?」
「採光が赤ければ魔族、他の色であれば獣人」
「なるほど、ウェアウルフとライカンスロープの見分け方は?」
「・・・」
「え?」
「俺にも解らん・・・」
「おぉぅ・・・」
「まぁ日常的には名前で呼ぶし種族名で呼ぶこともないからな」
「確かに!」
それにいざとなれば鑑定すればわかるよね。
と、納得して家に帰る事にした。
「それではシオンさん、ありがとうございました。
改めて宜しくお願いしますね」
「ああ、宜しくな。
何か困り事があればいつでも遠慮なく相談に来てくれ。
俺の家は門の真横だからな、迷わずすぐ来れるだろ?」
示された方向を見れば見張り塔兼住居があった。
町長と言うから大きな屋敷にでも住んでいるのかと思ったら庶民派だった。
ムー〇ンの家みたいだと思った、可愛いな。
門番は合計で5人。2人1組で交代勤務になっていて
非番の時は家で町長としての執務をこなしていると言うから驚きだ。
いつ休んでいるのだろうかこの人は。
今度何か差し入れでも持って来よう。
シオンさんに見送られ町を後にする。
とは言え10分も歩けば家なんだけどもね。
「かぁたん疲れてない? 背中に乗る?」
「ん? ハチの背中? おんぶって事? さすがにこの齢でおんぶはちょっと」
「おんぶじゃないよ?」
ハチが ん~っ と背伸びをするとばふんっと虎になった。
「え?・・・」
「んん? かぁたんどうかした?」
「いや・・・ハチが虎に・・・」
「うん、スットコ様がサービスしとく!って言ってた」
「はぃ? サービスで虎? え? 進化? え? え? えぇぇぇ
一応聞くけどハチだけだよね?他は普通に猫獣人よね?」
「・・・
ボク ヨク ワカンナーイ」
「・・・・」
取り敢えず背中に乗せて貰った。
私が知ってる虎よりも二周りくらいデカい。
もぉね、嫌な予感がする。と言うか嫌な予感しかしない。
帰ったら絶対全員の鑑定しよう、そうしよう。
帰宅すれば皆リビングでゴロゴロとしていた。
丁度いいから鑑定をしてみる。
・・・
・・・・
・・・・・
どこからどう突っ込めばいいかな?
まず言いたい。獣人の状態では今まで通りの毛色で猫獣人だよね?
なのに何故にビーストモードになったら別物になるのかな。
ビーストモードでも同じ毛色の同じ種になるんじゃないの?!
え?違うの? この世界だと違うの? ねぇ誰か教えて!
ジャイアントジャガーやジャイアントチーターは解る。
絶滅した古代種だよね?
サーベルタイガーも有名処だから知ってる。
でもさぁ・・・
ゼノスミルスって何?
ケイブライオンて何?
いやこれはライオンて付いてるからライオンなんだろうけども。
ホモテリウムとかマカイロドゥスとかスミロドンってなにぃぃぃぃ?!!
ホモなんちゃらとかなんちゃらドンって付いてるからまさかの古代種?
恐竜時代の猫科動物? いやもぉ恐竜かもしれない。
「ちょっと獣人組、皆庭に出て貰ってもいいかな?」
「かぁたんどうしたのにゃ?」
「うん、ちょっと確かめたい事があってね?」
「わかったのにゃ」
獣人組皆に庭でビーストモードになって貰った。
・・・
・・・・
・・・・・
チーンッ
『 ああ、これはいかん。しっかりいたせ! 』
『 皆で魂を押し込むのだ! 』
『 これ! 気をしっかり持たぬか! 』
ぐいぐい ぎゅぅぅっ ぎゅっぎゅっ
「「「「「 かぁたん!! 」」」」」
ハッ、魂抜けかけてた。
3神が見えた気がする、気のせいかな・・・
あぶないあぶない。 昇天するところだったよ。
うん、間違いなくあの名前であの見た目。
恐竜時代に居た古代種だね・・・
なんで絶滅した古代種にしたかなぁ、いや強そうで格好良いけども!
同じ絶滅種なら身近なニホンオオカミとかフクロオオカミとか・・・
駄目か猫科から犬科は無理があるか・・・
少しして気持ちは落ち着いた、たぶん。
元の世界なら大パニックだろうけどここは異世界ファンタニア。
魔獣や魔物がいるんだし絶滅した古代種が居たっておかしくないよね!
よし、OK! なにがOKなのかは謎だけど自分にそう言い聞かせた。
古代種だろうが何であろうがこの子達はこの子達だし。
猫の姿がみれないのはちょっと残念だけど
ありのままを受け入れようではないかっ!ハッハッハッハッ
「かぁたん?
あたち達普通に猫の姿にもなれるニャよ?」
え? そうなの? 切り替えが出来るって事?
えぇぇ・・・先にそれ言ってよぉ・・・・
3神 「・・・」
スットコ神 「あれ?私伝え忘れた?」
アヌビス神 「それ以前の問題であろう!」
バステト神 「進化させるにしても何故一言相談せなんだ!」
トト神 「あのままクインが昇天したらどうするつもりだ!」
スットコ神 「大丈夫だよぉ~、その時は私のつれあいに」
3神 「却下!!!」
読んで下さりありがとうございます。




