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3:皆と無事合流、よかったよぉ

うぅ~・・・重い、苦しい。のいてマロ。


ふみふみふみふみ ふんふんふんふんっ ブシュッ


「ぶぇっ、マロ水(鼻水)飛ばさないで!」


はっ!

自分の声で目を覚ますと視界に飛び込んで来たのはマロの顔だった。

マロ?


・・・


・・・・


マロ?!


なんでマロが此処に居るのよ!

ってさっきの雪原じゃない?

フカフカの布団にベット?

おやぁ?


いつもの様にマロが私の胸元で蹲って・・・

ああ、やっぱり夢だったのかと安心しかけて・・・


ガバッと布団を跳ねのけて飛び起きる。

違う、私の布団はこんなにフカフカではないし、マロもこんなに大きくはない。

そしてこんなお洒落な部屋でもない。

そう、部屋の中は白を基調としたロココ調の家具が置かれているのだ。

もしかしてスットコ神のセンス?

うわぁ、乙女趣味!

若い子なら喜んだと思うのだけど、私5〇なんですが?

5〇のおばさんがこんな乙女趣味とか痛々しいじゃないか・・・

そう5〇のおばさん・・・

の割には手とか張りがあってスベスベよね?

そう言えば視界もはっきりとしているし、腰痛や膝痛も無い気がする。

マロも毛並みが艶々とまるで若い頃の様に・・・

はっ、そうだった。神様にお願いしたんだった!

ベットを抜け出しドレッサーの鏡で確認をしてみる。


「おぉぅ・・・誰コレ。私なんだろうけども」


鏡の中の私は若返っていたし、なんとなくの面影は残っているけども中性的で洋風なファンタジーに出て来そうな姿になっていた。

どことなく私がゲームのキャラメイクで作るキャラに似ている気がしなくもない。

つまり私好みに仕上がっている訳だ。

うん、これはきっとスットコ神のセンスではなくあの3神のセンスなのだろう。


「あ、かぁたん起きたかにゃぁ」


声のする方へ顔を向ければ・・・

黒猫の獣人少年? しかも長毛。

という事は?


「僕 ちょこだよ」


わぉ、ちょこなの?!

可愛いじゃないかっ!


「うん、そうだよ。皆もリビングに居るよ」

「あ、そうなんだ。皆も居るんだ。良かったぁ。

 いや、待って?!

 マロは猫のままだけどなんでちょこは獣人に?!」

「んとねー、僕達外猫は皆獣人になってるよ?

 でも家猫のマロ兄たんとねぇねとキナ姉たんとチロ兄たんは

 去勢避妊してるでしょ?

 だから獣人には出来なかったんだって神様?が言ってたよ?」

「そ、そうなんだ」


つまり繁殖能力が有るか無いかが別れ目だったて事?


・・・   マジ?


考えてみればそれもそうか、この世界で去勢避妊手術とか無さそうだよね。

ましてや獣人でそれやる必要なさそうだしね。

えー・・・

マロ、アンコ、キナ、チロ、なんかごめん。


「別に気にしてないニャ。

 こうやってかぁたんと話せるし

 若くなったからかぁたんともずっと一緒に居れるニャ」


おぉぉ、マロが喋った!

鳴き声と一緒でちょっと高めで可愛い声だった。


「かぁたん起きた? 遊ぶ?遊ぶ?」


この感じだと・・・チロ?

振り向けば子猫に戻ったチロが走って来た。

ぐふっ、可愛すぎる。

チロは元々若かったけど、そうかぁ子猫に戻っちゃったかぁ。

あれ?

でもこの大きさだと生後3~4ヵ月よね?

て事は去勢出来る年齢では無くて・・・タマタマ有るんじゃ?

左手で抱えあげて、右手でぴろっと尻尾を捲って確認してみる。


「いにゃーんっ」


うん、タマタマ無かったわぁ・・・抜け殻だったわぁ・・・


「もぉかぁたん、何してるのにゃ。

 ほら、起きたのなら顔洗って着替えるにゃよ」


ポスンと肩に乗って来たのはキナか。

キナも少し若返っていた。

でも相変わらず爪を引っ込めるのは下手なのね・・・


「キナたんや、かぁたんは爪が刺さって痛いね?」

「ぅにゃ? あらやだ。ごめんにゃぁ」


キナに促されて洗面台へ向かい、顔を洗った後に着替え・・・を・・・


うわぁおっ!


クローゼットを開けてみれば、なんかフリフリなドレスがズラリと入っていた。

無理無理無理無理!

こんなロリータファッションみたいなフリフリピンクドレスとか無理ー!!


『 だから申したではないか! 』

『 えー、でも女性はドレスが好きなんじゃ・・・ 』

『 あの者は好まぬと申したであろう! 』

『 えー、似合いそうなのにぃ 』


ん? 空耳? 

今神様達の声が聞こえたような?

いやいや、まさかね。あまり干渉出来ないって言ってたし。


と思ったのに。

シュパッとフリフリドレス'Sが消えて パパッと動きやすそうなシンプルワンピースが現れた。

膝下20㎝くらいの丈で横にスリットが入っている。

他にもキャミワンピやチュニックもあるな。

色も落ち着いた風合いの物がズラッと並んで・・・

並んで・・・

並びまくっている?

多すぎないかな?

まぁあっても困らないか。たぶん・・・

出来ればワンピースの下に履くスパッツも欲しかっ・・・ ぽぽんっ。

ぶっ

現れたね・・・

靴もハイヒールの物からサンダルやスニーカーっぽい物へと変わった。


これは・・・

やっぱりさっきのは空耳じゃ無かったんだ。

3神様、フリフリドレス回避してくれてありがとうございます!

そして私の好みを把握していてくれてありがとうございます!

ついでにスットコ神もシンプルワンピースに差し替えてくれてありがとう。


じゃぁ今日はモスグリーンのワンピースにしようかな。


着替え終わってリビングに向かうと皆揃っていた。

おぉ~!!

もれなく皆若返っている。


「「「かぁたん!」」」


ばふんっと突進して抱き着いて来る。


「ぐふっ・・・」


誰かの頭が鳩尾にメガヒットした。


「うん、嬉しいけどね?

 かぁたんちょーっと苦しいかな」


なんとか落ち着かせて引きはがし、皆でラグの上に座った。

そして皆が口々に聞かせてくれた。


あの雪原に戻されたのはやっぱりスットコ神のミスだったようだ。

皆はちゃんとスットコ神が用意してくれたこの家に降り立ったらしいのだけれど

私が見当たらずに慌てたらしい。

そして体が一番大きいハチが代表して探しに向かい

バステト神の声に導かれて雪に埋もれかかっていた私を発見し

掘り出して家まで運んでくれたそうだ。

距離にして2㎞くらいだったらしい。


「ハチたん王子様みたいで恰好良かったのニャ」

「あれがきっとお姫様抱っこてゆうのにゃん」


そっかぁ、ハチありがとう~!

って、お姫様だっこなんて、なんで皆知ってるの?!

TVかな? 映画かな? ゲームかもしれない・・・まぁいいや。

いや、外猫だからTVもゲームも映画も見てないよね?

気にしたら負けかもしれないと気持ちを切り替え

感謝の気持ちを込めてハチの頭をワシャワシャと撫でる。

ハチは茶トラの白ソックスだから、獣人になると虎っぽく見えるね。

うん、格好良いよハチ!


「ハチだけずるい!僕も格好良いもん!」

「あたちだって負けてにゃいもん!」

「僕だってさっき可愛いって言ってもらったもん!」


あー、そうだよね。1人だけ褒めるのは駄目だよね。ごめんごめん。

皆可愛くて格好良いよ!大好きだよ!


「「「「「 ぐるなぁ~んっ 」」」」」


よし、満足そうだ。

スットコ神 「え?私スットコ神に名前確定なの?!」

バステト神 「いたしかたなかろう」

スットコ神 「えー、しかもお礼とかついでにって言われたしー」

バステト神 「それもいたしかたなかろう。

       そもそもお主が」

スットコ神 「あー。はいはい!解ってますよー。

       私のミスですし力不足ですよー。

       だからちゃんと見守るし、こっそりフォローもしますってばぁー」

バステト神 「お主だけでは不安だからな。我も見守る」

スットコ神 「うぅ・・・お願いしますぅー」 ぐすんっ


読んで下さりありがとうございます。

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