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1:未知との遭遇?

第二部、テラ7のグレンことクインの物語が始まりました。

部隊はグレンが黒の世界樹となって600年後のファンタニアです。

相変わらず文章力、語彙力の無いつたない作品ですが、趣味の範囲で書いているのでご容赦下さい。

暇潰しで楽しんでいただければと思いますので*´∀`)ノ ヨロシクオネガイシマス♪

ヒュオォォォ



寒風が私の頬を撫でていく。

さっむっ!

見渡す限りの雪 雪 雪、そう、たぶんこれ雪原。

なんで?!

ここは何処! 私は誰! あ、いや私は私だよね。


猛暑日真っ盛りの7月、猫の為に家内禁煙にした私は玄関先で一服していた。

竜巻の様な突風に煽られて思わず目を閉じ、再び目を開けた時にはこの真っ白な景色の中に座っていた。

勿論半袖Tシャツにジーンズ、サンダル履きで片手には煙草。

まるっと夏仕様の私が何故一瞬で雪景色の中に座っているんだろうか。


誰か説明求むー!

説明求むー!

求むー!

むー!


ヒュオォォォ


・・・


ってそうよねー、周囲には誰か居る訳ないよねー。

居たら見えるだろうし。

いやこれどうしよう、困ったな。

取り敢えず一服して落ち着くか。


・・・

マジ?・・・

凍ってて煙草も吸えやしない。

煙草が凍るような外気温の中に半袖?

いやいや死ねる・・・


こんな場合は・・・

思い出せ、今まで見た災害パニック映画や遭難サバイバル映画を!

雪山で飛行機墜落とか、嵐で船が無人島に漂着とか。

主人公達はどうしてた?

体温の保持と飲み水の確保、だったような?

体温の保持と言っても衣類や毛布なんかは無い訳だし。

かまくらでも作る?

かまくらまでいかなくても風を避けれる穴でもいいよね。

ん?・・・

手で掘るの? 凍傷になりそうだけど凍死よりはいいか。

体勢を整え直して膝をつき手で雪を掻き始める。


ぷるぷるぷるぷるっ


アニメの様に手の先から全身へと震えが広がる。

冷たいを通り越して痛いと感じた。

どの位掘ればいいだろう、それ以前に積雪何㎝くらいあるんだろうか。

体が隠れるくらいまで掘れればいいんだけど。

などと考えた瞬間

ペキペキと嫌な音がしてバシャと冷水、いや氷水?に私の体は沈んで行った。

カナヅチな訳ではないけれど

あまりの水温の低さで体を動かす事さえ出来なかった。


ああこれ死ぬな私。

そう意識し目を閉じた瞬間 ふわりとした温かさに包まれた。

へ?


「すまぬな、駆けつけるのが遅くなってしもうて」


柔らかなハスキーボイスが聞こえた。

ゆっくりと目を開ければ、私はアヌビス神に抱きしめられていた。

たぶんアヌビス神。だと思う。

ああ、やっぱり実物のアヌビス神は格好良い。

いやそうではなくて!


「何故にアヌビス様が此処に?

 と言うか何故に私はアヌビス様に抱きしめられて・・・

 あぁぁ、溺死だか凍死だかしかけてたから。

 ん? 私死んだ?・・・

 だからアヌビス様がお迎えに?

 いやでも私エジプト神信仰じゃないし・・・」


「それについては説明させる故、まずは落ち着くのだ」


「あ、はい」


とは言えアヌビス神に抱きしめられて落ち着ける訳が・・・

落ち着けたわ・・・ヒーリング効果でもあるのだろうか。


アヌビス神は少し移動し私をソファらしき物に座らせた。

そしてやっと気付いた。

目の前で土下座している人ならざる存在感をかもし出す人と

その人の頭をグイグイ右足で押し付けている(たぶん)バステト神。

これはどう言った状態なのかと思ったけど、アヌビス神が説明させると言っていたので説明を待つ事にした。


・・・ 


・・・・


・・・・・


なにこれ、説明始まらないんだけど。

え、私から何か問いかけ無ければだめな感じ?


「バステト、少し力加減をせい。

 顔が埋もれてしまっておるではないか。

 それでは説明させることも出来ぬ」

「む?

 それは失礼した」


やっぱりバステト神だった。

バステト神は足に込めた力を少しだけ緩めた。


「ぷはっ。死ぬかと思った」

「其方も神の端くれなら死ぬハズあるまい」

「早う説明いたせ」

「はーい」 ゴホンッ


『今君が居るのはどこの世界にも属していない神々の領域

 解りやすく言えば天界とか神界とか神域と言えばいいかな。

 僕はファンタニアと呼ばれる世界の神の一柱なんだけどね。

 僕の仕事の1つに他の世界と交わらないように

 次元ホールの修正をする事があるんだよね。

 いやぁ~ごめんねぇー

 一瞬だけ転寝しちゃって次元ホールの発生に気付くの遅れちゃってさぁ。

 あ、でも慌ててすぐには処置したよ?したんだけどさぁ・・・

 その一瞬の遅れで

 ちょうど位置が被ってた君の家がまるっと消滅しちゃったんだよねぇ。

 アハハハ・・・』


「アハハハ・・・

 じゃないだろぉぉぉぉぉ!」


待って待って待って。

情報処理が追いつかないと言うか、判りたくないと言うか。

家がまるっと消滅?

え?どういう事?


『消滅って言うのはねぇ、跡形もなく消え去るって言う事だよ!』


いやいや、意味を聞いてる訳じゃない!意味位知ってるし!

そうじゃなくて!


「すまぬな、こやつに説明させた我が悪かった。

 我が説明しよう」


そう言ってバステト神が説明してくれた。

本来次元ホールは発生と同時に処置する為他次元(異世界)への干渉は起らない。

だが今回は転寝のせいで対応が遅れた為運悪く位置情報が一致した我が家が消滅。

我が家がと言うよりもその位置に存在したすべてが消滅。

つまり元々存在が無かった事になってしまったのだそうで。

輪廻帳からも消えてしまった為、元の世界に戻す事も元の世界で生まれ変わらす事も出来なくなったのだそうだ。


え?それ終わってるよね。私これからどうなるの・・・


頭の中でチーンと音が鳴って白目をむき口から魂が抜けそうになったのは仕方が無い事だと思う。


「これこれ、落ち着いて戻ってまいれ!深呼吸するのじゃ!」

「うにゃっ! 吸い込んで吸い込んで!魂吸い込んで!

 今抜け出たら我等でも助けてやる事が出来なくなってしまうでな!」


はっ!

ヒッヒッフゥー


「それ違う!吐くんじゃない吸うのじゃ!」

「えぇい、まどろこしい。手伝うてやる!」


え?違う?吐いてた?

だいぶ動揺していたらしい。

吸うのね、吸う・・・


スゥゥゥゥゥーーー 


ぐいぐいぐいっ ぎゅうぎゅうっ


アヌビス神が私の魂を口に押し込む。


しゅぽんっ


危ない危ない・・・



『落ち着いて? ね?心配いらないからさぁ!

 君が居た元の世界では無理だけど僕の世界でなら生き直せるから!』


「「 其方は黙っておれ!! 」」


『僕の扱いひどk・・・ぶへっ モゴモゴッ』


バステト神が再び足に力を込めた。


「これでよい。話を戻すぞ。

 其方に残された選択肢は2つ

 こやつの管理する世界で生き直すか、このまま無へと帰るか

 ああ、心配いたすな。管理するのはこやつだけではなく他にもおるでな」


そうか、元には戻れないのか。

選択肢も2つしかないのか・・・

こんな事になるならケーキ残さず全部食べ切って置けばよかった。

いやそうじゃなくて。猫達の餌どうしy・・・

・・・


「待って?

 あの場所まるっと消滅って事はうちの子達は?!

 外猫の中には怪我してる子も居たし!

 あー、餌食べに来てた雀とか鴉の中にも羽痛めてる子居たし!

 どっかの阿呆が捨てて行った子犬だって、もう少しで保護できそうだったのに!

 まさかとは思うけど・・・

 あの子達も全員消滅?・・・」

「すまない。

 あの瞬間、範囲内に居た者達もすべて消滅した」


は?

いやいやいやいや、無いわ。

それなりの数の命になるよ? ねぇ、それが全部消滅なの?

有り得ない・・・

なのにこの異世界神アハハと苦笑で誤魔化すんじゃないよ!

ワナワナと怒りで震えるって表現があるけどさ、ほんとにワナワナと震えるんだ。


「流石にこの状況は酷いと大神も判断されてな。

 大神と言うのは我等よりも上位の神でな、所謂上司だと言えば解りやすいか。

 其方がファンタニアで生き直すのであれば

 共に消滅した者達もファンタニアに送り込む事になった」


ん?・・・

あの子達だけでってのは無理なんだろうか。

私と一緒に、なんだ。

と言うかそのファンタニアって世界に限定されるんだ・・・


「あの者達がな、其方と一緒でなければ嫌だと願い出たのだよ」


マジで?

飼ってた家猫達はまだしも世話してただけの外猫達も?

えぇぇ、ちょっと泣いてもいいかな。


「皆口々にかぁたんかぁたんと呼んでおった」


ポンポンとアヌビス神が優しく頭を撫でてくれる。


そうか、あの子達が一緒にと言ってくれたのなら

あの子達を消滅させる訳にはいかない。

色々と思う所もあるけども、勿論納得なんてこれっぽちも出来ないけども。

元の世界に戻れないし元の世界での生まれ変わりも出来ないというのならば

受け入れるしかないじゃないか。


「解りました。あの子達とファンタニアで生き直そうと思います」


アヌビス神とバステト神はそっと私を抱きしめてくれた。

バステト神の足は異世界神の頭を踏んだままだったけど。

誤字報告ありがとうございます、非常に助かっています。

アクションやブックマーク、評価にお気に入りと励みになっております。

((8-(*’-‘*)ノ…Thanks…ヽ(*’-‘*)-8))

拙い作品ですがいつも読んで下さりありがとうございます。

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