勇者との戦い(4)
【“皇子”を倒しました100pt加算されます。】
【“貪欲な野望”が発動しました“皇子”のスキル“聖具生成”を手に入れました】
【………】
【スキル“聖具生成”を変換し“呪具生成”にしました。】
【条件を満たしましたので“怪物工場”で“凶化生産”が可能になりました】
【現在9750pt】
皇子が100ptって(笑)
まぁ、兵士よりはいいんじゃあない?
【“呪具生成”
呪われたアイテムを造る事が可能、ただし『存在している物』にしか対象にならない。】
【“凶化生産”
マーガを2500体以上生産する条件を満たした為、次回からは人間のみへの凶化するポイントが0ptになる。さらに、その他への凶化はポイントが半減される】
“呪具生成”は使えないスキルだな…呪われた道具として裏ルートに流して金儲けする事した使いようがない。
まさに皇子役立たず(笑)
“凶化生産”はマーガを大量生産できるスキルか…2500体も作ったか?
ああ、マーガを放牧してたんだ。
野良のマーガが村を襲って仲間を増やしたんだな…たぶん。
メッセージを確認し終わると勇者の方を見てみる。
彼女は頭がない皇子を見ながらブツブツと何かを言っている。
「な……で……こ………の…」
ん? 小さくて聞こえないな…
「なんで、殺したのッ!!!!!」
勇者…確かアイだったけ?いきなり叫んで僕の方を睨みつけ殺気か?ピリッとくる威圧をかけてくる(効かないけど…)
とりあえず僕は……
後ろを見た。
「いや、お前に言っているんだよ。」
あっ、そうなの…
タクヤに指摘されて彼女が僕に聞いてきたと分かったので…
「なんでって、君がキドリーを『助けて』って言ったからだぜ?」
「だから、何で殺したのっ!!」
「君は馬鹿か? 僕は彼を“助けた”ぜ? 」
「殺したじゃないっ!!」
「“苦しんでいる“彼を助けてあげたんだよ。」
「え…」
アイは驚いた顔をして僕を見る。
「君はキドリーを“助けて”と言った。 しかし、具体的にどう助けるかを言っていない。 つまり、僕の判断に君は任せたんだ。
そこで僕は“彼がこれ以上苦しまない様に”彼を殺してまだ続く筈だったこれからの
“痛み”
“裏切り”
“憎しみ”
“失恋”
“悲しみ”
“陰謀”
“争い”
“病気”
“疑心暗鬼”
“嘘”
“恐怖”
“堕落”
“嫉妬”
“混乱”
“悩み”
そして
“不幸”から
“助けてあげたんだよ。”
だから僕は間違っていない…間違っているのは“君”なんだよ。」
僕の言葉を聞いた勇者はまるで糸が切れた人形のように座り
「あ…悪魔……」
と呟いた。
それを聞いて僕は笑顔で言った。
「何を言っているんだい僕は君と同じ“人間”だ。 ただ“嘘”という仮面を付けるのを辞めた何処にでもいる“人間”さ。」




