表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一つの物語  作者: 世界の一つ
一つの物語〜悲劇編〜
24/112

一つの物語〜悲劇編〜

・ミツキ

幼馴染のリュウイチと同じ特務執政官でミツキ・アサギリ部隊隊長。リュウイチに惚れており、彼の実の妹にすら嫉妬や警戒心を抱くほど彼を想っている。しっかりしてるがここぞと言う時に詰めが甘い時があり、私生活でもどこか抜けている。容姿端麗、頭脳明快、長く綺麗なポニーテイルが特徴。その容姿と優しさからヘヴンの隊員達には人気が高い、しかし当の本人はリュウイチにしか興味が無い。ちなみに妹であるサツキに劣らないくらいの怪力を有しているが、それを使う事はあまりない。


・ユマリ

リュウイチ直属の一等粛正官で彼の部下兼護衛を務めている。物静かであまり多くを語らない、幼馴染のリュウイチを兄と呼んで彼を慕っているが、その想いは兄以上の想いを寄せている。ミツキと同じく少々独占欲が強い。

兄のレイとジュンの事は名前で呼んでいる。彼女曰く、自分の兄はリュウイチだけとの事。

兄達に似て魔法も使えるが、基本的に短刀を使い、まるでニンジャのような動きをする。


・サツキ

リュウイチの幼馴染でミツキとは3歳離れた姉妹。一等粛正官サツキ部隊の隊長。並外れた怪力の持ち主で、それが災いして被害を拡大させてしまう事がしばしばある。本人は一応気をつけて行動したいるもののなかなかそれが実らない。

姉のミツキ同様リュウイチに好意を寄せているが、時にミツキ達を応援するそぶりを見せたり、リュウイチに迫ってからかったりする事が多く、何を考えているのが分からない時がある。姉に似て顔はかなり綺麗に整っていて、サラッとした茶髪のセミロングが特徴


・カイ

リュウイチのガード兼親友であり、彼の護衛で彼の良き友でもある。リュウイチと同様剣の使い手で腕前は超一流であり、素早さに特化した戦闘スタイルである。極度の緊張症で女の事になると右往左往してしまい、言葉がたどたどしくなる。が、男女関係なく気さくな性格なので、女は勿論男にも人気がある。


・レイ

カイと同じくリュウイチのガード兼親友。いつも笑顔を崩さない明るい成年で妹にユマリ、弟にジュンがいる。魔法を得意としており、時空間魔法や上級魔法も短い詠唱で発動する事ができる所謂天才であり、本人はそれを誇示したりしない。たまにサツキと一緒になって悪ノリをしてリュウイチに叱られることがあるが、反省はしていない様子。


・キラ

リュウイチ部隊の一等粛清官であり、ユマリとサツキ達の同期。穏やかで優しい性格で、部下などにも分け隔てなく接する好青年。潜在能力が高く、単体で大物イレギュラーやギガントモンスターを粛清できるくらいの実力があるが、本人はそれを謙遜している。

モンスターよりイレギュラーの粛清を主に行っており、戦闘スタイルは魔銃を駆使して戦う。その射撃の腕前は極めて高く、狙撃も難なくこなす。


・ジュン

ホーリーヘヴンの三等市政官であったが、イレギュラー化してリュウイチ達に襲いかかる。レイに似て魔法を得意としており、時空間魔法を扱う。また手甲鉤での接近戦も得意としている。一度拘束されたが、リュウイチ曰く何者かの手引きによって逃走した。


・ミソラ

ホーリーヘヴン特務執政官であったが、ジュンと同じく影でイレギュラー達と繋がっていた。正体が分かってからは惨虐な性格が露わになり、共に過ごして来た以前の仲間達を平然と殺そうとする。戦闘力が高い上に治癒術も使う、ただ単に破壊行為をする訳では無い様で何者かの指示で行動している。


「……リュウ……イチ……うぅ……!こんなのイヤだよ……リュウイチィ……!!」


取り残された私は、彼が消えて行った場所で溢れ出てくる涙を止める事ができず、泣き崩れていた


「置いて行かないって言ったじゃない……っ!!」


彼の言葉を思い出し、更に波が溢れ来る……ほんの数秒前まで一緒にいたのに……なんでこんな事になったの……!?


「うぅ……!リュウイチ……っ!」


"みぃ姉……りゅうくんをお願いね"

そう言ったサツキの言葉が私の心の中で木霊する……


「……サツキ……」


守らなきゃ……守りたかった……私自身の信念のために……私のために……


「……違う"守りたかった"じゃない……守るのよ……!これからもずっと……他の誰でもない、彼を……!」


私は尚も溢れてくる涙を拭いて、力いっぱい立ち上がった。

そうよ……私は彼を守るの!彼と一緒にいるために!だからここで諦めちゃダメ!

私は吊り橋があった方を背にして、少し離れた場所に有る建物の方に視線を向けた。


「……先ずはみんなと合流して、すぐにリュウイチを探さないと!」


"諦めるな"


「うん……諦めない!私はリュウイチと帰るの!私達の場所へ!」


私は意を決し、建物がある方へと走り出した。


疲労なんて関係ない、モンスターがいたって関係ない、ミソラ達がいたって関係ない!


必ずリュウイチを見つけてみせる、必ずリュウイチと生きて再会してみせる!


私は走りながらSPDを取り出し、この辺り一帯のマップを確認する。

ナビ機能は使えないけど、この辺りの地形は確認できるはず。

……良かった!やっぱりマップ機能は生きてる!えっと……今居るのがこの辺りだから……リュウイチが流されて行った場所は……建物の東側ね!


急がなきゃ!

建物の入り口に着き、私は周りを警戒しつつゆっくり扉を開けた。


「大きい建物ね……館……なのかな?サツキ達はどこに居るのかしら?」


私は内部を見渡し、足元に注目した。

……微かだけど複数の足跡がある、これを辿って行けばきっと合流できる。

中に入ってすぐに大きな額縁が目に入った。


「……ん?これって……この館の見取り図?スキャンしておかないと」


SPDを取り出してマップスキャンをする。

それにしても

不気味なくらい静かな館を私は一人で探索を開始した……一人……リュウイチ……っ!


"油断するなよ、みぃ姉"


そう……慌てたらダメ……慎重になり過ぎてもダメ……迅速に、かつ警戒しながら探索しなきゃ

私はリュウイチの言葉を思い出しながら足跡がある方へと歩き続けた。


「そう言えば、リュウイチはこの辺りに嫌な気配するって言ってたけど……一体何だったのかしら?キョウコ達……じゃないわよね?別の何かが居るって事……?」


ここへ来る途中、私達をずっと追いかけて来た気配の正体も結局分からないままだし……あの場に止まっていた私にはなんの障害もなかった……


……グリム森林でのモンスターの挙動、リュウイチだけが狙われていた異常な事態……


……今回もリュウイチが狙われている?


……っ!?

だとしたら!落ちて行ったリュウイチを追尾した事になる?!


私は再び不安にかられてしまった……

ふと横を見ると大きな鏡があり、不気味な光を反射させていた。

鏡に写し出されている私の顔はまぶたが赤く腫れ上がり、不安に満ちた表情をしている……


リュウイチ……


……!


突然SPDが震え出し、私は画面を開く

……これってチェックポインターの発信反応?

もしかしてサツキ達が置いたものかしら?

とにかく行ってみよう。

私は武器を持っていた手に力を込め、再び歩き出した。


館の中には何箇も扉がある、下手すると迷子になりそう……でも急がなきゃ

私はポインターを辿っていく。



……!?

私は二階の長い廊下を歩いていると扉の向こうから何かの気配を感じた……ここは、談話室?

鼓動が早くなってくる……

私はゆっくり扉のノブを握り、呼吸を整えた。



息を大きく吸って私は扉を一気に開けて武器を構える。



「……ひゃあっ!?なになに!?」


「……ミツキ?」


私は慣れ親しんだ聞き覚えのある声と姿を確認して一安心する。


「サツキ!ユマリにみんなも、良かった無事だったのね!」


私はそう言うと、サツキが満面の笑みで駆け寄って抱擁して来た。ギュッと力強く抱きしめてくるサツキに私も力強く抱きしめ返す……


「サツキ……無事で本当に良かったわ」


「みぃ姉こそ!無事でよかったー!♪」


……愛する妹の無事を実感できたと同時に私は罪悪感に襲われた、自分の妹に刃を向けてしまった事、傷つけしまった事……そして……


「ミツキ、無事みたいで安心したよ!ところでリュウイチは?」


「別行動でもしてるのでしょうか?リュウイチ様らしくないですね……っ!まさか……!?」


レイがそこまで言いかけて私の顔を見つめる、その表情は決して穏やかではない……私は抱きしめていたサツキをゆっくり押し離す……

しかしサツキは完全には離れなかった、体は離したがサツキの手がしっかりと私の手を握っている。

そんなサツキの表情は真剣であり瞳はわずかに潤んでいた……


「みぃ姉……」


「……ミツキ、兄さんは……?」


サツキの後ろまで歩み寄って来ながらユマリは冷たい声で問いかけてくる。


「……リュウイチは……いない……」


声が思うように出てこない……


「え……?」


「どういう事だ!?」


キラとカイが問いかけ直してくる……当然の反応よね……


「……ここへ来る途中……何かに追われて……私を逃すために……吊り橋ごと……崖の……下に……」


かすれ行く声を無理矢理出す……それと同時に自然と繋いでいる手に力が入り、握りしめていた。


「……私は兄さんを捜しに行ってくる」


「ユマリさん!?」


「あの崖の下には川が流れていた、それに兄さんだもの絶対生きてるわ」


ユマリはそう言うと部屋から出ようとしたが、キラはとっさに彼女に駆け寄って引き止める。


「……離して」


「一人じゃ危険だよ!ここに敵がいないとは限らない、闇雲に行動しないで皆んなで行動した方が良い!」


……キラの意見は最もね、でもジュン達の捜索もしなければいけない……私にとって大切な事は……


「そうね、キラの言う通り一人では危険よ……だから私も一緒に行くわ」


私は意を決してユマリとの同行を買って出た、私にとって優先すべきはリュウイチの安否。これだけは譲れない


「ちょっと待てよ、二人共とりあえず落ち着けって!せっかく合流できたんだし、また散り散りになったら危険が増すだけだぞ」


カイが私達を静止した、確かに危険かもしれない……でも!


「リュウイチも一人なのよ、誰かが行かないと本当に……!」


私はそこまで言って言葉を詰まらせた……最悪な事を想像してしまい、それ以上声に出せなくなった……


「……お気持ちは分かります、ですが僕達の本来の目的は行方不明の先遣隊とジュン達の捜索です。おそらくリュウイチ様も同じ事を言うでしょう」


そう……それが当初の任務、だけど私はヘヴンの任務より大切なものがあるの……それはヘヴンに入る前からずっと変わらない意志、私の信念


「みぃ姉、あたしもみぃ姉と同じ気持ちだよ……多分ここにいる全員もね」


……サツキ?


「ミツキさん、隊長とはどのあたりで逸れたんですか?」


「この館に来る途中にあった、最後の吊り橋の所よ……」


それを聞いたキラはすぐさまSPDを取り出しマップ画面を開くと、カイとレイがキラに歩み寄りその画面を覗きこんだ。


「という事は、そこから落下したとなると……ここから西側の方に流された可能性がありますね」


「西側か、じゃあ急いで行こうぜ!リュウイチを探しつつジュン達の捜索もしながら、皆んなでな!」


カイがそう言うとレイとキラが大きく頷いた


「僕達の優先順位は昔から決まっていますからね、主人を第一に……それが僕達ガード兼友人の役目ですから」


みんなリュウイチの事が好きなのね……信頼できる仲間ってこういうものなのかしら


「さあ行こ、みぃ姉!もちろんユマりんも一緒に!♪」


サツキが満面の笑みで私とユマリの腕を組んできた……ええ、そうね!私はサツキに笑顔で返した。


「……兄さん、待ってて。必ず見つけるから……みんなと一緒に」


ユマリはそう呟くと扉に手を伸ばし、ゆっくり開ける。

マップを見る限りでは、この館の地下を通って外に出れそうね。


「まずは地下室への道を探しましょう、そこから西側入口に行けるはずよ」


「は〜い!♪」


私がそう言うとサツキが明るい声で返事をした……でもその明るさはいつもとは違うと私には分かる。

無理しなくても良いのに、この子も辛いはず……ごめんね、サツキ……


……


……!?


な、なに?何かの気配が……!


真っ暗な長い廊下に出た私は異様な気配を感じて武器を構える。


「どうかしましたか?ミツキさーーっ?!」


後についてきたキラが廊下に出て来ると、私の目線の先にある人影に注目した。


「あれは……子供?何故こんな所に?」


レイの言う通りね……それにしてもなんだろう、あの子から何か異様な気配を感じる……


「あなたはここに住んでるの?だとしたら、勝手に入ったりしてごめんなさい。驚かせてしまったなら謝るわ」


「……」


反応が無い、子供はずっとこちらを見つめている。敵意は……感じられない。でも何か妙な気配がする。一体なんなのかしら?


「あ、僕たちはホーリーヘヴンの者なんだ、ここにイレギュラーが入り込んでいるかもしれないんだけど、怪我とか無いかい?」


「……」


キラの穏やかな対応にも全く反応しない……僅かに見えるあの子瞳、なんだか悲しみを帯びてるような気がする……。


「……紹介がまだだったわね、私はミツキよ。あなたのお名前は?」


「……ユリコ」


私の質問にか細く呟いたユリコと名乗る女の子

見た感じは幼い女の子みたいだけど……奇妙な気配のせいで、なんだか疑わしい……


「ユリコちゃんって言うのか、俺はカイだ、こっちのニコニコしてるお兄さんはレイ、その隣にいる好青年はキラだ、宜しくな」


「あたしはサツキ、こっちのちょっと怖い雰囲気出してる方がユマリちゃん、ユマりんって呼んであげてね♪」


「……」


やはり返事はしない、と言うか……生気を感じない

どこか具合でも悪いのかしら?それとも……


「ねぇ、何かあったの?どこか具合でも悪い?」


「……」


……怖がってるのかしら……とりあえず、リュウイチの事を何か知ってるか訊いてみようかな


「……お兄ちゃんは大丈夫だよ」


えっ!?

まだ何も言っていないのに、的を射た発言に私は動揺してしまった。

偶然……?それにしては的確すぎる


「な、なあ!?そのお兄ちゃんって、剣を両腰につけてる黒髪の男か!?」


「……」


カイが問い詰めるとユリコちゃんはなにも言わずゆっくり頷いてみせた


「彼は!?今どこに居るの?怪我とかしてなかった?!」


「……こっちだよ」


そう言うと流れるような動きで、廊下の奥へと消えた


「急ぎましょ、兄さんの手がかりを見失ってしまうわ」


ユマリはそう言って急いで廊下を走って行った、私もそれに続き駆け出す。


「大丈夫なのか?もしあいつらの罠だったら最悪だぞ」


「それはそれで望むところです、彼らを探す手間が省けますからね」


たしかに罠ではないと言い切れない……けど少しでも手がかりがあるなら、ユマリの言う通り急がないと!


「とにかく行ってみましょう……慎重にね」


私は走りながら五人に警戒を促しつつ急ぎ足でユリコちゃんを追う。




















どこに行っちゃったのかしら……あれから数分が経過している、ユリコちゃんの気配はたしかに感じるのにどこにも見当たらなかった。


「ま、まさかオバケ……なんて事はないですよね……?」


「ふ、不吉な事言うなよ……俺だって我慢してんのに」


キラとカイがビクビクしながら周りを確認していた

全く、情けない男の子達ね……


「この辺で気配がするんだけど……一体どこへ……」


私がそう呟くと少々驚きながらサツキが話しかけてくる


「も、もしかしてみぃ姉、あの子の気配感じるの?」


え……?


「あ、あんたは感じないの?こんなにしっかり気配を出してるのに……」


そう言うと、ユマリがこちらを見つめてきた……なに?


「どうかしたの?ユマリ」


「……兄さんみたいね」


リュウイチ……?

なんの事?


「私たちには感じないものを兄さんはここへ来て、いち早く異様な気配を探知していた。その時の兄さんと似てる……」


わ、私とリュウイチが……?

ちょっと嬉しいけど、顔に出さないようにしなきゃ……ふとユマリの顔を見ると少々眉を顰めている。


「そ、そうかしら?彼とは長いこと一緒にいたから周囲に敏感になってるだけなんじゃない?」


「……」


……やばい、余計怒らせちゃったかも……


「……兄さんを見つけたら愛の力をもらわないと」


「ダメよ!!彼の愛を受けるのは私だけって昔から決まってるのよ!」


「あら、だったら私も負けてないわね、幼馴染ですもの。必ず兄さんの愛を手に入れてみせるわ」


「おーーい……なんか話が逸れて来てるぞー!」


白熱していた私とユマリとの合戦にカイがなだめに来た……でも絶対リュウイチは譲らないからっ!


「あの子は一体何者なんでしょう?敵意はまるで感じられませんでしたが……味方と捉えて良いのかな……?」


「うーーん……まあ、可愛子だったし大丈夫じゃないかな!♪」


……サツキ、それなんの説得力も感じないんだけど……


……!?

私は突然気配を後方に感じ慌てて振り返る


「っ!?ゆ……ユリコちゃん?もう、びっくりした……今までどこに行ってたの?」


私はあまりの突然さに驚いてつい大声を出してしまった。みんなが私の驚き声を聞いて一斉にこちらの方を見る


「うわ〜ユリちんまるで幽霊みたい、突然出てくるからびっくりしちゃったよ〜……」


「……お兄ちゃん……あそこにいるよ……」


え……!?


私とユマリはほぼ同時に、ユリコちゃんの小さな指で指した方角に慌てて目をやる。


すっかり暗くなってしまい、辺り一面闇に染まっていて視界が悪くなっていた。

どこ?リュウイチはどこなの?!

窓の外をくまなく探すがリュウイチの姿は見えない……どこにいるの?


…………


…………!?


「いた!あそこよ!!」


「なに!?どこだ、どこにいるんだ?!」


窓から見える僅かな反射光、それはここまで流れて来ている川だった。そしてリュウイチはその漆黒に染まっている川に半分浸かっている状態で、岸に体を乗せて気絶している。


「本当だ!!早く助けないと!!」


「ああ、急ごう!」


カイとキラはそう言うと、一斉に走り出した。

私たちもそれに続く……っ!?


「みんな!注意して、何か居るわ!」


進行方向に一人、後方に一人……これは


「おや、ミツキさん……もうバーサーカーにはならないのですか?フフ、無理でしょうけどね」


「やっぱりここまで来たのね、その勇気は認めてあげるわ!それともただ死にたいだけかしら?」


ジュン……!ミソラまで!

もう!こんな時に!すぐそこにリュウイチがいるのに!


「ねぇ……あんた達、自分たちの立場分かってる?」


ユマリが淡々と発言し始める……その表情は怒りそのものが表面化しているようだった……こんなユマリは初めて見る……


「邪魔しないでくれるかしら?本気で殺すわよ?」


ユマリはそう言うと、武器を握りしめる。


「そうだね、ユマりんの言う通り……あたしたちの邪魔しないで、あんたらの顔面ぶっ潰しちゃうよ?」


サツキまで別人と思えるほど怒りに満ちた表情をしている……多分私も


「ジュン、ミソラ、私たちは本気よ。もう躊躇いもしないし容赦もしない。徹底的に粛清するわよ」


私はカタナを抜き構える。カイたちもとっくに武器を握りしめていた。

待っててね、リュウイチ!すぐ行くから!


「ミツキお前はユリコちゃんを頼む、あいつらは俺達がやる!」


……ふと振り返ると怖がってるそぶりも見せずに生気の無い顔でこちらを見ていた。


「……分かったわ。ユリコちゃん大丈夫よ、私が守ってあげる!とりあえずここから離れて、隙があったらリュウイチを救出しましょう」


「……お姉ちゃんが来る」


「え?お姉ちゃん?」


…………っ!???


な、なに?この悪寒、怖い……なんなの!?


















ユマリ

私は兄さんを信じてる


あの時からずっと、これからもずっと


一刻も早く兄さんを抱きしめたい


……それなのに邪魔をしてくるジュンとキョウコ


私の邪魔をしないで


お前たちを殺してでも、私は兄さんの元へ行く


次回、一つの物語〜悲劇編2〜


ここまで来た理由?


それはあなたと共にいたいから


私は兄さんが大好きだから……だから!


必ず兄さんを守る!



次回掲載予定日、29日

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ